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カメムシ大量発生は11月下旬まで!2026年は31府県で注意報

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ベランダの手すりや外壁に、カメムシが何十匹も止まっている。洗濯物を取り込むたびに付いてくる。2026年の秋、カメムシの大量発生で困って調べている方は多いと思います。ウェザーニュースの読者アンケートでも、全国の40%が「例年より多い」と答えていて、静岡県では80%でした。

先に答えを書くと、家に飛んでくるカメムシは11月初旬がいちばん多く、11月下旬には落ち着きます。今年多いのは、2025年夏の暑さで山のヒノキやスギの実が多く実り、それを食べたカメムシが増えたためです。2026年は10月までに31府県が果樹カメムシ類の注意報を出し、静岡県は28年ぶりに警報を出しました。

私は害虫駆除業者として年間800件以上の現場に出ていますが、担当はゴキブリ・ネズミ・ハチで、カメムシの駆除作業はしていません。この記事は、都道府県の注意報、農研機構と国立感染症研究所の研究、メーカーの公式情報を確かめて書きました。あと3週間ほどをどうしのぐか、何十匹もいるのをどう片付けるかが分かるようにしています。

カメムシの大量発生は前年の夏の暑さで増えたヒノキの実が原因

カメムシの大量発生とは、山のスギやヒノキの実(球果)で増えたカメムシが、実を食べ尽くして人里へ出てくることです。2026年に多いのは、2025年夏の高温でヒノキの実が多く実ったためで、アース製薬も「昨年夏の高温の影響で、カメムシの餌となるスギやヒノキの『球果』が今年は豊富だった」と説明しています(ウェザーニュース)。

静岡県の調べでは、今年のヒノキの実の付き具合を示す指数は7.9で、平年は4.5でした。8月にヒノキに付いていたカメムシは平年の4.2倍で、8月としては1996年以降でいちばん多い数です(静岡県 注意報第3号)。実が多い年に山で増えるので、家のまわりの手入れが悪かったから集まったわけではありません。今年は家の側に原因がなくても来る年です。

山でスギとヒノキの実が増える仕組みや、家に入る前のすき間のふさぎ方は、カメムシ対策の記事にまとめました。この記事では、すでに大量に来てしまった秋の話を書きます。

2026年は31府県が注意報を出し、静岡県は28年ぶりの警報

2026年の果樹カメムシ類の注意報は、農林水産省の一覧で10月6日までに48件・31府県、警報は静岡県の1件でした。10月9日には三重県が4回目の注意報を出しています。件数が過去最多級だった2024年は61件、少なかった2025年は18件で、今年はその間の多い側にあたります(農林水産省 発生予察情報)。

秋(8月下旬以降)に出た注意報・警報のうち、平年と比べた数字が書いてあるものを並べました。

発表日県平年と比べた数
8月24日岐阜県予察灯にかかった数が平年の1.3〜16.7倍
8月31日和歌山県有田川町のチャバネアオカメムシが2,871頭(平年415頭)
9月2日大阪府羽曳野市のフェロモントラップで平年の約28.6倍
9月7日群馬県6地点のうち5地点で平年の約2〜12倍
9月15日香川県ツヤアオカメムシが平年の14倍
10月1日(警報)静岡県予察灯が平年の20.3倍。2024年を上回る
10月9日三重県御浜町のツヤアオカメムシが25,967頭(平年4,098頭)

この表で見てほしいのは、秋に注意報を出したのが東海・近畿・四国に寄っていることです。ウェザーニュースのアンケートで「例年より多い」が多かったのも静岡県80%・愛知県69%でした。反対に、佐賀県は3月と7月に注意報を出したのに、アンケートでは55%が「例年より少ない」と答えています。春に注意報が出た県でも、秋に家のまわりへ来る数は別です。

注意報は果樹農家に向けた発表で、数えているのは果樹園の予察灯やトラップです。家の外壁に来る数とそのまま同じではありません。それでも、住んでいる県が秋に注意報を出していれば、11月までは多い前提で洗濯物や窓の開け閉めを考えておくと外れにくいです。

カメムシは11月初旬に最も多く飛来し、11月下旬に落ち着く

カメムシが冬を越すために家へ飛んでくるのは9月下旬から11月下旬までで、いちばん多いのは11月初旬です。農研機構の外山晶敏氏の総説は、富山県での調査をもとに「11月初旬にピークに達し,同月下旬には終息にむかう」と書いています(植物防疫 65(9), 2011)。

カメムシが家に飛んでくる時期。9月下旬に最低気温が15度を下回ると飛び始め、10度を下回った後の晴れた日が最も多く、11月初旬がピークで11月下旬に落ち着く。春は4月中旬から5月中旬に越冬場所から出てくる

