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ゴキブリのフンの特徴と見分け方!正しい掃除方法とゴキブリ対策の方法についてプロがご紹介

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ゴキブリのフンの特徴と見分け方!正しい掃除方法とゴキブリ対策の方法についてプロがご紹介

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部屋の床に黒くて小さな丸い粒がパラパラと落ちている…。

もしかすると、それはゴキブリのフンかもしれません。ゴキブリのフンは黒胡麻のような黒い粒々で、1mm〜2mm程度のとても小さなもの。普通のゴミと見間違えて何も気にせず捨てている方も多いでしょう。

ゴキブリのフンを放置すると

  • フェロモンにより他のゴキブリを引き寄せてしまったり
  • フンに含まれている病原菌から病気に感染してしまったり
  • アレルギーを起こしてしまったり

と様々な悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、もしゴキブリのフンが落ちていた場合には早急に掃除をして殺菌・消毒する必要があるのです。

この記事では、ゴキブリのフンの特徴と見分け方、正しい掃除とゴキブリ対策の方法について、害虫駆除業者として働く私がご紹介します。ゴキブリに怯えることなく、安心して生活するためにもゴキブリのフンはすぐに片付けてしまい、再発しないように対策しましょう。

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ゴキブリのフンの特徴

ゴキブリのフンの特徴

ゴキブリのフンはとても小さいため、ゴミと間違われることが多々あります。駆除依頼があって訪問した際にゴキブリのフンを見つけ「ここにもフンが落ちていますね。」と依頼者様に話すと

え、これがゴキブリにフンなの?

と驚かれることがよくあります。パッと見た目はただの黒くて丸い粒々なので、何かのクズか、削りカスと間違えている方も多いでしょう。

フンにも固いものと粘着質のものがある

ゴキブリのフンといっても、実は固いコロコロした粒状のものと、ネバネバした粘着質のものがあります。これはゴキブリが食べているものによって異なり、固形物を食べている場合は粒状に固まり、水分の多いものを主食にしている場合は粘着質のものになるのです。

床に落ちているようなコロコロした粒はいつもの掃除の時に気付くかもしれませんが、粘着質のものは家具や扉の隙間に付着していることが多く、しっかりと掃除をしないと気付けないケースも多々あります。

粘着力のあるネバネバしたフンが大量についてしまうと掃除も大変。拭いただけで簡単に取れませんし、掃除と同時に消毒も必要となるため労力のいる作業になります。

また、基本的にゴキブリのフンは黒色をしていますが、食べているものによって色が変化することもあります。薄い色のものをたくさん食べていると茶色系になり、白いものをたくさん食べていると白いフンをするのです。

フンと卵との違い

ゴキブリのフンと卵を勘違いされる方も多いのですが、そもそもの大きさと形が異なります。

ゴキブリのフンは1mm〜2.5mm程度の大きさであるのに対し、卵は5mm〜12mmと大きめ。さらにゴキブリの卵は卵鞘と呼ばれる殻に入っており、小豆のような形をしています。

ゴキブリの卵

フンと卵の違い

フン
大きさ1mm〜3mm程度の小さいものが多い。
(ゴキブリの種類による)
5mm〜12mm程度の大きさが多い。
(ゴキブリの種類による)
黒色、褐色黒色、濃い茶色、チャバネゴキブリは薄茶色
粒々として丸い形小豆に似た俵型
匂い無臭無臭

ゴキブリにも種類があるため、ゴキ斑の種類によって卵の形状や大きさも異なります。卵もゴキブリの卵について、こちらの記事で詳しくご紹介しています。

卵と同じく、ゴキブリのフンも種類によって多少異なります。

クロゴキブリのフン

フンの大きさ2mm〜3mm程度
匂い無臭
黒色、茶色
黒いゴマ粒、もしくは粘着性のあるジェル状

クロゴキブリは日本の一般家庭で最もよく発生するゴキブリです。成虫の体長は30mm〜40mmほどあるため、フンも比較的大きめ。

フンの大きさは2mm〜3mm程度であり、黒いゴマ粒のような見た目をしています。家具の後ろや洗い場シンク下の隙間にフンをしていることが多く、物を動かすと一面びっしりと黒い粒が敷き詰められているようなことも。

