秋になって真夏日ほどの気温でなくなるとハチの動きが活発になり、
- 家の軒先
- 庭の木の中
- ウッドテラスの下
- 家の屋根裏
など、様々な箇所に巣を作ります。夏から徐々に巣を作り始め、秋ごろになると完成した大きな巣が目立ってくるのです。
蜂の巣を駆除したい場合、一般的には安全性を考えて業者に依頼される方が多いはず。しかし、ハチ駆除を依頼するとハチの種類や巣の場所によっては数万円〜10万円ほどの費用が必要となってしまいます。あまりに高額な作業となるため、中には「そこまで高い金額を払うのなら、自分でハチ駆除を済ませたい。」と考える方も多いはず。
そこで、この記事では害虫駆除のプロとして、ハチの見分け方と、ハチの種類に合わせて自分で出来る駆除の方法、さらに業者へ依頼した場合の駆除金額の相場についてご紹介します。
- ハチ駆除に高いお金を払いたくない。
- 出来るなら自分で駆除したい。
- なるべく安全に駆除をしたい。
という方に向けて、ハチの種類に合わせた駆除の仕方と、再発させない対策方法についても、年間数十件のハチ駆除をしている害虫駆除業者がご紹介します。
PR:ハチ駆除ならアールクリーニング
害虫駆除を行っているアールクリーニングは、問い合わせから最短10分で駆けつけてくれるスピード感がポイントの害虫駆除業者さん。駆除費用も比較的安価であり、困った時には一度見積もりを取ってもらいましょう。
各種クレジットカード、電子マネーでの支払いに対応しているのも嬉しいポイント。
ハチ駆除、蜂の巣駆除は素人でも出来る
ハチ駆除というと業者に頼むのが一般的ですが、実は自分でも駆除することはできます。害虫駆除業者といってもハチ駆除に対して特殊な免許を持っているわけではなく、駆除の仕方を勉強したり習ったりすることによって駆除が出来るようになります。素人でもしっかり調べて準備すれば駆除は可能なのです。
自分でハチ駆除をしようと思うと、気になるのがハチの危険性。ハチはお尻についている毒針を刺して攻撃してきます。ハチに刺されると熱を持って腫れるだけではなく、2回目以降はアナフィラキシーショックを起こして最悪の場合死に至る可能性もあります。ハチはその種類によって凶暴性も毒性も違うため、駆除しようとしているハチがどの種類なのかを確認することも重要。
ハチ駆除の際に重要になるのはハチの種類だけではなく、巣の大きさも気をつけるポイント。蜂の巣が大きいということは、それだけ中にいるハチの数も多くなるという事です。ハチの数が多くなると駆除の際に逃げ出すハチも多くなり、それだけ刺される危険性も高くなります。一つの基準として、自分で駆除する場合は直径15cm程度までの蜂の巣にしましょう。それ以上は駆除業者へ依頼することをお勧めします。
ここでは自分でハチ駆除を行うため、ハチの種類の見分け方とハチ駆除の方法、ハチ駆除の際に気を付けるポイント、についてご紹介します。
ハチの種類と見分け方
一般的に目につくハチの種類は大きく分けて
- スズメバチ
- アシナガバチ
- ミツバチ
の3種類。それ以外にも様々な種類のハチがいますが、家屋に巣を作るハチは上の3種類がメインになります。もし、それ以外のハチ(極端に大きい、体の色が黒い)などが発生している場合は駆除業者に確認してもらった方が安全です。
スズメバチ | アシナガバチ | ミツバチ | |
大きさ | 体長15mm〜40mm程度 | 体長20mm〜30mm程度 | 体長10mm〜15mm程度 |
特徴 | 他のハチに比べて頭が大きく丸い。 胴体が黒く、下半身が黒と黄色の縞模様。 腰が大きくくびれた形をしている。 | 頭が小さく、頭、胴体、下半身と3つに分かれたような形をしている。 胴体も黒と黄色の模様になっていることが多く、足は黄色い。 | ハチの中では小型の部類。体は全体的に黒く、縞模様が入っている。 胴体に毛が生えており、羽は他のハチに比べて小さい。 |
危険性 | ★★★★★ 攻撃性が高く、刺激を与えなくても敵視したものを刺しにくる。 | ★★★ 刺激を与えたり、急に動くものに対して攻撃してくる。 | ★ 攻撃性は低く、こちらから刺激しなければ刺しに来ない。 |
巣の形 | 丸いボールのような形をしており、ハチの出入り口となる穴が一つ空いている。 巣全体がマーブル模様をしている。 | お椀のような半円形状になっており、下から見ると六角形の穴が見える。 中に幼虫が見えることもある。 | 板状で平面に広がったような形の巣。 六角形の穴が密集したようなハニカム構造が形成されるが、多くは建物の隙間に作られるので見えない。 |
スズメバチの特徴と見分け方
スズメバチはハチの中でも有名なハチでしょう。家の軒下や庭の木の中に巣を作ることが頻繁にありますが、時には家の中の天井裏に大型の巣を作ることもあります。攻撃性が高いため、子供がいる家庭などでは早急な駆除が必要です。もしスズメバチに刺されてしまうと、最悪の場合死亡してしまうケースもあります。
スズメバチは単独でも移動することが多く、巣が遠くにあったとしても家の玄関周り、カーポートなど人が行き来する場所に飛んできます。餌を求めている場合もあれば、動くもの(人間)に対して敵対心を持って警戒している可能性もあるので注意が必要です。
体の特徴
スズメバチはハチの中で最も攻撃性が高く危険度の高いハチ。体格も大きく、中には40mmを超えるような大型のスズメバチも存在します。40mmサイズになると外をスズメバチが飛んでいる様子を室内から確認できるほどのサイズ感。
スズメバチの胴体は黒く、下半身が黄色(オレンジ)と黒の縞模様になっており、黒っぽい羽が生えています。腰のあたりが大きくくびれた形をしているため、胴体と下半身がくっきりと分かれたような体型。さらに他のハチに比べると頭が大きく丸い形をしているのも特徴であり、よくイメージされるハチの姿はスズメバチでしょう。
頭が丸く大きめで、胴体が黒っぽく下半身は黄色と黒の縞模様。さらに腰の位置でしっかりとくびれていて、体長が3cmを超えているような場合には、スズメバチの可能性が高いでしょう。
危険性
スズメバチは体が大きいだけではなく、その毒性も非常に高い。スズメバチに刺されると患部は熱を持ちひどく腫れます。早急に病院で診察を受けなければならず、多くの場合は完治するまで数日〜数週間ほど時間がかかってしまうことも。
さらに、スズメバチに2回以上刺された場合は、アナフィラキシーショックというショック症状が出る場合があるため要注意。最悪の場合、ショック症状で死に至る可能性があります。実際に、年間で15人ほどが死亡しています。
私自身、過去スズメバチに数回刺されたことがあるのですが、首を刺された時はめまいと吐き気が酷く、2日ほどは仕事が出来ませんでした。最悪のケースには至らなかったのですが、しばらくは仕事にも復帰出来ませんでしたし、アナフィラキシーショックがあったため以降ハチ駆除の現場には出られていません。
巣の特徴
スズメバチの巣はボールのような丸い形です。殻を何層にも重ねるようにして大きく作っていくため、マーブル模様のような色彩になります。徐々に大きく作っていく巣であるため完全な球体ではなく、フラスコのような形になっていたり、ひょうたんのような形になっていたりするものも。
丸いボールがぶら下がったような巣を作り、ボールの1箇所にハチが出入りするための穴が空いています。穴の位置は下側の側面に空いているケースが多いのですが、時には巣の真下や上部に空いていることもあります。駆除の際にはこの穴の位置が重要になるため、巣を確認した際には出入り口がどこにあるのか確認しておきましょう。
スズメバチの巣は作り初めの頃はお椀のような形やトックリのような形になっているのですが、層を重ねるごとに徐々に丸くなっていきます。何層にも層を重ねて大きくなり、直径30cm程度のものから、大きなものでは直径80cmを超えるようなサイズにまで成長していくのです。特に屋根裏に作られたスズメバチの巣は発見が遅れてしまい、直径1mほどになっているものもありました。
成熟した巣(直径50cm超)の中には500匹ほどのハチが生息しており、直径1mを超えるサイズになると1,000匹以上のハチが生息している可能性もあります。よくある直径30cm程度の巣でも、多くて200匹ほどのスズメバチが生息しているため、駆除の際には最新の注意が必要です。
アシナガバチの特徴と見分け方
アシナガバチも家屋に巣を作りやすいハチの種類です。軒下や家の木の中、カーポート(車庫)などに巣を作ることが多く、常に巣の周りには何匹かのアシナガバチがウロウロしています。その名前の通り、他のハチに比べて足が長いのが一番の特徴です。飛んでいる時には足がブラブラとしているため、一瞬の飛んでいる姿だけでアシナガバチだと判明できることも多々あります。
スズメバチに比べれば毒性は低いと言われているものの、ハチであることには間違いなく、刺されると強烈な痛みとひどい腫れが起きます。数は少ないですが、アシナガバチに刺されたことによる死亡例もあるため、注意が必要。
体の特徴
アシナガバチはその名の通り、他のハチに比べると足が長い体をしています。よくスズメバチと間違われることがあるのですが、スズメバチよりも頭が小さく、胴体も黒色のものよりは黄色と黒色の模様がついているものが多いです。スズメバチは黄色の部分がオレンジに近い黄色をしていますが、アシナガバチの多くははっきりとした明るい黄色。さらにスズメバチとは違い、足も黄色です。
体が細長いので大きく見えますが、体長は3cmほどであり多くのスズメバチと比較するとちょっとだけ小型。体もスズメバチより少し細く、羽も体に合わせて少しだけ細く見えます。
