このページにはネズミの写真が表示されることがあります。
冬場に増えてくるネズミ被害。被害を抑えるためには駆除するのが一番効果的なのですが、ネズミと一言に言っても種類が多く、その種類によって特性が異なるため駆除方法も異なります。
そのため、効率的に駆除をするなら発生しているネズミの種類を特定する必要があるのです。使用する駆除アイテムは同じであることが多いのですが、種類を特定することによってより効率的に駆除が可能。ネズミの種類を特定してから作業することにより、このような悩みを解決できるでしょう。
こんなお悩みはありませんか?
- ネズミ駆除をしたいけど、どうすれば良いかわからない
- 殺鼠剤を置いているのに効果がない
- 粘着トラップで捕獲したいけど、全然捕まらない
- ちょっと収まったと思っても再発する
ネズミは大きく分けて一般住宅や商業施設に発生する家ネズミ(イエネズミ)と、山や野に生息する野ネズミ(ノネズミ)に分けられます。野ネズミは非常に種類も多いのですが、人間に対して害を与えてくることは稀。この記事では一般住宅や商業施設(ビル等)に発生する家ネズミについてご紹介します。
国内の住宅に発生する家ネズミは大きく分けて
- ドブネズミ
- クマネズミ
- ハツカネズミ
の3種類。家の中でネズミ被害に遭っている場合、この3種類のどれかが住み着いている可能性が高いです。それぞれ体の大きさも違えば、捕食する食べ物も違い、行動する範囲も異なります。
この記事ではネズミの種類と特徴、種類ごとの駆除方法についてご紹介します。ネズミ被害にあっているのであれば、種類を特定することによって早めに対処しましょう。実際のネズミの駆除方法については、下記の記事で詳しくご紹介しています。
住宅に発生するネズミの種類
世界的に見ればネズミは5,000種以上生息しているのですが、日本国内に生息しているネズミは31種類。そのほとんどは野生のものであり、一般住宅に侵入してくることはほぼありません。日本国内で一般住宅に侵入してネズミ被害を発生させるものは大きく分けて3種類。
日本国内で発生するネズミ
- ドブネズミ
- クマネズミ
- ハツカネズミ
ドブネズミは野生している可能性が高く雑食性であるため、主に繁華街に生息しています。逆にハツカネズミは体も小さく非常に警戒心の強いネズミであるため、住宅に侵入しても音に驚いて外へ出ていくことが多々ある種。一般住宅で最も被害が多いのがクマネズミ。ネズミ被害に遭っているものの種類が分からない場合、クマネズミと予想して対策するのが効果的でしょう。
ここでは、ドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミそれぞれの特徴についてご紹介します。
ドブネズミ | クマネズミ | ハツカネズミ | |
---|---|---|---|
性格 | 非常に獰猛。 警戒心が弱く、人間に対して襲いかかることも。 | 警戒心が強く、人目に付かない場所に生息する。 住宅の中でも人間の気配を察知すると物陰に隠れる。 | 警戒心は比較的弱く、人目に付かない場所に生息する。 人を恐れているため、基本的には山、畑などに生息しており、人が多い地域には出没しにくい。 |
好物 | 強い雑食性で何でも食べる。 動物性の食べ物を好むが、草、木、紙なども食べる。 | 雑食性で基本的には何でも食べる。 穀類や油を好み、住宅だとペットフードを食べに出没することも。 | 植物性の食べ物を好む雑食。 野菜、穀物、虫などを好んで捕食する。 |
体長、体重 | 体長:18cm〜26cm程度 体重:150g〜600g程度 | 体長:15cm〜20cm程度 体重:100g〜250g程度 | 体長:5cm〜10cm程度 体重:10g〜30g程度 |