中には粘着性の高いジェル状のフンをするものもおり、もしジェル状のフンが増えると掃除が大変。布製のものに付着していると洗っても取りにくく、洗濯してもシミになることが多々あります。

ゴキブリのフンは基本的に無臭なのですが、もし室内に大量にあると鼻を刺激する油のような匂いがします。一般家庭で匂いがするほどゴキブリのフンが放置されることは稀なのですが、過去に夜逃げされた賃貸住宅でクロゴキブリが大量発生し、悪臭を放っていることがありました。

チャバネゴキブリのフン

フンの大きさ1mm程度
匂い無臭
黒色、茶色
黒く小さな粒

チャバネゴキブリは成虫になっても体長が10mm〜15mm程度の小さなゴキブリです。そのためフンの大きさも1mm程度とかなり小さく、ちょっと落ちている程度では気づかないこともあるでしょう。

商業ビルや飲食店などによく発生するゴキブリであり、冷蔵庫や食洗機など電化製品の中にフンをしているケースが多々あります。チャバネゴキブリのフンは小さいのですが、チャバネゴキブリ自身の繁殖力が強く、放っておくと急激なスピードで増殖します。そのため、もしチャバネゴキブリが大量発生しているような物件だと、フンも大量になってしまうのです。

チャバネゴキブリのフンは基本的に黒くて小さな粒々なのですが、中には粘着性のあるフンをするものもいます。

ネズミのフンと間違えやすい

ネズミのフン

ゴキブリのフンを日常的に見ている人は少なく、急に見つけてもそれがゴキブリのフンだと気付かないケースは多いでしょう。何かのフンだと気付いて連絡いただくこともあるのですが、多くの方はゴキブリのフンとネズミのフンを間違えておられます。

ネズミのフンは5mm〜10mm程度の大きさであり、ゴキブリのフンとは違い細長い形をしています。両端が尖った俵型をしており、その大きさと形はゴキブリのフンとは大きく違います。ネズミのフンについては、こちらの記事で詳しくご紹介しています。もし黒い小さなフンが落ちていて気になる方はご確認ください。

ネズミのフンについてはこちら

コウモリのフンと間違われることも

コウモリのフンとネズミのフンは非常に似ており、ゴキブリのフンと間違われて相談いただくことがあります。

コウモリのフンも5mm〜10mm程度と大きく、黒くて細長い形をしています。しかしネズミのフンと違うのは、中央がねじれた形をしており、非常に乾いているということ。ネズミのフンはほうきで掃いても集めやすいのに対し、コウモリのフンはほうきで掃くとぱらぱらと崩れてしまいます。

パラパラと崩れたフンがベランダやバルコニー、サンルームに落ちていることで、ゴキブリのフンと間違われるケースもあります。

コウモリは鳥獣保護法によって駆除出来ない害獣なのですが、追い出すことはできるので駆除業者に相談してみましょう。

ゴキブリがフンをしやすい場所

ゴキブリは昆虫であるため排泄する場所を一箇所に固めるよなうな習性はありません。しかし、巣になっている場所に長く滞在するため、生息する場所に固めてフンをする傾向にあります。

「自分の家ではゴキブリのフンを見かけていないから。」と安心している方もおられるかもしれません。しかし、ゴキブリは目に見えない場所にフンをすることも多く、気付いた時にはフンが大量に増えているだけではなく、巨大なゴキブリの巣が出来ている可能性もあるのです。そういった可能性を防ぐためにも、ゴキブリがフンをしやすい場所は定期的に確認して掃除するべき。

ゴキブリは自身が生息している場所(巣になる場所)にフンをするため、家の掃除をする時にはそう言った場所を重点的に確認しましょう。主に

  • キッチン、洗面所のシンク下
  • 冷蔵庫パッキンの隙間
  • 家電製品の裏側
  • ブレーカーの中、壁の電源コンセントの中
  • ベランダ、バルコニー
  • 放置された段ボール