黄色と黒色の縞模様で、足が黄色くて長く、細い体のハチがいたらアシナガバチだと思って間違いないでしょう。
危険性
アシナガバチはスズメバチに比べると攻撃性は低いハチです。基本的に放っておけばハチから攻撃してくることは少ないのですが、巣に異変があったり、急に動くものを目にすると警戒心を持って攻撃してきます。そのため、巣を駆除する時には要注意。
自分の巣を壊されるような事態になると人間を襲ってきますし、軍手などの手袋、ジャージ素材の衣服ではハチの針を防げません。衣服の上から刺されてしまうことも多々あります。そのため、アシナガバチの駆除であってもしっかりとした防護服が必要。
刺されてしまうと強い痛みとひどい腫れが起きます。スズメバチほどの毒性がないと言っても、アナフィラキシーショックを起こす可能性は十分にあるため、もし刺されてしまった場合には病院で診察を受けましょう。
巣の特徴
アシナガバチの巣はお椀を裏返したような形で作られていき、成長するにつれてどんどん面積が広くなっていきます。と言ってもスズメバチのように1mを超えるような巣を作ることはなく、大きくても直径20cm〜30cm程度。
巣を下から見ると六角形の穴が無数に空いており、中には幼虫が見えることもあります。スズメバチの巣は殻を纏ったような固い作りになるのですが、アシナガバチの巣は和紙を貼り合わせたような質感になります。スズメバチの巣はボール状に壁が作られていくのに対し、アシナガバチの巣は巣穴が丸見えの状態で作られるため、簡単に見分けがつくでしょう。
スズメバチの巣はマーブル模様を作っていくのに対し、アシナガバチの巣にはそう言った模様は確認できません。全体が薄いグレー色になっており、ペラペラした質感です。
直径15cm〜20cm程度の完成された巣になると、巣の中には50匹ほどのアシナガバチが生息しています。昼間は巣の外に飛び立っているので確認できないかもしれませんが、朝方や夕方になると巣に帰ってきてウジャウジャと群がっているのが確認できます。
ミツバチの特徴と見分け方
ミツバチは家の目視できるところに巣を作ることは珍しく、多くの場合は床下や天井裏に巣を作ったりします。土や木が近くにある場所を好み、平面で大型の巣を作るのが特徴。過去のミツバチ駆除では、お墓の中に超大型の巣を作っているケースがありました。
庭の草木にミツバチが止まっているのを見かけるかもしれませんが、あれは木に巣を作っているのではなく、花の蜜を吸いにきているのです。働き蜂が花の蜜を集めて巣に持ち帰ることにより、どんどん巣が大きくオレンジ色(ゴールド)になっていきます。
ミツバチ自体は小さく攻撃性も低いのですが、刺された場合には毒性があります。大人はそこまで大事には至らないケースがほとんどですが、子供やペットが刺されるとショック症状を引き起こす可能性もあるため注意が必要。
体の特徴
ミツバチは体が非常に小さく、多くの個体が1cm程度の体長。小さいので飛んでいる時には確認しにくいかもしれませんが、上半身の胴体には無数の細かな毛が生えており、下半身は黄色と黒色の縞模様になっています。体が小さいため羽も短く、飛んでいる音もスズメバチなどと比べると小さく、高音を出して飛ぶのです。
小さな見た目であるため区別がつきにくいかもしれませんが、背面から見てもわかるほど毛がびっしりと生えた背中をしているのがミツバチの特徴。飛んで周りを警戒していることは少なく、多くの場合は花の蜜を吸っていたり、草の陰に隠れたりしています。
危険性
ミツバチの攻撃性は低いのですが、刺激してしまうと集団で外敵に対して襲ってきます。スズメバチやアシナガバチは1匹でも攻撃してくるのに対し、ミツバチは集団で襲ってくるのです。駆除の際に攻撃対象として認識されてしまうと、目の前が真っ黒になるくらいミツバチの大群に襲われることも珍しくありません。
体が小さく体力的にも強いハチではないため、ハチ自体の駆除は簡単です。市販の殺虫剤だけでも十分に対処できるくらい。
もし刺された場合、患部は熱を持って腫れてしまいますが、多くの場合では痛みがある程度で済みます。刺された時にめまいや吐き気がなければ病院を受診する必要もないでしょう。ただし、一度に数カ所を刺された場合や、小さい子供が刺された場合には病院で診察を受けましょう。
巣の特徴
ミツバチの巣はスズメバチやアシナガバチのように外敵から守る作りになっておらず、六角形の穴が全面に見えるような平面の板状です。天井から板がぶら下がるように作られており、側面は六角形の穴がびっしり。よく言われるハニカム構造をしています。
作り始めの頃はその大きさも小さく、色も白色やグレー混じりの状態。働き蜂が花の蜜を集めてくることによってどんどん巣の色がオレンジ(ゴールド)になっていき、完成するとよくテレビで見る養蜂場のようなミツバチの巣が出来上がるのです。
ミツバチの巣は家の床下や屋根裏など、あまり目のつかない場所に作られます。そのため、ミツバチが増えてくるまで巣ができていることに気づけないケースも多く、気づいた頃には巣が何層にも作られており大量のミツバチが生息していることも。
ミツバチはスズメバチやアシナガバチに比べて体が小さいこともあり、1つの巣に数万匹が住んでいます。ミツバチは活動期間も長く、早ければ2月ごろから巣作りを始めて11月頃まで活動します。その間に女王蜂が産卵を繰り返し、時には1日で2,000個以上の卵を産むことがあるため、巣の中に大量のミツバチが生息することになるのです。
ハチの種類別駆除方法
一般住居で問題になるハチの種類は大きく分けてスズメバチ、アシナガバチ、ミツバチの3種類なのですが、上で述べたように種類によってハチに特徴があり、蜂の巣の形も様々。そのため、蜂の巣を駆除する時にはハチの種類に合わせた駆除の方法を選ばなければいけません。害虫駆除業者としても、まず最初にハチの種類を見分けて、そのハチにあった駆除方法を計画します。
ここでは、実際にハチの種類別にどのような駆除ができるのかをご紹介します。
スズメバチを駆除する方法
スズメバチは危険性が高いため、駆除する際には安全性を確保することが第一。巣を確認する前からしっかり安全対策をして現場確認しなければいけません。巣を見ているだけでスズメバチからすると外敵が襲ってきたと思われ、巣の中から急に飛んで襲ってくる可能性があります。
安全に、かつ確実に蜂の巣を駆除するためには事前準備が重要です。スズメバチは凶暴であるため巣の駆除を始めると一気に襲いかかってきます。1匹でも襲いかかってきますし、そのハチが捕獲される時に仲間を呼ぶためどんどんハチが襲いかかってくるのです。そのため、事前にしっかりと駆除グッズを用意して落ち着いた対処が重要。
危険性の高いハチですが、スズメバチの巣は出入り口が一つだけ。多くは巣の中に隠れているため、上手に駆除すれば一網打尽にしてスムーズに巣の撤去が可能です。
スズメバチ駆除に準備するもの
スズメバチ駆除に用意するもの
- 汚れても良い長袖、長ズボン
- 厚手のレインコート等
- 革手袋等の厚手の手袋
- 防護用ヘルメット
- ガムテープ
- 脚立(巣の場所に応じて)
- ハチ駆除用殺虫剤
- 粘着プレート(2、3枚)
- 長い棒(物干し竿程度の強度があるもの)
- 金属製のヘラ
- 大きく丈夫な虫取り網
スズメバチ駆除を行う際に殺虫剤はもちろんですが、ねずみ取りのような粘着プレートを用意しておくとスムーズにハチ駆除が出来ます。飛んで襲ってくるハチ、逃げ出すハチ、巣に戻ってくるハチがいるのですが、飛んでいるハチを殺虫剤で駆除するのは難しいため、粘着プレートで捕獲するのです。
また、安全のために長袖長ズボンは必須として、レインコートなど厚手の服を上から着ましょう。薄いものではなく、ナイロン製でコーティングされているなるべく厚手のものを使用するのがおすすめ。さらに、手袋も通常の手袋ではなく、可能であればホームセンターで革手袋を購入してきましょう。靴も普通の靴ではなく、ゴム製の長靴がおすすめ。
巣を駆除した後に巣があった形跡を残すと、外に出ていたスズメバチがその場所に戻ってきてもう一度巣を作り出す可能性があります。そのため、巣を駆除した後に巣のあった場所をきれいにするため金属製のヘラを用意しておくべきです。
スズメバチを駆除するのに適した時間帯
スズメバチは夕方〜夜間、朝方に巣の中に戻ってきます。そのため、駆除するのであれば夕方以降がおすすめ。巣の中に全匹が入っている状態を狙って、一気に駆除してしまうのがおすすめです。
ハチが少ない時間帯の方が安全なんじゃない?と思われるかもしれませんが、ハチを駆除せずに巣だけ撤去すると、戻ってきたハチが巣を探して群がってしまいます。巣がなくなったことにより警戒心が高くなり、通常より危険度の高いハチの集団に襲われる可能性があります。
スズメバチを駆除する手順
スズメバチを駆除する手順
- 安全性の高い長袖長ズボン、レインコート、厚手の手袋、長靴を着用
- 手袋と腕の隙間、上着とズボンの隙間、ズボンと長靴の隙間をテーピング
- 防護用ヘルメットを着用
- 巣の近くに脚立を用意(この時点では脚立を立てない)
- 粘着プレートを用意
- 殺虫剤を用意
- 粘着プレートと殺虫剤を持ち、脚立を立てて登る
- 巣の穴に向けて殺虫剤を噴射する(なるべく長時間噴射し続ける)
- 飛んでいるハチを粘着プレートで捕獲する
- 長い棒などで巣を崩す
- 巣が全て崩れたら、巣がくっついていた箇所をヘラで剥がす
- 巣があった付近全てに殺虫剤をかける