体の特徴 | 非常に大型。 他の種に比べて耳が小さく、尻尾も短い。 全体的に褐色の体毛をしているが、腹部は薄い灰色。 | 比較的大きな体を持っていながら、体長よりも長いしっぽが特徴。 大きな耳を持っており、体はスリムなので体重は軽い。 全体的に褐色の体毛をしているが、腹部は白色。 | 一般住宅に発生するネズミの中では非常に小型の個体。 耳は大きく、体と同じか多少短いしっぽを持っているのが特徴。 |
寿命 | 2年〜3年 | 1年〜2年程度 | 約1年程度 |
繁殖力 | 生涯で5〜6回程度の分娩を行い、一回で約9匹の子ネズミを出産する。 妊娠期間は25日ほど。 | 生涯で5〜6回程度の分娩を行い、一回で約6匹の子ネズミを出産する。 妊娠期間は21日ほど。 | 生涯で6〜10回程度の分娩を行い、一回で約6匹の子ネズミを出産する。 妊娠期間は20日ほど。(妊娠期間が20日と短いことからハツカネズミと呼ばれている説も) |
生息場所 | 道の側溝、下水道など水が多くある場所。 商業施設内の台所、厨房、地下室、下水溝、ビルの比較的低層階など。 雑居ビルのごみ収集場所など汚れたものが多い場所。 | 一般住宅の天井裏、壁の中など狭い場所を好んで生息。 商業ビルや雑居ビルに生息することもあり、高層階まで駆け上がって建物の隙間に生息する。 | 山林付近の住宅内、物置、小屋、倉庫などに生息する。 人が少なく、野菜などの食料が豊富な場所を好む。 都心部でも生息しているが、建物内の狭い隙間の中に隠れていることが多い。 |
運動能力 | 泳ぎが得意で下水道や側溝の中を泳いで移動する。 逆に、壁を登るような垂直行動は不得意。 | 壁を登ったり、パイプや電線ケーブルの上を綱渡するなど運動能力が高い。 中には1mほどジャンプできる個体も。 | 小さな体を生かし、非常に素早く走り回る。 ケーブル(電線)や細いパイプの上を綱渡りして移動できるため、さまざまな場所から侵入してくる。 |
フンの特徴 | フンの大きさは10mm程度。 黒色、茶褐色の濃い色をしており、先が尖った太いフン。 | フンの大きさは5mm〜7mm程度。 褐色で細長い形をしている。 移動しながらフンをするため、フンがパラパラと散らばる。 | フンの大きさは約4mm〜8mm程度。 茶色で両端が尖った米粒のような楕円形。 |
鳴き声 | 「ギーギー」と太く大きな声で鳴く。 | 「キューキュー」「キーキー」と甲高い声で鳴く。 | 「キーキー」と甲高い声で鳴く。 |
それぞれ、種類別の詳細について以下にまとめています。
ドブネズミ|大型で獰猛なネズミ

性格 | 非常に獰猛。 警戒心が弱く、人間に対して襲いかかることも。 |
好物 | 強い雑食性で何でも食べる。 動物性の食べ物を好むが、草、木、紙なども食べる。 |
体長、体重 | 体長:18cm〜26cm程度 体重:150g〜600g程度 |
体の特徴 | 非常に大型。 他の種に比べて耳が小さく、尻尾も短い。 全体的に褐色の体毛をしているが、腹部は薄い灰色。 |
寿命 | 2年〜3年 |
繁殖力 | 生涯で5〜6回程度の分娩を行い、一回で約9匹の子ネズミを出産する。 妊娠期間は25日ほど。 |
生息場所 | 道の側溝、下水道など水が多くある場所。 商業施設内の台所、厨房、地下室、下水溝、ビルの比較的低層階など。 雑居ビルのごみ収集場所など汚れたものが多い場所。 |
運動能力 | 泳ぎが得意で下水道や側溝の中を泳いで移動する。 逆に、壁を登るような垂直行動は不得意。 |
フンの特徴 | フンの大きさは10mm程度。 黒色、茶褐色の濃い色をしており、先が尖った太いフン。 |
鳴き声 | 「ギーギー」と太く大きな声で鳴く。 |