などが巣になることが多く、そう言った場所にフンを固めている可能性があります。

1匹が1つのフンをするのではなく、移動しながらポロポロとフンを落とすような形で排泄するので、もしゴキブリのフンを見つけた場合には周囲にもフンがある可能性が高くなります。もしゴキブリのフンを見つけたら、周囲も確認してしっかりと清掃しましょう。

キッチン、洗面所のシンク下

キッチンや洗面所シンクの下は物がごちゃごちゃすることも多く、ゴキブリの住処になる可能性があります。ゴキブリは水を摂取して生きているため、水場が近い場所に巣を作る習性があるのです。

シンクの下にシートを敷いているご家庭も多いのですが、そのシートの下にゴキブリが巣を作る可能性があります。シートの下は日が当たらず湿気が溜まりやすいため、ゴキブリにとっては格好の住処なのです。どうしてもシートを敷いておきたい場合、掃除の時にシートも取り出して全面清掃しましょう。

冷蔵庫パッキンの隙間

冷蔵庫パッキンの隙間

特に飲食店で多いのが、冷蔵庫パッキンの隙間です。ゴキブリは食べ物と水を求めて屋内に侵入してくるため、冷蔵庫に住み着くことも多々あります。食品が入っている場所に住み着くのではなく、コンプレッサー等が設置されている冷蔵庫背面に巣を作ります。

冷蔵庫の裏側に生息しているのですが、暗くなって人影がなくなると冷蔵庫の中に入っている食料を求めて行動し始めます。冷蔵庫はピッタリと扉が閉まっているように見えますが、パッキンとパッキンが付いている扉にはちょっとした隙間が空いており、ゴキブリはその隙間を移動します。

パッキンと扉の隙間がゴキブリの通り道になるため、その箇所に大量のフンが付着している場合があります。飲食店で発生するのはチャバネゴキブリが多いのですが、一般家庭でクロゴキブリが粘着質のフンをしているケースもあります。「パッキンの汚れだと思ったらゴキブリのフンだった。」なんてこともあるため要注意。

家電製品の裏側

家電製品の裏側

家電製品が稼働している際、その基盤やコンプレッサー付近は熱を保つため暖かくなり、ゴキブリにとって格好の住処になります。冷蔵庫はもちろんですが食洗機、電子レンジ、炊飯器、テレビなどあまり動かさない家電はゴキブリが住み着く可能性が高く要注意。

家電の裏側を掃除することはなかなか無いかもしれませんが、定期的に掃除ができるように家電自体をコロコロで移動できる台に乗せておくのがおすすめ。毎日の掃除のタイミングで、家電も少し移動して下を掃除しましょう。

ブレーカーの中、壁の電源コンセントの中

家庭のブレーカー

一般家庭のブレーカー内にゴキブリが巣を作っているケースがあります。家電製品そのものだけではなく、電気が通っている電線(ケーブル)も熱を持っています。ブレーカーは家庭すべての電線が集まってくる場所になるため、その中は常にほんのり温かい環境。

壁についているコンセントの中も電線が通っているため、コンセントの中も温かい環境が作られています。よく見られるコンセントはカバーが付いており、カバーを外すとその奥は壁の中。つまり、コンセントの中に巣を作られてしまうと壁の中を通って家中に移動できてしまうということです。

ブレーカーやコンセントの中を掃除するのは難しいですが、そもそも屋内にゴキブリが侵入してこないような対策が重要です。

ベランダ、バルコニー

ベランダ、バルコニー

ベランダ、バルコニーなど家と直結している屋外設備もゴキブリがフンをしやすい場所です。一般家庭の場合、ゴキブリが常に屋内で増殖していることは珍しく、基本的には屋外から侵入してくるのです。屋内で増殖している場合は急激に増えたゴキブリが室内にも出没するため、駆除作業に取り掛かっている家庭が多いでしょう。