- 戻りバチを粘着プレートで捕獲する
このような手順でスズメバチを駆除します。
安全性の高い長袖長ズボン、レインコート、厚手の手袋を着用
スズメバチのお尻に付いているハチは非常に強力であるため、普通の衣服では突き破って刺される可能性があります。そのため、長袖長ズボンであることはもちろん、レインコート等の厚手の服を上から着ましょう。さらに、手袋も革手袋等の分厚い手袋を装備しておくことが重要です。
手袋と腕の隙間、上着とズボンの隙間、ズボンと長靴の隙間をテーピング
駆除をしていると体にスズメバチが群がってきます。さらに、スズメバチは衣服の隙間から中に入ってこようとする習性があるため、手袋と上着の隙間、上着とズボンの隙間、ズボンと長靴の隙間をテープで密閉しておきましょう。少しでも隙間があると衣服の中に入ってくる可能性があるため、しっかりと密閉しておくことが重要です。
防護用ヘルメットを着用
体は衣服で守れたとしても、頭を守るものがないのでは意味がありません。よく帽子だけでハチ駆除をしようとする方がいますが、これはかなり危険なので避けましょう。当然ですが、ハチは頭部の上だけではなく顔も狙ってきますし、首も狙ってきます。頭部を刺されるのは非常に危険なので、必ず防護用ヘルメットを着用しましょう。
最近ではインターネットでもハチ駆除用の防護ヘルメットが販売されているため、自分でハチ駆除をする場合には購入しておきましょう。
巣の近くに脚立を用意(この時点では脚立を立てない)
巣の位置が低い場合には必要ないのですが、高い位置に巣がある場合には近くに脚立を準備しましょう。ただし、この時点で脚立を立ててしまうとスズメバチが警戒して襲ってくる可能性があります。準備が整うまでは脚立を立てず、地面に寝かせておきましょう。
粘着プレートを用意
殺虫剤を使用する前に粘着プレートを用意しておくのも大事です。殺虫剤を使用すると一気にハチが穴から出てくるため、慌てて粘着プレートを使用することにならないためにも事前に準備しておきましょう。
殺虫剤を用意
脚立に登る前に殺虫剤を準備し、使用方法を確認しておきましょう。スズメバチの場合は穴を狙って殺虫剤をかける必要があるため、殺虫剤を噴射するボタンの場所、射程距離などを確認してミスがないようにしておくべきです。
粘着プレートと殺虫剤を持ち、脚立を立てて登る
準備ができたら粘着プレートと殺虫剤を持って脚立を登ります。ここで細かくは記載しませんが、登る際には脚立を立てる位置、固定する方法にもしっかりと注意が必要。高所作業となるため、基本的な安全確認は済ませておきましょう。
巣の穴に向けて殺虫剤を噴射する(なるべく長時間噴射し続ける)
準備が完了したらスズメバチの巣の穴に向けて殺虫剤を噴射します。この時に注意なのが、巣全体に向けて殺虫剤をかけるのではなく、穴の中に向かって一気に殺虫剤をかけなければいけません。
スズメバチは外敵に襲われると、反撃しようとして巣の中にいる全員が攻撃してきます。巣から出る穴は基本的に1箇所のみなので、その穴から出てくるハチを全て駆除していく必要があるのです。他の場所に殺虫剤をかけてしまうと、巣の穴からスズメバチが大量に出てきて襲われます。
穴の中に向かって殺虫剤をかけ続け、中にいるスズメバチを一網打尽にする気持ちで行いましょう。
飛んでいるハチを粘着プレートで捕獲する
スズメバチは生命力が強いため、多少殺虫剤がかかった程度では駆除出来ません。いくら穴に向かって殺虫剤をかけていても外に飛び出して逃げるハチがいるのです。駆除中にそのハチが襲ってくる危険性がありますし、蜂の巣を撤去した後に戻ってくるハチ(戻りバチ)もいます。
巣の外に飛び出てしまったスズメバチはなるべく粘着プレートで捕獲しておきましょう。
長い棒などで巣を崩す
巣の穴からスズメバチが出てこなくなり、周囲に飛んでいるハチもいなくなったら巣を撤去します。スズメバチの巣は非常に頑丈に固定されているため、手で簡単には取れない場合がほとんど。高い位置に作られている場合は、物干し竿のような長い棒を使用して叩き落としましょう。
叩き落とした巣をそのまま地面に落とすと掃除が大変になるため、この時に大きな虫取り網を下に設置して受け取るのがおすすめ。中にゴミ袋を被せておくことによって、落とした巣をそのままゴミに捨てることができます。ゴミ袋に受けた後には必ずゴミ袋内に殺虫剤を散布しておきましょう。
巣の形をきれいに保ったまま駆除することもできるのですが、ゆっくりしていると戻りバチが襲ってくる可能性もあるため、自分で駆除する際にはスピードを意識して駆除することが重要です。
巣が全て崩れたら、巣がくっついていた箇所をヘラで剥がす
スズメバチの巣はアシナガバチのように1本の柱でくっついているわけではなく、軒下や天井にベッタリと広い範囲で密着しています。そのため、パカっときれいに撤去することは難しく、棒で叩き落とした時にくっついたままになる箇所があるのです。
巣の残骸を残していると、外に出ていたハチが戻ってきた時にその場所に居座ってしまう可能性があり、巣を撤去したのにハチに襲われる危険性が続いてしまいます。巣を撤去した後には、巣の残骸がこびりついている箇所をヘラで剥がしておきましょう。
巣があった付近全てに殺虫剤をかける
巣を完全に撤去したら、巣があった付近の広い範囲に殺虫剤をかけておきましょう。この時、さらっと吹きかけるのではなく、殺虫剤が液体になって滴り落ちるくらいに吹きつけておくのがポイント。
スズメバチは自分の巣があった場所に戻ってきて居座る可能性があるため、なるべく近寄れないように殺虫剤でバリアしておかなければいけません。
戻りバチを粘着プレートで捕獲する
巣を撤去して殺虫剤を吹き付けたら蜂の巣駆除は完了。しかし、ハチ駆除の際に全てのハチを駆除出来ているわけではなく、外に出ていたハチが戻ってきて巣を探すような行動もあります。戻りバチが居座ると刺される危険性があるため、戻りバチは粘着プレートで捕獲しておきましょう。
飛んでいるハチを駆除する場合、殺虫剤で駆除するのではなく、あくまでも粘着プレートで捕獲するのがポイントです。飛んでいる時にさらっと殺虫剤がかかったくらいではスズメバチは駆除出来ません。
アシナガバチを駆除する方法
アシナガバチはスズメバチほど攻撃性は高くなく、いきなり襲ってくる可能性は低いのですが、刺されてしまうと毒性があるため危険。何も危害を加えていない場合は大人しいのですが、巣が荒らされたり、仲間が攻撃されているとこちらに向かって襲いかかってきます。スズメバチより小さいと言っても、強力な針を備えているため刺されないような用意が必要。
アシナガバチの巣はスズメバチとは違い、周りを壁に囲われていません。巣の中身である六角形の穴が露出した形になっているため、見つけた時には周囲にたくさんのアシナガバチ(見張りバチ)が群がっているでしょう。
準備するものはスズメバチとほぼ同じなのですが、駆除の手順が全く異なります。スズメバチの場合は巣の形状を生かして殺虫剤をかけましたが、アシナガバチの場合は殺虫剤を使用するタイミングが変わってくるのです。
アシナガバチ駆除に準備するもの
アシナガバチ駆除に用意するもの
- 汚れても良い長袖、長ズボン
- 厚手のレインコート等
- 革手袋等の厚手の手袋
- 防護用ヘルメット
- ガムテープ
- 脚立(巣の場所に応じて)
- ハチ駆除用殺虫剤
- 粘着プレート(5枚〜10枚ほど)
- 長い棒(物干し竿程度の強度があるもの)
- 金属製のヘラ
アシナガバチはスズメバチほど凶暴ではないと言っても、刺されると毒性があります。そのためスズメバチと同じように、刺されないような装備はしっかりと整えておきましょう。
アシナガバチは巣が小さいこともあり、高い位置に作られると脚立は必須。巣の場所の地面に脚立が立てられるのかを最初にしっかり確認しましょう。また、巣を撤去した後に巣の場所をきれいに掃除することも重要なので、ヘラは忘れずに用意。
スズメバチとの大きな違いは粘着プレートの使用方法。スズメバチは巣の中に隠れていますが、アシナガバチは巣の周りにまとわりつくように生息しています。そのため、いきなり殺虫剤を使用すると全員飛んで逃げてしまいます。逃がさないように最初に粘着プレートで捕獲しながら殺虫剤で駆除していくことがポイント。
アシナガバチを駆除するのに適した時間帯
アシナガバチは巣の形の特徴から、巣の下側に集合したようになります。特に日が落ちた夕方以降は巣に集まってくるため、このタイミングを狙って駆除するのがおすすめ。巣の中に入らないため、なるべく集合しているタイミングで粘着プレートを使用して一網打尽に捕獲します。
日中の方が作業しやすいかもしれませんが、アシナガバチの多くは日中に外出しており、巣に危険が迫ると帰ってきて外敵を攻撃します。そのため、ハチが巣にいる夕方以降がおすすめなのです。また、ハチは日が落ちると行動が鈍くなるという特徴もあるため、なるべく遅い時間帯を狙いましょう。
アシナガバチを駆除する手順
アシナガバチを駆除する手順
- 安全性の高い長袖長ズボン、レインコート、厚手の手袋、長靴を着用
- 手袋と腕の隙間、上着とズボンの隙間、ズボンと長靴の隙間をテーピング
- 防護用ヘルメットを着用
- 巣の近くに脚立を用意(この時点では脚立を立てない)
- 粘着プレートを用意
- 殺虫剤を用意
- 粘着プレートと殺虫剤を持ち、脚立を立てて登る
- 巣の下から穴を全て塞ぐように粘着プレートを当てる
- 粘着プレートが付いたまま、巣を撤去する
- 周囲に飛んでいるハチを粘着プレートで捕獲する