ドブネズミはその名の通りドブの中に生息しているネズミ。体は非常に大きく、繁華街に生息する大型のドブネズミは猫やタヌキなどの小動物と間違われることも多々あります。
強い雑食性であるため人間が食べるものはもちろん、残飯、紙、虫、草、木などを食べることも。さらに非常に獰猛な性格をしており、食料を補食するためには建物の壁もかじって穴を開けてしまうことがあります。獰猛でありながら警戒心が弱いため、人間に対しても好戦的で、ドブネズミに噛まれるような被害も発生しています。
地方の一般住宅で見かけることは少ない種類ですが、都心部の繁華街にはたくさん生息しているネズミ。被害が拡大すると建物中をかじられる可能性もあり、もし建物内で増殖してしまうと解決するのが非常に困難になります。
体の特徴
体長 | 18cm〜26cm程度 |
体重 | 150g〜600g程度 |
特徴 | ネズミの中では非常に大型。 他の種に比べて耳が小さく、尻尾も短い。 全体的に褐色の体毛をしているが、腹部は薄い灰色。 |
他のネズミに比べて体長が大きく、体重も重い大型の種。ボテッとした体をしているため、繁華街で走っている姿を見るだけでドブネズミと判断できます。大きな体に小さな耳、短いしっぽをしているため、ネズミ以外の小動物と間違えられることも。
寿命と繁殖力
寿命 | 2年〜3年 |
繁殖可能時期 | 生後3ヶ月〜2年 |
妊娠期間 | 約25日 |
年間分娩回数 | 5〜6回 |
1回の産子数 | 約9匹 |
ドブネズミの寿命は2年〜3年程度であり、その生涯の間に5、6回の分娩を繰り返します。1回の出産で約9匹の子供が生まれるため、1匹のメスは生涯で50匹ほどの子ネズミを出産することになります。
ネズミは寿命が短いものの、その出産回数の多さと出産匹数の多さが特徴であり、非常に繁殖力が強い動物。ドブネズミは他のネズミに比べて特別繁殖力が強いわけではないのですが、生涯の間に50匹の子ネズミを出産し、その子ネズミも生後3ヶ月から繁殖を始めるためさらに増え続けます。
生息場所
生息場所 | 道の側溝、下水道など水が多くある場所。 商業施設内の台所、厨房、地下室、下水溝、ビルの比較的低層階など。 雑居ビルのごみ収集場所など汚れたものが多い場所。 |
巣を作る場所 | 土の中、木の植え込みの中など。 商業施設のボイラー室、ごみ収集場所など。 |
運動能力 | 泳ぎが得意で下水道や側溝の中を泳いで移動する。 逆に、壁を登るような垂直行動は不得意。 |
ドブネズミはその名の通りドブの中によく生息しています。他のネズミに比べて泳ぎが得意なネズミであるため、道の側溝や下水道の中を泳いで移動します。そのため、大型の体でありながら人間に見つからずに遠くまで移動することができるのです。
泳ぎが得意である反面、体が大きいため壁を登ったりする垂直行動は不得意。商業ビルや雑居ビルに侵入してくることがあるのですが、高層階に出没することは稀で、主に低層階に出没します。
フンの大きさ、形
フンの大きさ | 約10mm程度 |
フンの色 | 黒、茶褐色の濃い色 |
フンの特徴 | 先が尖っていて太いフン |
ドブネズミのフンは約10mm程度の黒いもの。フンの先は尖っており、通常の動物のフンの小型版のような形をしています。
建物の侵入口付近にフンをすることが多く、通風口や壁の隙間の付近にパラパラと10mm程度の分が落ちている場合、それはドブネズミが侵入している痕かもしれません。
鳴き声
他のネズミは比較的高い音で鳴くのに比べ、ドブネズミは「ギーギー」と太い声で鳴きます。
ネズミはチューチューとよく鳴くように思われている方も多いのですが、実はそれほど頻繁に鳴き声を上げるわけではありません。駆除作業をしている私でも鳴き声を聞いたことはあまりなく、捕獲したネズミが仲間に危険を知らせるために鳴いている時に聞いた程度。