飛んでくる日は気温で読めます。同じ総説が引く渡辺ら(1994)の観察では、飛び始めるのは最低気温が15℃を下回ったあと、最も多く飛んでくるのは最低気温が10℃を下回ったあとの、よく晴れた日でした。豊田市も「冷え込んだ翌日の快晴の日に多い」と書いています。反対に、曇りや雨、風の強い日はほとんど飛びません(渡辺 2021)。

つまり、天気予報で朝の最低気温が10℃を下回り、日中は晴れる日が、外壁にいちばん集まる日です。その日だけでも洗濯物を部屋干しにして、昼間に窓を開けっぱなしにしなければ、持ち込む数はかなり減らせます。

今年は少し長引くかもしれません。農林水産省の病害虫発生予報第8号(10月7日)は、気温が全国で高い見込みのため「平年より遅い時期まで、園地へ飛来するおそれ」があるとしています。11月下旬を過ぎても晴れて暖かい日が続く地域では、12月初めまで様子を見てください。

春にもう一度出てきます。家のすき間や屋根裏で冬を越したクサギカメムシは、4月中旬〜5月中旬に越冬場所から出ていきます(豊田市「住まいの害虫 カメムシ類」)。春に部屋で見かけるのは、秋に入ったカメムシです。

集まっているカメムシの種類で、来る場所と片付け方が変わる

秋に家のまわりで大量に見かけるのは、主にツヤアオカメムシ・チャバネアオカメムシ・クサギカメムシ・マルカメムシの4種です。北日本や山あいではスコットカメムシも加わります。種類によって集まる場所が違うので、どれが来ているかを見ると片付ける場所が決まります。

種類見た目よく集まる場所出典
ツヤアオカメムシ緑色・約15mm・つやがある夜の照明、外壁、洗濯物KINCHO・名古屋市
チャバネアオカメムシ緑色に茶色の羽・9〜12mm夜の照明。室内にもよく入る名古屋市
クサギカメムシ茶色のまだら・12〜18mm家の中、屋根裏、窓枠や戸のすき間(集団で冬を越す)外山(2011)・アース製薬
マルカメムシ丸い・約5mmベランダの洗濯物と布団。近くのクズが発生源大阪市立自然史博物館・豊田市
スコットカメムシ北日本・山地に多い家の中(札幌市では10月中旬から入る)札幌市
木の枝に止まっている緑色のカメムシ

緑色の2種は、9月末〜10月に照明の光に寄って外壁や窓に集まります(KINCHO公式note)。夜に玄関灯やマンションの廊下の明かりの近くで何十匹も見るなら、たいていこの2種です。照明の紫外線を減らすと寄ってくる数が1/3〜1/5になるという農研機構の試験があり、虫が蛍光灯に集まる理由の記事でLEDとの違いを書いています。

茶色のクサギカメムシは光より暗いすき間を好みます。外山氏の室内実験では、休眠に入った成虫は箱の1/6しかない暗い部屋に30分以内に移り、10匹入れると平均7匹ほどが密着して固まりました。窓枠や戸のすき間に潜った結果「たまたま中に通じてしまうだけなのではないか」とも書いています。部屋の中や屋根裏で困るのは、主にこの種です。

5mmほどの丸いマルカメムシがベランダに大量にいるなら、近くの空き地や河川敷のクズで増えています。豊田市は、クズを刈ると飛んでくる数が減ると案内しています。

大量発生の片付けは「外壁・窓・部屋」の3つの場所で分ける

カメムシが大量に来ているときの片付けは、外壁とベランダ、窓と網戸と洗濯物、部屋の中の3つの場所で、使う道具と目的を分けます。この記事では「カメムシ片付け3ゾーン」と呼びます。外では数を減らし、窓では家に入れず、部屋では潰さずに外へ出す、という分け方です。

カメムシ片付け3ゾーン。外壁とベランダは屋外専用スプレーと照明を消すこと、窓と網戸と洗濯物はペットボトルの捕獲器と粘着シートと部屋干し、部屋の中は凍らせるスプレーで止め、何十匹もいればくん煙剤
場所目的使うもの使わないもの
外壁・ベランダ止まっている数を減らす屋外専用のカメムシスプレー、夜の照明を消す夜の照明のつけっぱなし
窓・網戸・洗濯物家に入れないペットボトルの捕獲器、粘着シート、部屋干し素手・ティッシュでつまむ
部屋の中潰さずに処理する凍らせるスプレー、何十匹ならくん煙剤掃除機