- 撤去した巣、粘着プレートで捕獲したハチそれぞれに殺虫剤をかける
- 巣が撤去できたら、巣がくっついていた柱状の箇所をヘラで剥がす
- 巣があった付近全てに殺虫剤をかける
- 戻りバチを粘着プレートで捕獲する
このような手順でアシナガバチを駆除します。
安全性の高い長袖長ズボン、レインコート、厚手の手袋、長靴を着用
スズメバチと同様、アシナガバチも外敵に対して攻撃的になり、襲いかかってお尻の針で刺してきます。スズメバチほどの体格ではないため針で刺す力も多少弱いのですが、普通の服では貫通する可能性があるためレインコートなどの厚手の服で駆除を行いましょう。手袋に関しても、通常の手袋では心許ないので、革手袋を準備しましょう。
手袋と腕の隙間、上着とズボンの隙間、ズボンと長靴の隙間をテーピング
アシナガバチは巣に生息している数が多くないため、身体中に群がって隙間へ潜り込むことは少ないのですが、駆除作業の時にはどうしても手を伸ばす動作が多くなり、袖から腕が出てしまう可能性があります。高い位置に背伸びをして上着に隙間が空いてしまう可能性もあるため、ちゃんと服と服の間はガムテープで止めておきましょう。
防護用ヘルメットを着用
アシナガバチの巣を見るとハチの数は少ないように見えますが、実は巣の外に働きに出ている働き蜂が複数います。そういうハチは巣の危機を察知して一気に敵に向かって攻撃してくるのです。その時、一番狙われやすいのが頭。いくら帽子で守っていると言っても顔や首を刺されてしまうと、毒が回りやすく最悪のケースにつながる可能性も。
巣の近くに脚立を用意(この時点では脚立を立てない)
防護服を着て準備ができたら、巣の近くに脚立を用意しましょう。アシナガバチの巣を駆除する場合、巣の柱がくっついている箇所をヘラで剥がす必要があるため高所作業になります。そのため、脚立はしっかり準備しておくべきです。
このタイミングで脚立を立ててガタガタ作業していると、巣の危険を察知してハチが暴れ出す可能性があります。アシナガバチは巣の周りに群がっている状態だから駆除できるのですが、ハチが活発に動き出してしまうと駆除が大変になります。なるべく音を立てずにそーっと準備を進めましょう。
粘着プレートを用意
スズメバチの駆除と違い、アシナガバチの巣の駆除では粘着プレートが鍵を握ります。どんな殺虫剤を選ぶかよりも、粘着プレートを用意しておくことの方が重要です。巣の撤去や戻りバチの捕獲など多くのシーンで使用するため、忘れずに準備しましょう。
殺虫剤を用意
アシナガバチの駆除で殺虫剤はそこまで重要ではありません。基本的にアシナガバチの巣の作り上、巣の中にハチが入るということはありません。常に巣の外にいるため、もし殺虫剤をかけたとしても飛んで逃げてしまうのです。殺虫剤は捕獲したアシナガバチを駆除するため、また粘着プレートで撤去した巣に残ったハチを駆除するために使用します。
粘着プレートと殺虫剤を持ち、脚立を立てて登る
粘着プレートと殺虫剤が用意できたら、脚立を立てて登ります。この時もなるべく物音を立てずにゆっくり登るのがポイント。グダグダしているとハチが逃げてしまうと思うかもしれませんが、物音を立てるとハチが一斉に警戒体制に入り、こちらへ襲いかかってきます。
また、危険を察知したアシナガバチは巣から離れてしまうこともあります。巣から離れて飛んでいってしまうと捕獲することは難しく、駆除が完了しません。そのため、ちょっと焦ったとしてもゆっくりと脚立を登りましょう。
巣の下から穴を全て塞ぐように粘着プレートを当てる
アシナガバチの巣はお椀をひっくり返したような形をしており、巣の下側は六角形のハニカム構造が見えている状態です。スズメバチの巣のように殻に囲われていて出入り口となる穴が空いているような作りではなく、ハチがいる場所は丸見えになっています。そのため、殺虫剤をかけてもハチが飛んで逃げてしまうだけで駆除ができません。
アシナガバチの場合は、下側から見えている六角形の穴の面が全て覆えるように、粘着プレートをペタッと巣に当てます。周囲にいるハチと穴の中に入っているハチ両方を、一気に粘着プレートで捕獲してしまうのです。さらに、飛んで逃げたハチも粘着プレートを振り回しながら捕獲。
殺虫剤で駆除するのではなく、粘着プレートで捕獲していくような駆除の方法になります。
粘着プレートが付いたまま、巣を撤去する
巣の下側に粘着プレートを引っ付けた後には、そのまま巣を撤去してしまいましょう。アシナガバチの巣は1本の柱で天井からぶら下がっているような形になっているため、ちょっと力を入れれば簡単に引き剥がせます。この時、柱部分が天井に残ってしまうことがあるのですが、その柱も後から撤去するので、このタイミングでは放置して大丈夫。
周囲に飛んでいるハチを粘着プレートで捕獲する
基本的には巣の下側にハチがいるので、粘着プレートをうまく使えれば巣の六角形の穴を防ぎながらハチを捕獲できます。しかし、それだけで完璧に捕獲することは難しく、中には飛んで逃げてしまうハチもいるのです。
飛んで逃げたハチを駆除するために殺虫剤を吹きかける人がいますが、飛んでいる状態のハチを殺虫剤で駆除するのは難しいです。アシナガバチも生命力が強いため、ちょっと殺虫剤がかかったくらいでは駆除できないのです。集中して噴射するタイプの殺虫剤であったとしても、飛んで回るハチを的確に撃ち続けることはできないでしょう。
そのため、飛んで逃げたハチは粘着プレートを振り回して捕獲していきましょう。アシナガバチの場合、殺虫するのではなく、粘着プレートで全て捕獲してから殺虫剤で処理します。
撤去した巣、粘着プレートで捕獲したハチそれぞれに殺虫剤をかける
飛んでいるハチも粘着プレートで捕まえたら、先ほどの巣が付いている粘着プレートとハチを捕獲した粘着プレートの両方に殺虫剤をかけましょう。粘着プレートに捕獲してもハチは生きているため、このタイミングで殺虫してしまいます。
ただし、殺虫剤をかければすぐに駆除できるわけではなく、しばらくは生きて動き続けます。さらに殺虫剤をかけすぎると粘着が弱くなり、捕まえたはずのハチが脱走してしまうこともあるため注意が必要です。ササっと殺虫剤をかけて粘着プレートは放置しておきましょう。
巣が撤去できたら、巣がくっついていた柱状の箇所をヘラで剥がす
巣を撤去した時、巣が付いていた天井に巣の柱が残ってしまうことが多々あります。もし巣の柱まできれいに取れていたとしても、天井と巣の接合部が少しだけ残ったりするのです。
アシナガバチは自分の巣の場所を覚える習性があるため、この跡が残っていると、外に出ていたアシナガバチが帰ってきて同じ場所に巣を作り出すことがあります。そのため、巣の柱やちょっとした痕跡はヘラでしっかりと剥がしておきましょう。
巣があった付近全てに殺虫剤をかける
巣の駆除をしているときに全てのハチを捕獲したと思っているかもしれませんが、そのタイミングで外に働きに出ているハチもいます。巣に帰ってきた時に自分の家がなくなっていると、その箇所に大勢で固まって居座ることがあるため注意が必要。巣を作り出すわけでもなく、その場所に大勢で集まってくるため、巣を壊した敵に襲いかかる可能性があります。
巣をなくしたアシナガバチの多くは外で死んでしまうのですが、自分の巣のあった場所に戻ってきたアシナガバチは再度その位置に巣を作り出す可能性もあります。
そのため、巣を撤去したらその近辺全てに殺虫剤をかけておきましょう。液だれするくらい大量の殺虫剤をかけて、帰ってきたアシナガバチが休憩することがないようにしておくのがポイントです。巣があった場所に居座れないとなると、近くに巣を作ろうと移動するか、そのまま別の場所へ飛び立っていきます。
戻りバチを粘着プレートで捕獲する
完璧に巣を撤去してハチを捕獲したと思っていても、やはり外から帰ってくるアシナガバチがいます。1つの巣には50匹程度のアシナガバチが住んでいるのですが、本当に50匹全部を捕まえようと思うと粘着プレートにビッシリ捕まえたとしても5枚上の粘着シートが必要になるでしょう。巣を撤去したタイミングでそれだけ大量には捕獲できていないはずです。
戻ってくるハチは放置しても良いのですが、近くに巣を作られないためにも粘着シートで捕獲してしまいましょう。巣があった場所の近くで待ち伏せしていると、どこからともなくアシナガバチが1匹ずつ帰ってきたりします。
ミツバチを駆除する方法
ミツバチは人目につかない場所に巣を作りがちです。床下や屋根裏、物置の中、壁の内側などに巣を作るため、蜂の巣がかなり大きくなるまで気づかないケースもよくあります。気づいた時には数万匹のミツバチが生息する超大型の巣に成長していたり…。
ミツバチは攻撃性が低く、毒性も他のハチに比べれば低いものです。しかし、他のハチに比べてかなり大群で襲ってくるため、いくら毒性が低いと言っても防護服無しでの作業は無理でしょう。防護服はもちろん、防護ヘルメットも必須。時には目の前が見えないくらいミツバチの大群に襲われることもあります。
1匹の毒性は比較的低いのですが、大群のミツバチに一度に刺されると危険性は上がります。特に体が小さいので、防護服の隙間から侵入してきて身体中を刺されたり、首周りを刺されたりすると危険性があります。
巣は殻や壁がない板状のものになっており、側面は全て六角形のハニカム構造で出来ています。その板に無数のミツバチが群がっているような巣になっており、他のハチとは違い蜂蜜が全面に滴っているような巣。撤去する際にはヘラやスコップ、大きなゴミ袋が必要になります。
ミツバチ駆除に準備するもの