ベランダやバルコニーは家の窓や扉につながっているケースが多く、ゴキブリがその隙間を目指して侵入してきます。その際、ゴキブリが通り道にしている箇所にフンを落としていくのです。

もしベランダやバルコニーに小さな黒い粒々が落ちている場合、それはゴキブリのフンかもしれません。屋内に侵入してこないよう、ゴキブリが生息しにくい環境作りを心がけましょう。

放置された段ボール

放置された段ボール

段ボールはゴキブリの住処になる可能性が極めて高く、要注意ポイント。特に放置された段ボールは湿気を含み、段ボールをの隙間はゴキブリが住み付くのに最適な環境となります。さらに、ゴキブリは紙を食べることもあるため、段ボールは住処+食料が確保された完璧な家。

宅配物や箱入り飲料などは段ボールに入っていることが多く、購入した際に段ボールの中にゴキブリが入ったまま家の中に持ち込んでいる可能性もあります。もしそのような状態で数日放置すると、ゴキブリは段ボールの中で繁殖して急に増殖します。

また、解体した段ボールを捨てるまでの間、玄関に放置している家庭もあるかもしれません。そうすると玄関で放置された段ボールは湿気を含み、その隙間でゴキブリが大量発生する可能性もあります。

もし長期間放置されているような段ボールがある場合、すぐに捨てましょう。基本的に段ボールは定期的に回収スポットへ捨てにいくように心がけましょう。

ゴキブリのフンによる被害

ゴキブリのフンは小さな丸い粒々。「ゴキブリのフン」と聞くと気持ち悪いかもしれませんが、

虫のフンだから、見つけたら掃除しておけば大丈夫じゃないかな?ゴキブリが出てきたわけじゃないんだし。

と放置される方もいるのですが、フンと言っても要注意。ゴキブリのフンを放置していたために思いもよらぬトラブルに発展する可能性があります。フンが落ちていたということはゴキブリがいるということ。そのままフンを放置しておくとゴキブリが生息するだけでなく、ゴキブリが発生する根本を解決しなければゴキブリの大量増殖にも繋がります。

ここではゴキブリのフンを放置しておくことによる被害についてご紹介します。汚れるだけでなく健康被害も発生するため、なるべく早く適切にフンは片付けましょう。

他のゴキブリを引き寄せる

ゴキブリのフンは集合フェロモンというものを発しています。そのため、フンを放置しているとそのフェロモンの匂いに寄せられて、他のゴキブリが家に侵入してくる可能性があるのです。

集合フェロモンは通常のフンの匂いとは違いフェロモンであるため、長期間その匂いが消えることはありません。そのため、冷蔵庫の裏やブレーカーの中、壁の中などにフンが堆積していくと長期的にゴキブリを引き寄せてしまうのです。その結果、たくさんのゴキブリが集合した巨大な巣につながる可能性も高く、そうなると駆除も大変。

ゴキブリ被害が拡大しないためにも、フンを見つけたら掃除することはもちろん、フンをされそうな場所も定期的に清掃しましょう。

病原菌に感染する

ゴキブリは下水や生ごみの中を移動している昆虫であり、体はとても不衛生。食中毒の原因となるサルモネラ菌や赤痢菌、大腸菌を含んだ生肉や生ごみを食べて生活しているため、排泄されるフンにもそういった食中毒菌が含まれているのです。

そのため、もしゴキブリのフンを口に入れてしまうと大変。ゴキブリのフンは必ずしも床に落ちているわけではなく、食器を入れている棚に落ちていることもありますし、換気扇の上に落ちていることもあります。ご飯を作っているときに入ってしまう可能性もあるのです。