外壁とベランダの群れには屋外専用スプレーを届く範囲でかける

外壁やベランダの手すりに何十匹も止まっているなら、1匹ずつ捕るより屋外専用のカメムシスプレーをかけたほうが早く減ります。KINCHOも「大量に飛来する年は、こうした対策に殺虫剤も取り入れて」と書いています。

イカリ消毒のムシクリン カメムシ用ジャンボエアゾールは、最長3mほど届く屋外専用のスプレーで、1本で約6㎡にかけられます。止まっているカメムシを退治しながら、かけた場所に寄りつかせない効果が最長約6か月続くと公式に書いてあります。2階のベランダの外壁や軒下のように、手が届かない高さに群れているときに向いています。

かけたあと、ベランダに落ちたカメムシはそのまま放っておかず、粘着テープで集めて袋の口を縛って捨ててください。夜は玄関灯やベランダの照明を消しておくと、緑色の2種が寄ってくる数を減らせます。マンションの廊下の照明は自分では消せないので、毎晩集まっているなら管理会社に相談してください。

窓と網戸の何十匹はペットボトルの捕獲器でまとめて捕る

網戸や窓ガラスに何匹も止まっているなら、ペットボトルで作る捕獲器が使えます。フマキラー・豊田市・南九州大学の新谷喜紀氏がそろって勧めている方法で、新谷氏は「入ると出てこられないんです。複数匹を捕獲することもできます」と話しています(FNN)。

  1. 500mL〜1Lのペットボトルを、上から3分の1ほど(本体と同じ太さになったあたり)で切る
  2. 切った上の部分を、飲み口を下に向けて本体に差し込み、テープで止める
  3. 網戸に止まったカメムシの下に口を当て、網戸を軽くたたいて中に落とす
  4. いっぱいになったら、ふたをした袋に入れて捨てる

手作りが面倒なら、市販の捕獲器もあります。レックのバルサン カメムシペッタンポイは殺虫成分を使っていない粘着シートで、粘着面をカメムシに押し当てて触らずに捕まえ、紙製なので燃えるごみに出せます。洗濯物や壁に止まった1匹に使えます。

浜村木材のぱっくりんは、長さ90cmの棒の先に粘着シートを付けた捕獲器です(山陰中央新報)。軒下や天井の近くなど、ペットボトルが届かない高さのカメムシを匂いごと閉じ込められます。

素手やティッシュでつまむのはやめてください。KINCHOも新谷氏も、つかむと刺激して臭いを出させるので勧めていません。

部屋の中のカメムシは掃除機で吸わず、凍らせて止める

部屋に入ったカメムシを掃除機で吸うのは、いちばん避けたい方法です。フマキラーは「一番やってはいけないのは掃除機です」と書いていて、吸われたカメムシが中で臭いを出し、排気で部屋中に広げてしまうためです。

布の上に止まっている茶色いカメムシ

数匹なら、凍らせるスプレーで動きを止めてから粘着テープで包んで捨てます。イカリ消毒のムシクリン カメムシ用コールドエアゾールは屋内で使えると公式に書いてある製品で、30〜50cm離して約3秒吹くと、冷たい泡の塊でカメムシを包みます。泡は素手で触らず、手袋をして処理してください。

部屋に何十匹も入っていて1匹ずつでは追いつかないなら、カメムシが適用害虫に入っているくん煙剤を使う方法があります。レックのバルサンDXは雑貨品のくん煙剤で、使い方はバルサンの使い方の記事に書きました。どのスプレーを家の中で使ってよいかは、カメムシ殺虫剤の選び方で19製品の表示を比べています。

毎年同じ部屋に出るなら、屋根裏か壁の中で冬を越している

毎年秋から春まで同じ部屋にカメムシが出るなら、屋根裏や壁の中、窓枠のすき間に集団で入って冬を越していると考えられます。アース製薬は、家に入ったカメムシは「翌年の春まで居座ることも」あると書いていて、外山氏は、一度暗い場所に入った成虫は定着して外に出ないという実験結果を示しています。

この状態になると、部屋に出てきた分をいくら凍らせても、屋根裏の集団は減りません。くん煙剤も、天井裏や壁の中までは届きません。自分でやる範囲は、部屋に出てきた分の処理と、手の届く窓・換気口のすき間をふさぐところまでです。2階の外壁や屋根まわりにある入り口を探してふさぐのは、はしごに上がる作業になるので業者に頼んでください。

業者の見積もりで見てほしいのは、薬剤をまくだけか、入り口をふさぐ作業まで入っているかです。ネズミの現場では、殺鼠剤やトラップを置くだけで数万円、侵入口をふさぐ作業は別途、という他社の見積書を見たことがあります。それだと総額がかなり高くなります。カメムシも、春に出ていったあと秋にまた同じ入り口から入るので、ふさがない限り毎年同じことになります。料金の目安と見積もりの比べ方は、カメムシ対策の記事の業者の節にまとめました。