ミツバチ駆除に用意するもの
- 汚れても良い長袖、長ズボン
- 厚手のレインコート等
- 革手袋等の厚手の手袋
- 防護用ヘルメット
- ガムテープ
- 脚立(巣の場所に応じて)
- ハチ駆除用殺虫剤
- 粘着プレート(10枚ほど)
- 金属製のヘラ
- スコップ(大サイズ、小サイズ)
- 大きなゴミ袋
- 大きく丈夫な虫取り網
ミツバチ駆除はある意味でスズメバチ駆除、アシナガバチ駆除と比較して最も過酷なハチ駆除となります。私たち害虫駆除業者としても、ミツバチ駆除が入ってくるとテンションが下がるものです。
ミツバチ自体の毒性は低いのですが、巣全体が蜂蜜に覆われているため、撤去の際に服や靴が蜂蜜だらけになります。建物の隙間や床下に巣を作っている場合は手で撤去するしかなく、上半身や頭部分は蜂蜜だらけでベタベタ。防護服を着ると言っても、その下には汚れても良い服を着ておきましょう。
また、他の蜂の巣とは違い大型になることが多いため、巣を撤去する際にはスコップなどを用意しておくと便利。ハチ自体を駆除することも重要ですが、ミツバチの場合は大きな巣をスコップで崩しながら撤去していきます。撤去した巣は地面に置くと処理が大変になるため、ゴミ袋を用意しておきましょう。
ミツバチを駆除するのに適した時間帯
ミツバチは非常に数が多く、基本的には人目につかない暗がりに巣を作ります。そのため、日中でもたくさんのミツバチが巣の中にいるのですが、可能であれば夕方以降の日が堕ちたタイミングで駆除を行いましょう。日中は花の蜜を吸いに働き蜂が外出しているのですが、夕方くらいになると一斉に巣に戻ってきます。
夕方15時〜17時くらいになると多くのミツバチが巣に帰ってくるため、そのタイミングで一斉に駆除してしまうのがおすすめです。
ミツバチ駆除の手順
ミツバチを駆除する手順
- 安全性の高い長袖長ズボン、レインコート、厚手の手袋、長靴を着用
- 手袋と腕の隙間、上着とズボンの隙間、ズボンと長靴の隙間をテーピング
- 防護用ヘルメットを着用
- 殺虫剤を用意
- 巣全体に対して殺虫剤をかける
- 周囲に飛んでいるハチに対しても殺虫剤をかける
- 巣をスコップや手で崩しながら撤去する
- 巣が撤去できたら、巣がくっついていた箇所をヘラで綺麗に剥がす
- 巣があった付近全てに殺虫剤をかける
- 戻りバチを粘着プレートで捕獲する
このような手順でミツバチを駆除します。
安全性の高い長袖長ズボン、レインコート、厚手の手袋、長靴を着用
ミツバチは攻撃性が低く、他のハチに比べると毒性も低いハチです。しかし、一つの巣に数万匹が生息していることもあり、いざ駆除を開始すると一斉に襲ってきます。体も小さく、お尻の針も弱いのですが、通常の衣服では隙間から入ってくる可能性もあるため、しっかりと厚着しておきましょう。
また、ミツバチの巣駆除は手作業で巣をかき出す作業も発生するため、厚手の手袋(革手袋)や長靴など、汚れて捨てても良い装備が必須です。
手袋と腕の隙間、上着とズボンの隙間、ズボンと長靴の隙間をテーピング
ミツバチは非常に小さいハチであるため、衣服の隙間から侵入してきます。実際、害虫駆除業者であっても防護服の隙間からハチが侵入して、現場が大パニックになった案件もありました。長袖長ズボンを着用しているだけでは不十分であり、衣服と手袋、ヘルメット、長靴の隙間を全てガムテープで覆っておきましょう。
防護用ヘルメットを着用
ミツバチの駆除であっても防護ヘルメットは必ず着用しましょう。毒性が低いと言っても毒性がないわけではなく、頭部を一度にたくさん刺されると危険です。
さらに、あまり知られていないのですが、ミツバチの巣にはスズメバチがいる可能性があります。スズメバチはミツバチの巣を襲う習性があるため、ミツバチの巣の周りを飛んでいるのです。そんな時に駆除を始めてしまうと、ミツバチだけでなく、周囲に潜伏していたスズメバチからも一斉に攻撃されてしまいます。
殺虫剤を用意
ミツバチの駆除は殺虫剤を用います。ミツバチは体が小さいこともあり、市販の殺虫剤でも十分に効果があるのです。さらっと殺虫剤の煙がかかった程度では効かないのですが、ジェット式の殺虫剤をかければバタバタと飛んでいたミツバチが落ちてきます。
巣全体に対して殺虫剤をかける
ミツバチの巣の周りには、たくさんのミツバチが飛んでいます。どうしても駆除する時に周囲のハチを殺虫剤で退治したいと思うかもしれませんが、ミツバチの巣を駆除する時には巣に向かって殺虫剤をかけます。まず最初の段階で、周囲のミツバチは無視で大丈夫。
巣に群がっているミツバチを駆除しながら、巣の中にいるハチを駆除することが先決です。殺虫剤が付着した巣にはハチも戻って来にくくなるため、まずは巣を完全に殺虫剤漬けにしてしまいましょう。その時に、周囲にいるハチも少しずつ殺虫剤で駆除できます。
巣をスコップや手で崩しながら撤去する
巣全体に殺虫剤をかけて、周囲にいるハチが少なくなったら巣を撤去します。ミツバチの巣は建物の天井や壁面にベッタリとくっついて作られているため、簡単には剥がせません。さらに、巣全体が蜂蜜に覆われているため、崩した巣をすくい上げるようなスコップを準備しておくと効果的。
手や金属ヘラ、小型のスコップ等を使いながら徐々に巣を崩していき、巣の根元まで全部を崩して撤去します。必ず巣の下にゴミ袋を備えておき、崩して落ちた巣はゴミ袋で受けるようにしましょう。ミツバチの巣は蜂蜜だらけになっているため、落ちた巣をそのまま放置しておくとスズメバチが蜜を察知して飛んでくる可能性があります。
高い位置にミツバチの巣が作られている場合、崩した巣が地面に落ちないように大きく丈夫な虫取り網で受け取りましょう。虫取り網をそのまま使うのではなく、中にゴミ袋を張っておくことによって網を汚さずにそのままゴミに捨てることができます。この際、ゴミ袋の中に捕獲した巣にはちゃんと殺虫剤をかけることを忘れずに。
ミツバチの巣が大きくなれば大きくなるほど撤去は大変。以前、飲食店の床下にたたみ1畳分ほどのミツバチの巣が3つ重なって出来ており、撤去だけで半日かかりました。
巣が撤去できたら、巣がくっついていた箇所をヘラで綺麗に剥がす
巣が撤去できたら、巣がくっついていた天井や壁面をヘラで綺麗に掃除します。ミツバチの巣はベッタリとくっつくように作られていますし、巣がくっついている壁面にも蜂蜜がビッシリとこびりついています。
巣を撤去している時、周囲にはまだミツバチが飛んでいるでしょう。さらに、別の虫たちがそのミツバチを襲うために集団で向かってくる可能性もあります。そんな時、ミツバチの根本が残った状態になっていると、その場所にハチたちが集合して来てしまうため危険です。せっかく巣を撤去したのに、翌日にはまた巣を作り始めているなんてこともあり得ます。
巣を撤去したら、巣のあった場所をしっかりヘラで剥がして、綺麗に掃除しておきましょう。
巣があった付近全てに殺虫剤をかける
巣を撤去して、巣がついていた場所を綺麗にしたら、周囲に殺虫剤をかけておきましょう。巣がついていたポイントだけではなく、その周囲にもかけておくのが重要。ササっと吹きかけるのではなく、液ダレするくらい大量に殺虫剤を吹き付けます。
殺虫剤をかけておくことによって、周囲に飛んでいるハチが巣のあった場所に密集してくることを防ぎ、同じ場所に巣が再度作られることを防止します。
戻りバチを粘着プレートで捕獲する
巣を完全に撤去しても、周囲にはまだまだミツバチが飛んでいるでしょう。全てのミツバチを捕獲することはできませんが、翌日になってもミツバチが飛び回っているのでは危険です。そのため、粘着プレートを使って飛んでいるハチを捕獲しておくのがおすすめ。
ミツバチは集団で浮遊していることもあるため、粘着プレートを振り回しているだけで簡単に捕獲できます。数が多いのですぐに粘着プレートがハチだらけになってしまうはず。数枚の粘着プレートを用意しておき、数回に分けてハチを捕獲していきましょう。飛んでいるハチが少なくなったら完了です。
自分でハチ駆除をするときに注意すべきポイント
ハチ駆除は安全に対しての準備をしっかりとして、ハチの特徴や習性を意識した駆除方法を取れば、素人でも駆除することが可能です。しかし、これはあくまでも小型の蜂の巣の話。もし巣の大きさが15cmを超えているような場合、中に大量のハチが住んでいると予想できますし、大群で襲われると危険です。
その上で、小型であったとしても蜂の巣を駆除する時には
- 駆除する時間帯
- 駆除に適した服装
- 殺虫剤以外の駆除アイテム
- 巣の撤去後の処理
が重要。ハチは思っている以上に警戒心が高く、住処を襲ってくる外敵に対しては一斉に攻撃してきます。蜂の巣駆除をする時には襲われることを前提として進めていかなければならず、小さな巣であっても刺されないような対策は必須。
また、ハチ駆除、蜂の巣駆除は目の前にある巣を撤去するだけではなく、周囲に飛んでいるハチを駆除したり、同じ場所に巣を作られないように処理する必要があります。蜂の巣を駆除したのに、翌日にまた同じ場所にハチが集まってくるのでは意味がありませんからね。
駆除する時間帯
駆除作業は16時以降の夕方に行う
蜂の巣駆除を行う場合、16時〜18時くらいの夕方の時間帯がおすすめです。
蜂の巣の中のほとんどのハチは働き蜂と呼ばれるハチ。働き蜂は日中は巣から外に出て、幼虫のための餌や花の蜜を集めています。人間と同じように、明るくなったら家の外に出て仕事を行い、日が暮れる夕方になると家に帰ってくるのです。
蜂の巣を駆除するなら、巣の中にハチが少ない日中の方が安全なんじゃないの?
