ハチ駆除

害虫駆除業者が教えるハチ駆除におすすめのスプレー殺虫剤6選!殺虫剤の選び方から駆除の方法までご紹介!

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害虫駆除業者が教えるハチ駆除におすすめのスプレー殺虫剤6選!殺虫剤の選び方から駆除の方法までご紹介!

春から夏の時期にかけてハチを見かける家庭も多いでしょう。秋頃には蜂の巣が大きくなり、気付いた頃には大量のハチが飛び回っていることも…。ハチは軒下や庭木の中に巣を作ることが多く、毎年、一般家庭でもハチに刺される被害が多数発生しています。

そんな時に自分でハチ駆除をされる方も多いはず。大型の蜂の巣になってしまうと駆除業者のような防護服を着て、ハチ防備をした上での駆除が必要となります。しかし、直径15cm以下程度の蜂の巣であれば個人で駆除することも可能です。

自分で駆除される場合は専用の道具を使い、最新の注意を払って駆除してください。ハチに刺されると刺された箇所が腫れたり熱が出るだけではなく、最悪の場合はアナフィラキシーで死に至る可能性もあります。

そこで、今回はハチ駆除に使える殺虫スプレーを駆除業者の視点でご紹介します。私たち駆除業者もハチ駆除の現場ではスプレータイプの殺虫剤を使うことも多く、市販されているものでも十分にハチを殺虫する効果があります。この記事では

  • ハチ駆除に使える殺虫スプレーの選び方
  • 駆除の方法
  • 使用する際の注意点
  • 大型の蜂の巣を駆除する方法

についてご紹介しています。蜂の巣ができている時、一つ一つ確認しながら安全に注意して蜂の巣駆除を行いましょう。自分でハチ駆除をする場合の方法と準備物に関しては、こちらの記事で詳しくご紹介しています。

このページが参考になる人

  • 蜂の巣の場所が分かっている or ハチが集中している場所が分かっている
  • 蜂の巣の大きさが15cm以下
  • 駆除時期が7月以前の期間

もし蜂の巣が15cm以上になっていたり、ハチが生息している場所がわからないのに大量のハチが飛んでいる場合などは、駆除業者へ駆除依頼しましょう。アシナガバチや小規模のスズメバチであれば良いのですが、隠れた場所に大きな巣が出来上がっていたり、飛んでいるのがオオスズメバチだったりすると大変。刺されると最悪の場合アナフィラキシーショックにより死に至る可能性もあります。

ハチ駆除用スプレーの選び方

ハチ駆除用のスプレーはドラッグストア、ホームセンター、インターネットなどさまざまな場所で市販されており、簡単に手に入れることができます。価格も数百円〜千数百円程度と安価に販売されているため、個人の方でもハチ駆除の際に利用しやすいもの。

しかし、たくさんの種類が販売されているため、状況や用途、ハチの種類にあったスプレーを選ぶことが重要です。屋外を飛んでいるハチを駆除したいのか、すでに蜂の巣ができていて巣を駆除したいのかによって駆除の仕方は大きく異なります。

巣を駆除する場合でも、蜂の巣が出来る場所は様々ですし、ハチの種類によって巣の形も異なります。巣やハチの状況によって効果的なスプレーを選ばなければ駆除に時間がかかるだけでなく、ハチを刺激してしまい攻撃される可能性もあります。

市販されている殺虫スプレーは蜂の種類や巣の状況によって細かく分かれているわけではないため、駆除業者の視点で効果的な蜂駆除スプレーをご紹介します。

スプレー型殺虫剤で「エアゾール」と表記されている商品がありますが、エアゾールというのはガスの圧力で内容物が霧状に噴射されるものを言い、スプレータイプのものをまとめてエアゾールと呼びます。そのため、今回紹介する商品に関しては基本的にエアゾール殺虫剤となりますが、この記事では分かりやすく「スプレー」と表記しています。

ピレスロイド系成分が含まれているスプレーを選ぶ

ハチ駆除をする場合、ピレスロイド系の殺虫剤を使用しましょう。ピレスロイド系殺虫剤にはピレトリンという殺虫成分を含んでおり、多くの殺虫剤で使用されています。ゴキブリ駆除で使用されるような殺虫スプレーもピレスロイド系殺虫剤が多いため、ハチ駆除の際にゴキブリジェット等を使用することも可能。

ピレスロイド系殺虫剤は天然殺虫成分であるピレトリンとよく似た化合物であり、その殺虫成分は即効性が非常に高く、素早く移動しているハチに対して効果的。飛んでいるハチを即死させるまでの急毒性はないのですが、巣に止まっているハチを駆除するのには有効です。

さらに、ピレスロイド系殺虫剤は人間やペットなど哺乳類に対しての安全性が高いとされているため、個人の方でも安心して使用できます。哺乳類や鳥類が吸入してしまったとしても、酵素で分解されることによって体外へ排出されます。ラット実験も行われており、経口摂取したとしても5日〜7日で95%が体外に排出されています。

しかし、爬虫類・両生類・魚類に対しては毒であるため、もしそういったペットを飼われている方はケージを移動する、フタをしておく等の対応が必要です。

なるべく噴射距離、噴射時間が長いものを選ぶ

ハチ駆除を行う際、一番怖いのはハチに刺されること。そのため、可能であればなるべく蜂の巣から離れた位置からスプレー散布を行いたいところですね。

その点、ハチ駆除用スプレーは噴射距離が記載されているものが多く、その他一般的な殺虫剤に比べて噴射距離が長く設計されています。噴射距離が短いものを選んでしまうと、それだけハチが生息している巣に近づいて処置が必要になります。もし巣の場所が分かっている場合、巣までどの程度の距離があるかを事前に確認しておきましょう。