食べ物にフンが紛れ込まないよう、もしゴキブリのフンらしきものを見つけたら徹底的な清掃と除菌が必要。

アレルギーを起こす

昆虫の死骸やフンが体に入ることで昆虫アレルギーと呼ばれるアレルギーを発症する可能性もあります。

昆虫アレルギーの症状

  • 鼻水、鼻づまり
  • 皮膚にかゆみ、赤い発疹
  • ぜんそくのような呼吸困難
  • アナフィラキシーショックによる呼吸困難、意識障害

軽度のアレルギーでも鼻づまりや発疹による痒みなどの症状が伴うため、気を付けるべきです。ゴキブリそのものを口にすることは珍しいですが、フンが粉末化して空気中に舞うことによって食べ物に混入する可能性は十分考えられます。

ゴキブリに限ったものではないためハウスダスト、ダニなどのアレルギーを持っている方は特に注意が必要でしょう。

部屋が汚染される

ゴキブリのフンは病原菌が潜んでいるため汚いものですが、そもそもフンなので不衛生。

コロコロした固形状のフンであれば掃除することによって取り除けますが、もし粘着性のフンを至る所にされてしまうと掃除も大変。時間が経ったものは固着して拭き掃除でもなかなか取れないのです。除菌用アルコールなどでふやかしながら取らなければいけません。

衣服にフンが付着している場合、拭き取ることは難しくなりますし、洗濯してもシミが残ってしまうことがあります。そのような場合、専門のクリーニング業者に出さなければいけません。茶色く残ったシミが完全に取れないことも考えられます。

特にクローゼットや押し入れに入れっぱなしになっている本、雑誌、衣服、絵画、骨董品などは要注意。私が担当した現場でも、高価な掛け軸がゴキブリのフンで汚染されてしまい、クリーニング対応も出来ない状態だったため諦めるしかありませんでした。保管している段ボールにゴキブリが住み着くため、押し入れの奥はゴキブリのフンでぐちゃぐちゃになっていたのです。

フンで汚染されてしまうと元通りに戻すことは難しく、さらにそのものがゴキブリに食い破られる可能性もあります。

匂いが染み付く可能性もある

ゴキブリのフンは集合フェロモンという匂いを発しています。少量のフンでは気づかない程度なのですが、フンの量が多いと人間の鼻でも気付くほどの匂いになります。私たち駆除業者はゴキブリが大量発生した現場も経験しているのですが、フンが増えると油が腐ったような匂い、刺激のあるカビ臭い匂いがします。

フンが大量に長期間放置されると、周囲のものにも匂いが染み付いてしまいます。クローゼットの中、押し入れの中がちょっと変わったカビ臭い匂いになっている場合、奥の方にゴキブリの巣が出来ているかもしれません。

そう言った匂いは簡単に取れないものです。中に入っている物自体は洗濯できるものもありますが、押し入れやクローゼットそのものに匂いが染み付いてしまうと、その場所自体が使用不能になってしまいます。部屋のクリーニング、リフォームが必要になるケースも。

ゴキブリのフンを掃除する方法

ゴキブリのフンを掃除する方法

もしゴキブリのフンが落ちていたとしても、掃除するのは簡単。掃除機やお掃除シート、除菌スプレーを使用して簡単に片付けることができます。洗濯できるものは洗濯し、食器等に関してはいつもの中性洗剤で洗うだけで大丈夫。

しかし、フンには病原菌が潜んでいる可能性も高いため、掃除する時にはそう言った菌の飛散、アレルギー物質の吸入に気を付けなければいけません。ゴキブリのフンを掃除する際には、病原菌、アレルギー物質の感染予防のためにマスクとゴム手袋を着用しましょう。

ゴキブリのフンを掃除する手順

  • 周辺の殺菌・消毒
  • フンを片付ける
  • 周辺の片付け
  • ゴキブリの巣を探して駆除

ここではゴキブリのフンを掃除する方法についてご紹介します。

周辺の殺菌・消毒

ゴキブリのフンを見つけたら、マスクとゴム手袋を着用して処理しましょう。

最初に、病原菌感染予防のために周辺を殺菌・消毒します。病原菌と言っても触れただけで感染するような危ないものは少ないため、市販されているエタノール(アルコール消毒スプレー)で十分。掃除に邪魔になる物を移動して、床面に対してエタノールを散布。