と思われるかもしれません。駆除作業中に出てくるハチだけを考えれば、確かに日中の方がハチの数が少ないため簡単。
しかし、ハチが外に出て行ってる状態で巣の駆除を行なってしまうと、夕方以降にハチが帰って来た時、いきなり巣がなくなっていることになります。ハチは自分の住んでいた巣が無くなると、巣があった付近に滞在する習性があるのです。そのため、日中に巣を駆除してしまうと、せっかく巣を駆除したのにハチがたくさん残って周囲を飛び回るようになってしまいます。
大切なのは蜂の巣を落とすことではなく、巣を駆除してハチに刺される危険を無くすことです。そのため、駆除作業は少しだけ大変になるかもしれませんが、巣にハチが戻って来ている夕方以降に駆除作業を行い、巣に住んでいるハチを一網打尽にするのがおすすめ。巣と一緒にハチも駆除し、綺麗さっぱりハチの心配をしなくて良い状態にしましょう。
体や服の匂いに注意
匂いの付いていない服に着替えてから駆除作業を行う
ハチは匂いに敏感な生き物です。普段と違う匂いに反応して警戒心が高まります。そのため、ハチ駆除を行う時にはなるべく匂いの付着していない衣服(柔軟剤、香水など)を使用しましょう。汚れても良い衣服で駆除を行われると思いますが、駆除作業の前に水洗いだけしておくのも良いですね。
もしハチ駆除前にもし香水の匂いがする状態であれば、体を拭くかシャワーを浴びてから駆除することをお勧めします。これだけでもハチに襲われる危険性はかなり下がります。
さらに、ハチは汗の臭いにも反応して襲ってきます。夏場はどうしても汗だくの服のまま駆除作業を行なってしまう可能性がありますが、可能であれば駆除作業の前に着替えるのがおすすめ。わざわざシャワーを浴びるまでもないですが、汗の匂いがする衣服は着替えた方が良いでしょう。
刺されにくい服装
長袖長ズボン、防護ヘルメットを着用して隙間をテーピングする
もちろん、ハチは巣を攻撃されると警戒体制に入り一気に襲ってきます。1匹が飛んでくるだけならまだしも、いつもは見えなかったとしても蜂の巣の中にはアシナガバチで数十匹、スズメバチだと数百匹、ミツバチの場合は数万匹が生息しています。怒ったハチが一斉に襲ってくると、目の前が真っ暗になるほどのハチの量。
ハチはお尻についている針で人間を指して攻撃してきます。数センチ程度の小さな体と侮っている方もおられますが、ハチは刺すときにお尻から針をニュッと出して攻撃してきます。そのため、思っている以上に深く針を刺すことができ、通常の衣服を貫通してくるのです。
衣服の中でも厚みがあると思われるデニム。デニムも生地によって厚みの違いはあるものの、一般的に販売されているようなデニムは厚みが0.5mm〜0.8mmほど。厚みがあると思われるデニムでも、厚さは1mmもないのです。
一例で、スズメバチのお尻の針は4mm〜7mmほどの長さがあります。刺す時にはお尻をグッと擦り付けてから指してくるので、少々厚手の衣服を着ていたとしても針は貫通して肌が刺されてしまいます。アシナガバチのお尻の針も5mm程度なので、衣服を着ていたとしても十分に刺されてしまう長さ。
なので、ハチ駆除を行う時には全身を覆える長袖長ズボンを着用することはもちろん、なるべく厚みを出せるような服装が適しています。
長袖長ズボンを着用
これは当たり前ですが、ハチ駆除を行う時には長袖長ズボンが必須です。害虫駆除業者として年間数十件の駆除を行なっている私たちでも、ハチ駆除に半袖半ズボンで行くような真似はしません。服だけでハチの針を防げるわけではありませんが、少しでも厚みを増すために長袖長ズボンを着用しておきましょう。
レインコートを着用
ハチのお尻の針は長く、長袖長ズボンを着用していたとしても刺されてしまう可能性が大いにあります。ハチの針の長さは4mm〜7mm程度なのに対し、衣服の厚みは1mmもないのです。そのため、少しでも衣服の厚みを増しながら、衣服と肌の間に空間を作るようにしましょう。
その点、手に入りやすくて一番おすすめなのがレインコート。レインコートは素材が硬いものが多く、中でもナイロン性でコーティングがされているような分厚いものがおすすめです。昔からよくある「なんかゴムっぽくて、着ると暑い」レインコートを選びましょう。
黒くない服装
ハチが黒色のものを襲うというのは有名な話ですが、実は黒色のものを攻撃する明確な理由は分かっていません。ハチの天敵であるクマが黒色をしているため、黒い服装をしていると襲われるとの説がありますが、黒い服を着ていなくても巣を攻撃すれば襲われます。
そのため、必ずしも黒い服装はダメというわけではないのですが、少しでも襲われる可能性を下げるためにも黒い服装は避けた方が良いでしょう。
頭を保護する防護ヘルメット
蜂の巣駆除を行う際には、しっかりと防護ヘルメットを着用しましょう。ニット帽やキャップを被って頭部だけを保護している方もおられますが、顔や首を刺されてしまうと大変。最悪の場合、アナフィラキシーショックで死に至る可能性があります。
最近では楽天やAmazonなどのネットショップでも簡単に購入できるものです。価格も3,000円台程度から販売されているため、命を守るためにも防護ヘルメットは着用しておきましょう。特にナイロン性でPVCコーティングされているものが安全性も高くおすすめです。
衣服の隙間をガムテープで縛る
長袖長ズボン、レインコート、防護ヘルメットの3点を着用していても、衣服に隙間が空いているのではハチに刺される可能性があります。ハチは飛んできて刺すだけではなく、衣服の上を移動しながら刺してきます。そのため、衣服と手袋、長靴などの隙間が空いているとそこから侵入して刺される可能性があるのです。
駆除作業着に着替えたら、
- 防護ヘルメットと上着の隙間
- 上着と手袋の隙間
- 上着とズボンの隙間
- ズボンと長靴の隙間
をテープでぐるぐる巻きにしておきましょう。特にズボンと長靴の隙間はキュッとしまっているように見えるかもしれませんが、ほんの小さな隙間からハチが侵入することもあります。そのため、隙間がないように見えてもしっかりとガムテープでテーピングしておくのが重要。
粘着プレートが必須
ねずみ駆除用の粘着プレートを用意する
ハチ駆除というと強力な殺虫剤で蜂の巣を攻撃しているようなシーンをテレビで見るかもしれませんが、実はそこまで殺虫剤は重要ではありません。飛んでいるハチに対して殺虫剤を吹きかけたとしても、ハチは生命力が強いためすぐには死にません。
噴射力の強いジェットタイプのものもありますが、その殺虫能力は一瞬の即効性がないため、飛んで逃げられてしまうのです。超強力なジェット式の殺虫グッズで蜂の巣を駆除している動画もありますが、ほとんどは画面上のパフォーマンスの可能性が高く、殺虫剤をかけた後に大量のハチに襲われる可能性が高くなります。
そこで、ハチ駆除の時に活躍するのが粘着プレート。飛んで回るハチを駆除するためには殺虫剤を使用するのではなく、粘着プレートで捕獲してしまうのがおすすめ。中でもねずみ取り用の粘着プレートを振り回して捕獲するのがおすすめです。
- A3ほどの大きなサイズ感、
- 強力な粘着力
- 振り回すのに適した板の固さ
が揃っているため、簡単にハチを捕獲できます。ハチ駆除の際には殺虫剤を吹きかけるのではなく、粘着プレートで捕獲してから殺虫剤で駆除すると覚えておきましょう。
巣のあった場所にも殺虫剤をかける
巣を撤去した場所にも駆除後1週間くらいは殺虫剤を散布する
蜂の巣を駆除した後は、巣のあった場所にもしっかりと殺虫剤をかけておきましょう。働き蜂は日中に出かけており、巣を駆除しているときに外出中かもしれません。帰ってきた時に巣がなくなっていると、一気に警戒心が高まり周囲に攻撃し出すだけではなく、巣があった場所にしばらく居座ることがあります。
特にアシナガバチやミツバチは巣の場所を覚える習性が強く、巣がなくなってもその場所に長時間居座ります。外に出ていて駆除できなかったハチが多いと、巣のあった場所が真っ黒になるくらいハチがたくさん群がります。そうなると、巣は無くなってもハチは居続けるため刺される危険性が残ったまま。
そこで、蜂の巣を駆除した後には巣のあった場所にも十分に殺虫剤を吹きかけましょう。サラッと吹きかけるのではなく、液ダレするくらいに”塗る”イメージで吹き付けるのがポイント。戻ってきたハチが巣のあった場所に近寄れないようにしておきましょう。