クマネズミ|警戒心の強いネズミ

性格 | 警戒心が強く、人目に付かない場所に生息する。 住宅の中でも人間の気配を察知すると物陰に隠れる。 |
好物 | 雑食性で基本的には何でも食べる。 穀類や油を好み、住宅だとペットフードを食べに出没することも。 |
体長、体重 | 体長:15cm〜20cm程度 体重:100g〜250g程度 |
体の特徴 | 比較的大きな体を持っていながら、体長よりも長いしっぽが特徴。 大きな耳を持っており、体はスリムなので体重は軽い。 全体的に褐色の体毛をしているが、腹部は白色。 |
寿命 | 1年〜2年程度 |
繁殖力 | 生涯で5〜6回程度の分娩を行い、一回で約6匹の子ネズミを出産する。 妊娠期間は21日ほど。 |
生息場所 | 一般住宅の天井裏、壁の中など狭い場所を好んで生息。 商業ビルや雑居ビルに生息することもあり、高層階まで駆け上がって建物の隙間に生息する。 |
運動能力 | 壁を登ったり、パイプや電線ケーブルの上を綱渡するなど運動能力が高い。 中には1mほどジャンプできる個体も。 |
フンの特徴 | フンの大きさは5mm〜7mm程度。 褐色で細長い形をしている。 移動しながらフンをするため、フンがパラパラと散らばる。 |
鳴き声 | 「キューキュー」「キーキー」と甲高い声で鳴く。 |
日本国内のネズミ被害で一番多いのがクマネズミ。クマネズミは体が黒くしっぽが長いのが特徴であり、パッと見た目は非常にスリムな体をしています。「ネズミ」と聞いてイメージされる一般的なものがクマネズミと思って間違い無いでしょう。
クマネズミもドブネズミと同じく雑食性であるため、キッチンに置いてある食料だけではなく、残飯、生ごみなどを求めて住宅の中に侵入してくるのです。ドブネズミが住宅に侵入することは稀なのですが、クマネズミはちょっとした隙間から簡単に侵入してきます。
15cmほどの体長がありながら運動が得意なネズミであり、壁を登ったり、パイプを渡ったりして屋外から家の隙間を探して侵入してくるのです。扉の隙間だけではなく、屋根についている通気口、床下通風口、排水管、電線、エアコンパイプの穴などから侵入。家に侵入した後は主に天井裏や壁の中に生息して、人間の気配がないタイミングで室内に出没して食料を補食します。
警戒心が強いネズミであり、もし一般住宅に発生した時には駆除作業も大変です。殺鼠剤やトラップにも敏感に反応するため、生息している場所や行動範囲を把握した対策が必要。
体の特徴
体長 | 15cm〜20cm程度 |
体重 | 100g〜250g程度 |
特徴 | 比較的大きな体を持っていながら、体長よりも長いしっぽが特徴。 大きな耳を持っており、体はスリムなので体重は軽い。 全体的に褐色の体毛をしているが、腹部は白色。 |
クマネズミは小型のネズミと思われがちですが、成体は20cmほどの体調になることもあり、割と大きなネズミです。
黒くてスリムな体をしており、大きな耳が特徴的。さらに、体調と同じかそれより長いしっぽを持っており、よくイメージされるネズミのちょろちょろしたしっぽそのものです。
寿命と繁殖力
寿命 | 1年〜2年程度 |
繁殖可能時期 | 生後3ヶ月〜2年 |
妊娠期間 | 約21日 |
年間分娩回数 | 5〜6回 |
1回の産子数 | 約6匹 |
クマネズミの寿命は1年〜2年程度なのですが、その生涯の間に5、6回の分娩を行います。1回の出産で6匹程度の子ネズミが産まれるため、1匹のメスは生涯に30匹以上の子ネズミを産みます。
さらに、生まれた子ネズミも生後3ヶ月程度から繁殖が可能になるため、もし住宅の天井裏でクマネズミが繁殖してしまうと1年でとんでもない数に膨れ上がります。