エタノールはゴキブリのフンに含まれる可能性がある、サルモネラ菌、大腸菌等に効果があると言われています。
参照元:エタノール共存下におけるグリシンの大腸菌に対する抗菌作用

この時、移動させた物自体にフンが付着している可能性もあるため、そっと移動させてからフンが付着していないか確認します。もしフンが付着していない場合でも、ゴキブリがその物の表面を移動している可能性が高いため、エタノールで消毒しておきましょう。

フンを片付ける

スプレーでエタノール消毒した後、フンを片付けます。

フンを片付けるときには使い捨てのエタノール除菌シート等を使用しましょう。固形のフンはシートで集めて捨てることができますし、もし粘着性のフンがあった場合は除菌スプレーと併用して拭き掃除しましょう。

さらに、範囲が広い場合はシートで拾った後にほうきで掃き掃除することもあるのですが、室内ではほうきは使用しない方が良いです。ゴキブリのフンがあると、その周辺のホコリにも病原菌が飛散している可能性があり、ほうきで掃くことによってそのホコリが宙に舞う可能性があります。なるべくシートで回収して、最後に掃除機をかけるようにしましょう。

いきなり掃除機は使用しない

いきなり掃除機でフンを吸い取ると、粉末化したフンが飛散する可能性があります。そのため、最初に使い捨てのエタノール除菌シート等でフンを回収しましょう。また、掃除機を使用することによって飛散したホコリが部屋に充満しないよう、窓を開けて換気しながら掃除するのがおすすめです。

掃除機を使用した場合、吸い取ったゴミはその都度捨てるようにしましょう。掃除機内のゴミは溜まってから捨てる方も多いかもしれませんが、ゴキブリのフンが含まれている場合は掃除機の中で菌が繁殖する可能性もあります。

ゴキブリのフン掃除に限らず、衛生面を考えると掃除機のゴミは定期的に捨てるのがおすすめ。

周辺の片付け

掃除が終わったら、周辺のものを片付けましょう。

フンが付着していたようなものは除菌シートで拭いた後に洗濯、もしくはクリーニングに出すのがおすすめです。紙類などゴキブリにかじられている物は基本的に廃棄した方が良いでしょう。

フンが落ちているということは、周辺にゴキブリが生息しているということ。ゴキブリが住みつきにくい環境を作るためにも、物は全て片付けましょう。

片付けが終わったら、マスクと手袋、掃除で出たゴミをまとめて捨てましょう。ビニール袋に入れて中のホコリが飛散しないようにしっかりと口を縛ってからゴミに出すのが安心でしょう。

食器等は中性洗剤で洗う

キッチンで食器類にゴキブリのフンが付着していた場合は、除菌シートで吹き上げた後に中性洗剤で洗いましょう。ゴキブリのフンに含まれるような食中毒菌のほとんどは中性洗剤できれいになります。

ゴキブリの巣を探して駆除

フンが落ちていた周辺の掃除、片付けが終わったら、周辺にゴキブリの巣がないか確認しましょう。いくら掃除をしても、巣が残っている状態では再発の可能性が高くなります。

ゴキブリは段ボール、紙屑、ホコリなどのゴミを固めて巣にします。巣になっている場所はゴキブリのフンや卵(卵鞘)が集中しているケースが多く、非常に汚れています。黒く汚れが集中している場所が巣になっている可能性が高いため、そう言った場所は丁寧に掃除と片付けをするべきです。

ただ、ゴキブリの巣はその場所だけでなく壁の中や天井裏、床下に出来ている可能性もあります。そう言った場合は特定するのが難しいため、専門の駆除業者に依頼して駆除してもらうのが良いでしょう。