東京23区かその周辺なら、害虫ファーストが公式サイトの駆除対象にカメムシを挙げています。窓ぎわや照明の近くでよく見るという相談の例も載っているので、毎年同じ部屋に出てくる家は、どこから入っているかを調べてもらうところから頼めます。対応エリアは東京23区と周辺、料金は税込5,000円からです。

「カメムシが多い年は大雪」は、富山の25年分の記録では当たらなかった

「カメムシが多い年は大雪になる」という言い伝えは、クサギカメムシについては25年分の記録で裏付けられませんでした。国立感染症研究所の渡辺護氏が富山県の立山山麓で1995〜2019年に数えた結果、飛んできた数と降雪量の相関係数は−0.014で、論文は「クサギ飛来数の多寡でそのシーズンの降雪量を予想することは出来ない」と結論づけています(ペストロジー 36(1), 2021)。

ただ、同じ論文で、北の山地に多いスコットカメムシは飛来の多い年に雪も多い傾向が出ました(相関係数0.46)。スコットカメムシは山の稜線に初雪が近づく10月下旬から飛び始めるので、寒さに追われて短い期間にまとまって来るのではないか、と渡辺氏は推測しています。雪国で言い伝えが残ったのは、こうした年の記憶が強く残ったためではないか、とも書いています。

ほかの検証も、言い伝えには否定的です。島根県中山間地域研究センターは「カメムシと大雪の因果関係は科学的に証明されていません」とし、弘前大学の菅原亮平助教は、カメムシは成虫で冬を越すので暖冬のほうが生き残りやすいと話しています(福井テレビ)。

直近の当たり年でも確かめられます。2024年は38都府県が注意報・警報を出しましたが、その冬(2024年12月〜2025年2月)に降雪量が平年より多かったのは西日本の日本海側だけで、北日本と東日本の日本海側は平年並でした(気象庁)。今年カメムシが多いから雪の備えを増やす、という判断はしなくて大丈夫です。冬の備えは気象庁の季節予報で決めてください。

カメムシの大量発生は11月下旬まで捕り、来年の9月にすき間をふさぐ

カメムシの大量発生は、11月下旬まであと3週間ほど続きます。その間は、最低気温が10℃を下回る晴れた日に洗濯物を部屋干しにし、外壁は屋外専用スプレー、窓はペットボトルの捕獲器、部屋の中は凍らせるスプレーと、場所ごとに片付けてください。

来年も多いかは、今の時点では分かりません。実の量は年ごとに大きく変わり、2024年に61件あった注意報は、翌2025年に18件まで減りました。ただ、今年家に入って冬を越したカメムシは、来年の春に同じ家のすき間から出ていきます。春に出てきた窓や換気口の場所を覚えておき、9月のうちにふさいでおけば、来年の秋に入ってくる数は減らせます。私の家も通風口をメッシュにし、サッシを二重にしていて、部屋に虫が出てくることはほとんどありません。

すき間のふさぎ方と、9月にかけておく忌避剤の選び方は、カメムシ対策の記事で家の外周6か所に分けて書いています。

よくある質問

カメムシの大量発生はいつまで続きますか?

家に飛んでくるのは11月初旬がいちばん多く、11月下旬に落ち着きます。2026年は気温が高い見込みなので、農林水産省は平年より遅くまで飛んでくるおそれがあるとしています。家の中で冬を越したカメムシは、翌年の4月中旬〜5月中旬にまた出てきます。

2026年はなぜカメムシが多いのですか?

2025年夏の高温で、エサになるヒノキやスギの実が多く実ったためです。静岡県では、ヒノキの実の付き具合が平年の約1.8倍で、8月にヒノキに付いていたカメムシは1996年以降で最多でした。

カメムシが多い年は大雪になりますか?

クサギカメムシでは、富山県の25年分の記録で降雪量との関係は見られませんでした。北の山地に多いスコットカメムシでは多い年に雪も多い傾向が出ましたが、島根県の研究機関は因果関係は証明されていないとしています。

カメムシを掃除機で吸ってもいいですか?

吸わないでください。フマキラーは、吸われたカメムシが掃除機の中で臭いを出し、排気で部屋中に広がると書いています。凍らせるスプレーで止めてから、粘着テープで包んで捨てます。

マンションの高い階にもカメムシは来ますか?

何階まで来るかを示した公的な資料は見つかりませんでした。緑色のカメムシは照明の紫外線に寄るので、高い階でも夜に明かりが漏れるベランダや廊下には集まります。廊下の照明に毎晩集まるなら、管理会社に相談してください。

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