冬の時期に発生するのが一般的ですが、暖かくなる春を待つのではなく、ネズミに気づいたらすぐに駆除作業を行いましょう。放っておくと家の中で繁殖してしまい、いざ駆除しようと思った時に駆除費用が数倍になってしまう可能性もあります。
生息場所
生息場所 | 一般住宅の天井裏、壁の中など狭い場所を好んで生息。 商業ビルや雑居ビルに生息することもあり、高層階まで駆け上がって建物の隙間に生息する。 |
巣を作る場所 | 天井裏や床下、壁の中などに巣を作る。 紙屑や木屑、段ボール、断熱材の切れ端等のゴミを固めて巣にする。 |
運動能力 | 壁や柱を登ったり、垂直方向への運動能力が高い。 中には1mほどジャンプできる個体も存在する。 |
クマネズミは基本的に屋外に生息しているのですが、寒さに弱いため秋から冬頃に寒さを凌ぐために一般住宅に侵入してきます。扉や壁の隙間から侵入してくることはもちろん、体が比較的スリムであるため建物の基礎周りに開いている通風口からも侵入してきます。
運動能力が高いため、壁をよじ登ったりパイプを駆け上がったりと垂直方向の動きが得意。電線を伝って家の屋根に侵入してきたり、エアコンの室外機から伸びているパイプを伝って隙間から侵入してくる可能性もあります。そのため、屋内でも床周りではなく天井裏や壁の中に潜むことが多いネズミ。
警戒心が強いため人の気配がなくなった夜間に行動し、人が出したゴミなどを天井裏へ持ち帰って巣にします。天井裏、壁の中などは断熱材もたくさんあるため、そういったものをかじって集めることによって大きな巣を形成するネズミです。
フンの大きさ、形
フンの大きさ | フンの大きさは5mm〜7mm程度。 |
フンの色 | 黒色、もしくは褐色系 |
フンの特徴 | 細長い形をしている。 移動しながらフンをするため、フンがパラパラと散らばる。 |
クマネズミのフンは5mm〜7mm程度の小さなもの。移動しながらフンをするため、クマネズミが行動している範囲内はパラパラとフンが散らばっているような状態になります。フンが落ちている範囲はクマネズミの生活範囲となっている可能性が高く、駆除する際には有効なラットサインとなります。
細長い形をしているためコウモリと間違われることがあるのですが、コウモリのフンはネズミと違って中央がねじれたような形をしています。さらに、コウモリはクマネズミと違いまとめてフンをすることが多く、一箇所にフンが固まっている場合はコウモリの侵入を疑って良いでしょう。
鳴き声
クマネズミはよくイメージされるネズミのような体をしているのですが、アニメのような「チュー」という鳴き声ではありません。さらに、成体のクマネズミはほとんど鳴くことがありません。
クマネズミは「キューキュー」、「キーキー」という高い音で鳴きます。もし天井裏や壁の中から「キューキュー」という鳴き声が聞こえた場合、その付近にクマネズミの巣が作られている可能性があります。もし変わった鳴き声が聞こえた時には、ネズミ駆除業者へ連絡して調査してもらうのが良いでしょう。
ハツカネズミ|小型で繁殖力の強いネズミ

性格 | 警戒心は比較的弱く、人目に付かない場所に生息する。 人を恐れているため、基本的には山、畑などに生息しており、人が多い地域には出没しにくい。 |
好物 | 植物性の食べ物を好む雑食。 野菜、穀物、虫などを好んで捕食する。 |
体長、体重 | 体長:5cm〜10cm程度 体重:10g〜30g程度 |
体の特徴 | 一般住宅に発生するネズミの中では非常に小型の個体。 耳は大きく、体と同じか多少短いしっぽを持っているのが特徴。 |
寿命 | 約1年程度 |
繁殖力 | 生涯で6〜10回程度の分娩を行い、一回で約6匹の子ネズミを出産する。 妊娠期間は20日ほど。(妊娠期間が20日と短いことからハツカネズミと呼ばれている説も) |