ゴキブリを駆除する方法

ゴキブリを駆除する方法

ゴキブリのフンが落ちているということは、周辺にゴキブリが生息しているということです。つまり、そのゴキブリそのものを駆除しなければ再発の可能性があるということ。

もしゴキブリのフンが大量に落ちていたり、掃除をしても再発するような場合にはゴキブリ自体の駆除を行いましょう。根本解決が何よりも重要です。

毒餌を設置

ゴキブリ駆除をする場合、いきなり殺虫剤で駆除することは困難です。ゴキブリは壁の中、天井裏、床下などに隠れているため、市販の殺虫剤では残留性が低く(毒の効果が残りにくい)、効果を発揮しにくいのです。

ゴキブリ駆除で最初に行うのは毒餌の設置がおすすめ。市販されているブラックキャップという毒餌はフィプロニル系の成分が含まれているため、私たち駆除業者もメインで使用するもの。集団で生息しているゴキブリにも効果があります。

その場で食べて駆除する即効性があるわけではなく、ゴキブリがその餌を巣に持ち帰ることによって他のゴキブリにも効果を発揮します。さらに、毒餌を食べたゴキブリのフンにまで毒効果が引き継がれます。ゴキブリは自分たちのフンを食べる(食糞)ことが多く、そのフンによって巣に生息しているゴキブリを一網打尽に出来ます。

ゴキブリは仲間の死骸を食べることもあるのですが、フィプロニル系の毒餌は死骸を食べたゴキブリに対しても毒効果を発揮します。

まず最初に毒餌を設置することにより、ゴキブリの巣ごと駆除することが可能になるのです。

粘着トラップで捕獲

毒餌で多数のゴキブリを駆除できるのですが、中には餌を食べないゴキブリや毒効果を受けないゴキブリが存在します。そう言ったゴキブリに対しては、粘着トラップで捕獲してしまうのが効果的。

ゴキブリが生息していたであろう場所、通っているであろう場所に粘着トラップを仕掛けます。特にフンが落ちていたような場所はゴキブリが生息している可能性が非常に高く、粘着トラップを仕掛ける第一候補。

粘着トラップを仕掛ける場合、床と壁の角に設置するのが有効です。ゴキブリは床の平面を移動することもありますが、基本的には人目につきにくい隅を移動します。そのため、粘着トラップを設置するときには壁や床と隙間が開かないようにピッタリと設置することがおすすめ。

粘着トラップは数日おきに中を確認して、ゴキブリが捕獲されていた場合にはその周辺に巣がないか確認しましょう。長年放置している物がある場合、片付けと同時に掃除するとゴキブリの巣が見つかる可能性もあります。

燻煙剤(くんえんざい)、燻蒸剤(くんじょうざい)で駆除

ゴキブリの被害が収まってきたと思ったら、部屋中に対して煙状の燻煙剤(くんえんざい)、燻蒸剤(くんじょうざい)を処置すると効果的。ドラッグストアー、ホームセンター、インターネットでも簡単に購入できるもので、バルサン等が有名ですね。

燻煙剤はピレスロイド系の殺虫成分が含まれており、殺虫成分が物の表面に付着することによって長期間に渡って殺虫効果を発揮します。燻煙剤を処理しただけでゴキブリが死滅するほどの効果は期待出来ませんが、予防効果はあります。そのため、毒餌や粘着トラップによる駆除作業を行った後に燻煙処理をすることで効果が増します。

広い範囲に対して殺虫処理が出来るため、定期的に処理すると効果が長続きし、ゴキブリが発生しにくい環境を作ることができます。

ゴキブリが生息しないために出来ること

ゴキブリが生息しないために出来ること

基本的なゴキブリの予防方法は、家の中をきれいにすること。定期的に清掃し、常に整理整頓しておくことが何よりも重要なゴキブリ対策となります。

そもそも、ゴキブリは食べ物を求めて家の中に侵入してくるため、そう言ったゴキブリの食べ物になるようなものを放置しないというもの重要なポイント。生ごみを放置しているようなご家庭は少ないと思いますが、水が溜まっている状態を放置するのも良くありません。