長ければ駆除の1週間くらい後でもハチが戻ってくる可能性があるため、翌日以降もハチがいないか確かめながら殺虫剤を吹きかけておきましょう。もし、ハチが戻ってきていることが確認できる場合、再発する可能性もありますし、攻撃的になったハチが襲ってくる可能性もあるため、害虫駆除業者へ連絡した方が確実です。
巣を撤去してハチを駆除するだけでハチ駆除は完了ではありません。しっかりと再発防止しておきましょう。
オオスズメバチは駆除業者へ依頼
自分で出来るハチ駆除の方法をご紹介してきましたが、もし発見したハチがオオスズメバチだった場合はすぐに駆除業者へ依頼しましょう。オオスズメバチは体が大きく、その毒性も非常に高いハチです。刺されると痛いだけでは済まず、最悪の場合は死に至る可能性があります。
駆除するのも大変ですし、巣を荒らされて怒ったオオスズメバチに襲われると大変。オオスズメバチかもしれないと思った時には、迷わずに害虫駆除業者へ連絡しましょう。
オオスズメバチの特徴と危険性
オオスズメバチはスズメバチの中では世界最大の種であり、体長が4cmを超えるものも珍しくありません。大型のハチになるため、飛んでいる時の音も他のスズメバチのような「ブーン」という音ではなく、「ブォー」というかなり低く響く音。慣れていると飛んでいる音を聞いただけで「あ、オオスズメバチがいるな」と分かるほどです。
オオスズメバチはコガネムシなどの昆虫を捕食するだけでなく、他のスズメバチやアシナガバチにも襲いかかります。スズメバチやアシナガバチの巣を襲って幼虫を捕食するため、小さなアシナガバチの巣を駆除している時にオオスズメバチが飛び出してきたことも。
オオスズメバチの巣は土の中
オオスズメバチは他のスズメバチと違い、土の中に巣を作ります。木の根元や樹洞など、大きな木を活用して巣を作っていることも多々あり、なかなか目に見えるような場所に巣を作ることはありません。
駆除業者である私たちもオオスズメバチの駆除を行う時には、オオスズメバチの働き蜂が巣に帰っていくまでゆっくりと観察し、ハチが巣に入っていくための穴を探します。巣の入り口は地面に小さな穴が空いているだけであり、パッと見た目では「アリの巣でもあるのかな?」くらいのサイズ感。
しかし、土の中には1mほどの大きな巣が作られていおり、中には数百匹〜数千匹のオオスズメバチが生息していることも。もし子供が林の中で地面の穴を見つけた時には、絶対に近づかないよう注意が必要です。穴から一気にオオスズメバチが飛び出してきて刺される可能性があります。
オオスズメバチを駆除する方法
駆除する時には、巣の入り口になっている穴から専用の燻蒸剤(煙タイプの殺虫剤)を流し込み、土の中で一気に駆除します。飛んでくるハチは粘着プレートで捕獲しながら駆除していくのですが、体が大きいので粘着プレートもすぐにいっぱいになってしまうほど。
捕獲したハチは助けを呼ぶために羽を震わせてSOSサインを出します。そのブーンという音を辿って外出していたオオスズメバチも一気に巣に戻ってくるため、オオスズメバチ駆除の近隣は大量のハチでカオス状態になることも…。
オオスズメバチは攻撃力も超強力
オオスズメバチのお尻の針はとても強力。ハチ駆除専用の防護服を着ていても、その防護服を突き破って刺されてしまう場合があるのです。そのため、オオスズメバチ駆除の場合は、万全の防護服の上にさらに防護服を重ね着するくらいの厚着で作業しなければ、本当にすぐ刺されてしまいます。
また、オオスズメバチはお尻で刺すだけではなく、その屈強なアゴで噛みついてきます。防護服に噛みついて破ろうとしてくるのです。防護服を着ていると言っても、腕にオオスズメバチが噛み付いてくる光景は恐怖。
すぐに駆除業者へ依頼
素人がオオスズメバチを駆除するのは大変危険なので、見つけた場合はすぐに駆除業者へ連絡しましょう。危険かつ大規模な駆除作業になるため駆除費用もかさむかもしれませんが、もし刺されてしまう場合の危険性を考えると駆除してもらったほうが賢いです。
間違っても自分で巣の場所を探しに行こうとはしないでください。
害虫駆除業者へ依頼した方が良いケース
自分で出来るハチ駆除の方法をご紹介してきましたが、これはあくまでも小さな蜂の巣でハチの量も少ない場合のみ。ハチ駆除は危険を伴う作業なので、基本的には害虫駆除業者へ依頼することを考えましょう。
ハチ駆除を依頼すると数千円から、高くて数万円ほどの費用がかかるかもしれませんが、もし刺されてしまうと病院へ診察に行く費用もかかってしまうため、全く節約にはなりません。自分で駆除をするために防護服や防護ヘルメット、駆除用殺虫剤などを購入するだけでも1万円以上の費用がかかってしまうため、自分で駆除するのが必ずしも安く済むとは限りません。
なので、駆除費用が高いと感じるかもしれませんが、基本的にハチ駆除は害虫駆除業者へ依頼しましょう。
蜂の巣が直径15cm以上ある時
もし、蜂の巣の大きさが直径15cmを超えているようであれば迷わず駆除業者へ連絡しましょう。スズメバチ、アシナガバチなどの種類を問わず、直径15cmを超えるような巣のサイズになっていると、中には数十匹以上のハチが生息している可能性が高いです。もし駆除の際に不手際があると、大量のハチに襲われる可能性があります。
ハチ駆除は巣を取り除くだけでは不十分で、同じ場所に巣を作られないような後処理も必要ですし、何より飛び立ってしまった戻りバチを駆除することも必要です。直径15cmを超えた巣の場合、外に出ているハチが多いと予測できるため、戻りバチをしっかりと駆除しなければなりません。戻りバチを駆除しながら再発防止処理をするのは駆除業者に依頼するのがおすすめ。
6月〜9月の駆除作業
ハチは3月や4月から活発に行動し始め、どんどん巣の中の数を増やしていきます。女王蜂が十分に栄養を蓄えてから、巣を作って拡大していきます。真夏になると繁殖行動が最盛期に入るため、ハチの警戒心もMAXに。繁殖の最盛期に入り警戒心が強くなったハチは非常に攻撃的です。これはスズメバチだけではなく、アシナガバチも同様。
そのため、アシナガバチの繁殖期である6月頃から、スズメバチの新女王が誕生する9月頃までは非常に危険。この時期の駆除作業は自分で行わず、必ず駆除業者へ依頼することをお勧めします。
周囲に別の種類のハチが飛んでいる時
アシナガバチの巣だと思うけど、なんだか違う種類のハチも飛んでる気がする…。
という場合もあるでしょう。アシナガバチとスズメバチは同じハチでありながら、アシナガバチがスズメバチの捕食対象になっています。そのため、アシナガバチの巣の周りをスズメバチが飛んでいるようなことも多々あるのです。
アシナガバチだと思って駆除していると、どこからともなくスズメバチが飛んできて後頭部を刺されるなんて事もありえます。アシナガバチの駆除がほぼ終わったところで安心して防護服を脱ごうとすると、遠くで様子を見ていたスズメバチが飛んできて刺されることも。複数種類のハチが飛んでいる場合、近くに別の巣がある可能性も考えられます。
周囲にいるハチの量が想定できないため、別の種類のハチがいると思った時には安全のためにも駆除業者へ依頼しましょう。
大きなスズメバチが飛んでいる時
蜂の巣の周りを大きなスズメバチが飛んでいる場合、もしかするとそれはオオスズメバチかもしれません。特に山間の田舎では、家に出来た蜂の巣を襲うために山からオオスズメバチが出てくることがあります。もしオオスズメバチだった場合、駆除するのが大変なだけでなく、刺された時に大変なので自分での駆除は止めておきましょう。
珍しい話ですが、ごく稀に女王蜂をオオスズメバチと間違える可能性もあります。この場合も駆除業者へ依頼することがおすすめ。
女王蜂が移動しているということは、どこかに元の巣があって分蜂(ぶんぽう)してきている可能性があります。分蜂というのは、蜂の生活圏の中(巣の中)に新しい女王蜂が誕生したことにより、古い女王蜂が巣を出て別の巣を作ること。蜂が分かれていくため、”分蜂”と呼びます。
もし分蜂していると、女王蜂の周辺に雄蜂が群がってくる可能性が高くなります。女王蜂と雄蜂、働きバチが揃うと一気に大きな巣が作られていくため、女王蜂を見つけたら早急に駆除しなければいけません。