生息場所 | 山林付近の住宅内、物置、小屋、倉庫などに生息する。 人が少なく、野菜などの食料が豊富な場所を好む。 都心部でも生息しているが、建物内の狭い隙間の中に隠れていることが多い。 |
運動能力 | 小さな体を生かし、非常に素早く走り回る。 ケーブル(電線)や細いパイプの上を綱渡りして移動できるため、さまざまな場所から侵入してくる。 |
フンの特徴 | フンの大きさは約4mm〜8mm程度。 茶色で両端が尖った米粒のような楕円形。 |
鳴き声 | 「キーキー」と甲高い声で鳴く。 |
ハツカネズミは非常に体の小さいネズミで、主に田舎に生息している種です。都心部に生息している個体もいるのですが、クマネズミほどの数はおらず、ごく少数。植物性の食べ物を好んで捕食するため、都心部の繁華街などよりは郊外の民家に侵入してくる可能性が高くなります。
体は茶色や灰褐色(グレー)系の色をしており小型であるため、クマネズミやドブネズミの幼体と間違われることもあります。しかし、他のネズミに比べて頭が小さく胴体が丸いのが特徴。頭が小さいため、1cm程度の隙間があれば難なく侵入してきます。
小型であるものの繁殖力が強く、妊娠期間が20日と短いことからハツカネズミと名付けられたという説も。寿命は約1年ほどと他のネズミに比べると短いのですが、生涯のうちに6回〜10回も分娩を行うため、ちょっと発生すると短期間で急激に増殖してしまいます。
体の特徴
体長 | 5cm〜10cm程度 |
体重 | 10g〜30g程度 |
特徴 | ネズミの中では非常に小型。 耳が大きくしっぽが短い。 他のネズミに比べると頭部が小さいため、全体的に丸いフォルム。 体の表面は茶色か灰褐色(グレー) |
ハツカネズミは非常に小型のネズミであり、体長は大きくても10cmほど。成体でもハガキ程度のサイズしかありません。
体が小さく軽いというのが特徴なのですが、特に頭部が他のネズミに比べて小さいのが特徴です。体は丸く頭部が小さいため、頭が通るような小さな隙間であれば侵入してきます。1cm程度の隙間なら難なく侵入してしまうのです。
寿命と繁殖力
寿命 | 約1年〜1年半程度 |
繁殖可能時期 | 生後1ヶ月〜 |
妊娠期間 | 約20日 |
年間分娩回数 | 6〜10回 |
1回の産子数 | 約6匹 |
ハツカネズミはネズミの中でも繁殖力が強いネズミです。
寿命は1年〜1年半ほどと他のネズミに比べて短いのですが、生後1ヶ月ほどから繁殖が可能。生涯で6回〜10回の分娩を行い、1回の分娩で6匹ほどの子ネズミを出産します。さらに生まれたネズミは1ヶ月ほどすると繁殖し出すので、まさにねずみ算的に増殖してしまいます。
他のネズミに比べて妊娠期間も少し短く、20日ほどの妊娠期間を経て出産します。この20日の妊娠期間からハツカネズミと名付けられている説も。
生息場所
生息場所 | 山林付近の住宅内、物置、小屋、倉庫などに生息する。 人が少なく、野菜などの食料が豊富な場所を好む。 都心部でも生息しているが、建物内の狭い隙間の中に隠れていることが多い。 |
巣を作る場所 | 建物の天井裏や壁の隙間、物陰の隙間など狭いところに巣を作る。 基本的に屋外に生息しているネズミであるため、小屋や倉庫の物陰などに巣を作るケースが多い。 |
運動能力 | 小さな体を生かし、非常に素早く走り回る。 ケーブル(電線)や細いパイプの上を綱渡りして移動できるため、さまざまな場所から侵入してくる。 |
都心部での生息はクマネズミほど多くなく、主に田舎(山林地域)に生息しているネズミ。野菜や穀物を好んで捕食するため、そういった食べ物が多い場所で、なおかつ自分の身が隠せる物置や倉庫、小屋などに生息します。