ゴキブリを予防するために

  • ゴキブリの餌となる食べ物、水の放置を無くす
  • 常に清潔に、整理整頓する

ゴキブリ駆除でも紹介したような毒餌の設置、燻煙剤の処置などに加えて、そもそもの環境に配慮することによってゴキブリを防ぐことは十分可能です。

ゴキブリの餌を無くす

ゴキブリは食べ物の匂いに釣られて屋外から家の中に侵入してきます。そもそも家の中でゴキブリが勝手に増殖することは少なく、食料や水を求めて屋内に侵入してくるのです。もし屋内に食料がなければ別の餌場を求めて屋外へ出て行きます。

フタをせずに食べ物を放置するというのは問題外ですが、シンクや風呂場などの水場で水滴が残った状態で放置するのも要注意。ちょっとした水滴でもゴキブリにとっては十分な水場となるため、そのような水滴を飲みにゴキブリが集中してきます。

ゴキブリの餌を無くす

  • 生ごみは放置しない
  • 食べ物には密閉できるフタをする
  • 使い終わった食器や調理器具はすぐに洗う
  • シンク、風呂場は水滴を吹き上げ乾燥した状態を保持する

整理整頓、清掃

ゴキブリが生息しない環境を作るためには、整理整頓しておくことも重要です。食料を求めて家の中に入ってきたゴキブリも、巣にできる場所がなければ生息することができません。巣が作れなければ、もし食料を食べても屋外に出て行くのです。

ゴキブリの巣となりやすいのは暖かく、湿気が溜まるような場所。特にシンク下収納、家具や家電の裏、エアコン室外機、トイレ、段ボールの隙間などはゴキブリの好む環境になりやすく、巣ができやすい場所です。

常にゴキブリが生息しにくい環境にすることは難しいですが、定期的に清掃することによって物の移動が発生するためゴキブリが住み付きにくくなります。

整理整頓

  • 定期的に家具や家電の裏も掃除
  • 大型家電はコロコロ付きの台に乗せて床との間に隙間を作り、移動できるようにする
  • 屋外の外壁周りも月に1回程度は確認して掃除する
  • 本、雑誌、段ボールは放置せず、溜まる前に捨てる

ゴキブリが発生している場合は駆除業者へ依頼を

ゴキブリのフンが落ちているということは、その周辺にゴキブリが生息しているということ。ゴキブリの発生状況が初期段階であれば、自分で毒餌や粘着トラップを設置することによって対応できるかもしれませんが、もし大量発生している場合は素人が対応するのは難しくなります。ゴキブリが壁の中や天井裏、床下に潜んでいる場合、そう言った家の隙間まで殺虫処理するのは大変です。

ゴキブリのフンには病原菌が潜んでいることも多く、「虫のフンが汚い」というだけではなく健康被害に発展する可能性もあります。食中毒にはならないとしても、昆虫アレルギーを発症する可能性もあるのです。ハウスダスト、ダニなどのアレルギーを持っている方は要注意。

フンは他のゴキブリを引き寄せる可能性もあり、放置していると思わぬ大発生につながる可能性もあります。もし大量発生してしまったゴキブリ駆除を業者へ依頼するとなると50,000円ほどの費用がかかるケースもあり、なかなか高額な作業となってしまいます。健康的被害、経済的被害の両面を考えても、ゴキブリのフンがあった場合にはすぐに対応するのがおすすめです。

もしゴキブリのフンだけでなく、ゴキブリ自体が室内に発生している場合には被害が拡大する前に駆除業者へ相談しましょう。自分で駆除しようと思ってもなかなか上手くいかず、気付いたときには家中にゴキブリが繁殖してしまっているケースもあります。なるべく早めに駆除業者へ相談することにより、駆除費用を抑えることもできます。

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害虫駆除業者として、年間800件以上の現場で駆除作業を行なっている筆者がゴキブリ、ネズミ、ハチ駆除に使える知識をご紹介。駆除の方法だけではなく、使える殺虫剤、予防・対策方法、駆除業者の選び方まで幅広くご紹介します。 プロフィールはこちら

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