そのため、大きなスズメバチが飛んでいると思ったら、まずは駆除業者に確認してもらうのが良いでしょう。
高い位置に蜂の巣が出来た時
ハチは比較的高い位置に巣を作りがちです。玄関の軒下、カーポートの屋根、庭木の間などに作る場合が多いのですが、屋根の棟部分(屋根の一番高い場所)に巣を作ることもあります。どちらにせよ、大きな脚立が必要な高所作業です。
ハチ駆除は安全のために長袖長ズボン、防護服、防護ヘルメットを着用して行わなければなりません。防護服を厚着した状態では体も動かしにくいですし、防護ヘルメットを被っていると視界も非常に悪い。その状態で殺虫剤や粘着プレート、巣を落とすための道具を持って脚立を登っていくのはとても大変で危険な作業です。
もし足を踏み外してしまうと脚立から落ちて大事故に繋がりかねません。実際に私の所属する会社では数年前にハチ駆除の現場で脚立から落ちて大怪我をした先輩がいます。
万が一の事故も考えて、高い場所に蜂の巣が出来ている場合には害虫駆除業者へ依頼しましょう。高所作業専用の2連梯子や、スカイマスターという高所作業車を使用して、安全に配慮した作業を行います。
天井裏、床下などにハチが出入りしている時
蜂の巣が外に見当たらず、天井裏にハチが出入りしている場合、もしかすると家の天井裏に蜂の巣が出来ているかも。出入りしているハチの量が少なく見えても、実際に天井裏に入ってみると1mほどの超巨大な蜂の巣が出来上がっていることも珍しくありません。
天井裏は非常に狭く暗いため、懐中電灯を使用した駆除作業になるのですが、ハチは懐中電灯の光に寄ってきます。そのため、天井裏でハチ駆除を行うと、目の前が真っ暗になるくらい多数のハチに襲われながら駆除作業をすることになります。
駆除したハチをその場所に放置すると、その死骸を食べるために別の虫が湧いてしまう二次被害へつながります。なので、真っ暗の中でハチに襲われながらでも駆除した死骸は回収しなければならないのです。経験者だから言えることですが、あの天井裏のハチ駆除は素人には無理でしょう。
これは床下でも同じで、天井裏より狭い空間の中で、身動きも取れないような状態になりながらハチ駆除を行わなければいけません。ハチに襲われることはもちろん、殺虫剤の煙を吸って酸欠になる可能性もありますし、周囲が蜂蜜だらけでベタベタになっていることも。
駆除業者としても嫌煙するくらいの厳しい作業であるため、素人の方は自分で作業しないでおきましょう。
もしハチに刺されてしまったら
ハチ駆除をする時には万全な安全対策が必須ですが、どれだけ安全対策をしていたとしても刺されてしまうことがあります。衣服の隙間から入ってきたり、衣服の上から刺されたり、ヘルメットを外した瞬間に隠れていたハチに刺されたり…。
ハチの針には毒があります。一刺しで人が死んでしまうほどの猛毒ではないのですが、2回以上刺された場合にはアレルギー反応によるショック症状(アナフィラキシーショック)が起きる可能性があります。特にスズメバチは毒が強いため、もし刺された場合にはなるべく早く病院で診察を受けましょう。
ここでは、自分で駆除作業をしている時にもし刺されてしまった場合の対処法をご紹介します。
刺された箇所を摘んで毒を出す
ハチに刺された箇所はすぐに腫れてきます。比較的毒性の低いミツバチに刺された場合でもどんどん腫れていき、ジンジンとした痛みが数時間続きます。アシナガバチやスズメバチに刺された場合は、痛いというより熱いという方がイメージに違いかもしれません。
刺されたら、すぐに患部から毒を摘み出します。刺された箇所を指でグッと摘んで、中に入っている毒素を押し出しましょう。力一杯摘むと血が出ることがありますが、血が出るくらい思いっきり摘んで毒を搾り出す方が良いです。
指でつまむだけでなく、最近はポイズンリムーバーという毒を引き出すアイテムが売っています。万が一に備えて、そのようなアイテムを揃えておくのも重要ですね。
ただし、この時に間違っても口で毒を吸ったり、おしっこ(尿)をかけたりしないように注意。
口で毒素を吸うと口の中に毒素が入ってしまい、口がビリビリと痺れてくることがあります。また、ハチに刺された箇所におしっこをかけるようなシーンが昔のアニメなどで描写されたことがありますが、あれも止めましょう。確かにハチの毒素はアンモニアによって中和される可能性があるのですが、尿をかけることによって余計な菌が傷口に入り込む可能性があります。
なので、ハチに刺された時はすぐに刺された点をグッと摘んで毒素を絞り出しましょう。
患部を水で洗い流して冷やす
毒素が出ても出なくても、刺された後はすぐに患部を流水で洗い流しましょう。毒素が出てきた傷口を洗う意味もありますが、ハチに刺された箇所は熱く熱を持って腫れる可能性があるため、冷やすことも重要。もし流水がない場合は、水で傷口を洗ってから氷嚢などで冷やしておきます。
刺された後数時間は晴れと患部の熱が続くので、直後に冷やしただけでは治らないのですが、炎症を少しでも抑えるために流水で洗って冷やしておくことが重要です。
病院で診察を受ける
刺された患部が腫れるだけの局所的な症状であれば病院を受診しない方も多いのですが、出来れば自分では症状がひどくないと思ってもなるべく病院を受診しましょう。ハチ刺されは外傷ですが、毒が入っているため時間経過でどのような反応が出てくるか分かりません。
スズメバチなどに刺され、めまい、吐き気、呼吸困難、痺れなどの全身症状が発生した時にはすぐに病院を受診しましょう。この際、自分で運転できると思っても運転しないでください。必ず付き添いの方に運転してもらうか、周囲に運転できる人がいない場合は救急車を呼びましょう。
全身症状が出ている場合、毒素が回って急にアレルギー反応(アナフィラキシーショック)が出る可能性があり、もしショック症状が出ると意識を失う可能性もあります。最悪の場合は死に至る危険もあるため、必ず誰かに病院へ送ってもらうか、救急車を手配しましょう。
私が刺された時の話
私自身、スズメバチの巣を撤去するときに手で持ち上げた瞬間に指を刺されたことがあります。軍手の上から厚手の革手袋を2重で着けていたのですが、手を伸ばして生地がピンと伸びた一番薄い場所を狙われたようです。刺された瞬間は熱い鉄板に指が触れたような「熱っ!」という感覚で、すぐに指がパンパンに腫れていく感覚がありました。大事には至らなかったものの、しばらくは運転にも支障が出るほど手が腫れてしまいました。
また、別の現場でスズメバチの巣を確認しに行った時に、急に巣の中から1匹のハチが飛び出して来て首を刺されたことがあります。防護ヘルメットを着用していたのですが、駆除作業前の確認段階だったので完璧にテープで隙間を止めていなかったのです。その数センチの隙間を狙って飛んできて刺されました。
刺されてしばらくするとめまいと吐き気が激しく、病院へ行くとアナフィラキシーショックとの診断。その時に命に別状はなかったものの、アレルギー検査の結果、次に刺されると死亡する可能性も高いとのことです。
ハチ駆除は自分でも出来るが、基本的には業者へ依頼
ここで紹介したように、ハチはしっかりとした安全準備をすれば自分でも駆除可能。現実的に殺虫剤だけで駆除することは難しいのですが、粘着プレート等も上手に使うことができれば、その場のハチ駆除、巣の駆除、戻りバチの駆除という再発防止の3点セットが可能。
駆除作業時に長袖長ズボンはもちろん、防護服や防護ヘルメット、厚手の革手袋、長靴など安全装備で装備を固め、衣服の隙間はテープでしっかりと閉じておきましょう。ハチ駆除の手順も重要かもしれませんが、刺されないための安全対策は何より重要。
しかし、
- 巣の大きさが15cm以上になっている
- 6月〜9月の間に駆除する
- 別の種類のハチも飛んでいる
- 大きなスズメバチが飛んでいる
- 天井裏、床下にハチが出入りしている
といった場合には、自分で駆除を行わずに駆除業者へ連絡しましょう。上記以外で、ちょっとでも危険を感じるようなケースであれば、まずは駆除業者に相談して見積もりを取った方が良いでしょう。
駆除費用がもったいないと感じるかもしれませんが、自分で駆除するための防護服等の道具購入、もし刺された場合の病院診察料などを考えれば、依頼してしまった方が安いものかもしれません。