体が小さいため、扉や壁の隙間からだけではなく、電線を伝って屋根から屋根へ移動して侵入してくることもあります。田舎だと、建物の2階天井裏から急に物音がした時にはハツカネズミを疑っても良いでしょう。1階からではなく、2階屋根の隙間から侵入している可能性があります。
フンの大きさ、形
フンの大きさ | 約4mm〜8mm程度。 |
フンの色 | 茶色 |
フンの特徴 | 両端が尖った米粒のような楕円形。 |
ハツカネズミは体が小さいためフンも非常に小さいものです。4mm〜8mm程度で米粒のような形をしており、ホコリに紛れていると見逃してしまうほど。
鳴き声
ハツカネズミはほとんど鳴くことがありません。しかし、ごく稀に仲間に危険を知らせる時などに「キューキュー」「キュッ、キュッ」と鳴くこともあります。
ネズミの種類別!駆除のコツ
もし自宅や職場でネズミ被害に遭っている場合、早急に駆除しなければいけません。上でも紹介した通り、ネズミは繁殖力が非常に強いため、天井裏や壁の中に生息したネズミを放置していると大繁殖する可能性があります。
一般住宅やビルなどに発生する家ネズミ(イエネズミ)を駆除する場合、ネズミの種類が違ったとしても駆除の手順自体は大きく変わりません。
ネズミ駆除の方法
- ラットサインから侵入口を探す
- ネズミの生活範囲の各所に殺鼠剤を設置する
- 殺鼠剤の捕食を確認した1週間後に粘着トラップを設置する
- 殺鼠剤を増設する
- 被害が収まったら侵入箇所を塞ぎ、忌避剤を設置
- 二次被害が発生しないように屋内全体を殺虫処理
この記事ではネズミ駆除の方法ではなく、ドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミのそれぞれのネズミを駆除する際の注意点にフォーカスしてご紹介します。ネズミ駆除の詳しい手順や注意点については、下記の記事をご覧ください。
それぞれのネズミには異なる特性があるため、その特性に合わせた駆除を行わなければなかなかネズミ被害は収まりません。ここでは、ネズミの種類に応じた駆除方法の注意点をご紹介します。
ドブネズミは侵入口をネズミ防除専用アイテムで塞ぐことが重要
ドブネズミは大型のネズミですが警戒心が弱いため、殺鼠剤を設置するとしっかりと食べてくれます。もし殺鼠剤を食べたドブネズミが死ぬのを見たとしても、その殺鼠剤に対して警戒心を持たずに他のドブネズミも食べてくれるのです。
さらに、殺鼠剤を食べたドブネズミは高血圧になることから判断能力が衰え、粘着トラップにも捕まってくれます。ドブネズミは殺鼠剤をよく食べ、粘着トラップにも捕まりやすいため捕獲駆除しやすいネズミと言えるでしょう。
しかし、ドブネズミで気を付けるポイントはその顎の強さ。壁面の木製パネルはもちろん、劣化しているコンクリートも自慢の前歯で噛み砕いて侵入してきます。侵入口を簡単なパネルや金タワシのようなもので塞ぐ程度では不十分。
もし侵入口を見つけた場合にはしっかりとネズミ防除専用のアイテムで塞ぐようにしましょう。ドブネズミでも穴を空けられないようなアルミのパンチングパネルを貼り付け、歯がかかりそうな四隅にはネズミ忌避剤が含まれた防鼠パテを練り込むのが効果的。
再発がないか定期的に確認
ドブネズミはその力強さから、塞いだ侵入口を突破してくることも多々あります。私が担当した現場でも、飲食店の勝手口ドアが複数回にわたって破壊されました。ステンレスのドアサッシ部分をかじって曲げ、その隙間から侵入してきていたのです。侵入口を完璧に塞いだと思っても、力づくで侵入してくる可能性があります。
警戒心が弱いため捕まりやすいネズミなのですが、警戒心が弱いからこそ人間の匂いや忌避剤を察知しても関係なく侵入してしまいます。そのため、ドブネズミを駆除した時には再発していないか定期的に確認しましょう。
クマネズミを駆除する時には人間の匂いが付着しないように注意
クマネズミは非常に警戒心が強いネズミであるため、もし人間の匂いがするとその場所に寄り付かなくなってしまいます。
以上のようなポイントに注意して、駆除アイテムそのものだけではなく、クマネズミの行動範囲に人間の匂いが付着しないように注意すべきです。
もし殺鼠剤に人間の匂いが付いていると食べなくなりますし、粘着トラップに匂いが付いているとその場所を避けて通るようになります。さらに、自分の行動範囲(縄張り)に人間の匂いがすると行動範囲を変えてしまうため、駆除自体が困難になることも。ネズミは非常に匂いに敏感な生き物なので、駆除作業を行うときには人間の匂いが付着しないように気をつけましょう。
匂いが付かないように注意できるポイント
- 殺鼠剤、粘着トラップを触る時には手袋を着用
- 天井裏に入る時には、洗剤なしで洗濯した服に着替える
- 香水や柔軟剤の匂いがしない状態で作業
- 殺鼠剤や粘着トラップの周辺で汗をかかない、素手を触れない
ハツカネズミは殺鼠剤による早期対応が重要
ハツカネズミは非常に好奇心旺盛なネズミであるため、もし発生したとしても殺鼠剤と粘着トラップを使用して駆除可能。いつもの行動エリアに急に現れた殺鼠剤も気にせず食べてくれますし、粘着トラップがおいてあったとしてもそのまま捕まってくれます。
しかし、上でも述べている通りハツカネズミは非常に強い繁殖を持っているため、早期対応を逃すと一気に増殖します。さらに、ハツカネズミは気まぐれで行動範囲(縄張り)を変えることがあるため、同じ場所にトラップを設置しても不意に捕まらなくなることがあります。
もしリビングの天井裏に生息していたのに、急に寝室の天井裏に住処を変えられてしまうと、気付かないうちに寝室の天井裏で大繁殖する可能性があるのです。ハツカネズミを駆除する時にはいつまでも同じ場所に対して対策するのではなく、状況に合わせた早期対応が何よりも重要です。
繁殖力が強いネズミであるため、巣ごと駆除する殺鼠剤をメインとした駆除がおすすめ。
ネズミの種類に合わせた駆除を
住宅に発生する家ネズミは大きく分けて以下の3種類。
日本で発生する家ネズミの種類
- ドブネズミ
- クマネズミ
- ハツカネズミ
ドブネズミは体が大きく、性格も非常に獰猛なネズミ。強い雑食性であり、肉や魚はもちろん、人間が出したゴミや草、木、虫など幅広いものを捕食するため、屋内へ侵入してキッチンを荒らすこともしばしば。強靭な顎を持っているため、木製の板はもちろん、金属やコンクリートブロックなどもかじって穴を開けてしまいます。
クマネズミは日本国内で一番多く被害が報告されている種であり、非常に警戒心が強いのが特徴。人間が出した生ごみを漁ったり、キッチンに収納されている食べ物を狙って侵入してきます。嗅覚が非常に優れているため、もし駆除する時にはネズミの行動範囲(縄張り)に人間の匂いが付着しないように注意が必要。
ハツカネズミは家ネズミの中では一番小型の種であり、多くは山間部などの田舎に発生します。小さな体を生かした運動能力の高さが特徴で、壁を駆け上ったり、ケーブルを伝ったりして高所から小屋や倉庫に侵入してきます。主に野菜や穀物を捕食するため、特別大きな被害に発展しないこともあるのですが、繁殖力が非常に強いため放置していると大繁殖してしまいます。
もしネズミの種類が分からない場合、まずはクマネズミだと思って対処すれば問題ないでしょう。粘着トラップに捕まったネズミを確認するだけではなく、私たちネズミ駆除のプロはかじられた跡や殺鼠剤の食べ方などからネズミの種類を特定し、その種類に合わせた駆除を行います。