中には10m以上遠くまで噴射できるマグナムタイプもあるため、ほとんどのケースで対応できるでしょう。しかし噴射距離が長いものは価格が高いだけでなく、噴射時間が短いものが多くなります。そうなると、ある程度の本数を用意しなければいけないため、お財布事情と相談して決めましょう。

長距離噴射のものを何本も購入するくらいなら、駆除業者へ依頼した方が安く済むケースもあります。アシナガバチであれば数千円〜1万円程度で駆除依頼できる可能性もあり、一度見積もりだけ取ってみるのも一つの方法です。

植物に悪影響がないものを選ぶ

蜂の巣が植木の中に作られている場合、使用する殺虫剤が植物に悪影響を与えないかも確認すべきです。市販されているもののほとんどは植物に対しての影響はないのですが、ホームセンターで販売されているものの中には殺虫成分が強力なものもあるため確認しておきましょう。

おすすめしているピレスロイド系殺虫剤は基本的に植物に対しての影響はないとされていますが、念のために移動できる植木鉢やプランターは殺虫剤がかからない場所へ移動しておきましょう。

蜂の巣が出来ている樹木に対しては大量に殺虫剤をかける必要がありますし、駆除後の予防として全体に殺虫剤をかけておくのがおすすめ。かなりの量を散布するので、もしかすると散布箇所が部分的に枯れてしまう可能性があります。

スズメバチ・アシナガバチにも対応しているものを選ぶ

市販されているハチ駆除殺虫剤には、対象となる蜂の種類がよく記載されています。日本の一般家庭に発生するハチはスズメバチ、アシナガバチ、ミツバチの3種類。もしそれ以外のオオスズメバチなどが発生している場合は大変危険なので、自分で駆除することは諦めて駆除業者へ相談しましょう。

発生しているハチがスズメバチなのに、スズメバチに対応していない殺虫スプレーを使用してもちゃんとした効果を得られない可能性があります。ミツバチには対応しているのに、スズメバチやアシナガバチを駆除するほどの力がない殺虫剤も存在します。

といっても基本的な殺虫成分はピレスロイド系なら同じで、含まれている成分がちょっと違ったり、噴射力が異なる程度です。さらにトラロメトリンという殺虫成分は持続効果があるため、戻りバチを予防する時に効果的です。

おすすめハチ駆除スプレー殺虫剤6選

ここでは、害虫駆除業者として働く私がおすすめできるハチ駆除スプレー殺虫剤をご紹介します。実際、私たちプロも市販のスプレー殺虫剤を使用することは多々あります。スズメバチの駆除は専用の燻煙剤を使用して行いますが、アシナガバチを駆除する時や、逃げ出したハチ、戻りバチを駆除する際には殺虫スプレーも使用します。

ハチ駆除スプレー殺虫剤に含まれている成分は大きな差がないのですが、噴射距離や噴射時間、対象となる蜂の種類などの違いがあるので、それぞれご紹介します。駆除対象にあったものを選びましょう。

アース製薬ハチアブマグナムジェット

噴射距離最大12m
噴射時間約45秒
内容量550ml
有効成分ピレスロイド系(フタルスリン、モンフルオロトリン、ビフェントリン)
持続効果約1ヶ月
使用方法蜂の巣から3m〜4m離れた距離から10秒〜30秒噴射

ハチアブマグナムジェットはドラッグストアやホームセンターでもよく売られている有名なハチ駆除スプレー殺虫剤。最大12mの噴射力を誇るため、窓から身を乗り出して遠くの蜂の巣を狙い撃ちできます。マグナムジェットという名前の通り、一直線に噴射されるジェットが特徴です。

グリップを起こしてトリガーを握ることで殺虫剤を噴射するタイプであり、片手で使用できるのが使いやすいポイント。アシナガバチ、スズメバチに対応しているため、高い場所に巣を作られた時にも使用可能。有効成分として含まれているモンフルオロトリンは即効性が高い殺虫成分であるため、周囲を飛び回るハチを弱らせる効果も期待できます。

実はこのハチアブマグナムジェットは私も現場でよく使います。主にアシナガバチを駆除する際、巣に戻ってくる戻りバチを駆除するのに使用。

アース製薬ハチアブスーパージェット

噴射距離最大11m
噴射時間約35秒
内容量455ml
有効成分ピレスロイド系(フタルスリン、モンフルオロトリン、ビフェントリン)
持続効果約1ヶ月
使用方法蜂の巣から3m〜4m離れた距離から10秒〜30秒噴射

こちらの製品もホームセンターやドラッグストアで手に入るハチ駆除スプレーです。基本的には上で紹介しているマグナムジェットと同じ成分が含まれているのですが、内容量が少し少ないのと、噴射距離が1mだけ短いのが違いです。内容量が少ないため、噴射時間も10秒ほど短い。容量が少なくなっていますが、アシナガバチだけでなくスズメバチにも効果があるため使いやすいスプレーです。

マグナムジェットとの大きな違いは使用すると時の持ち方。マグナムジェットはトリガータイプになっているため長時間の噴射が楽なのですが、こちらのジェットは通常のスプレータイプ。

アース製薬スズメバチマグナムジェット

噴射距離最大12m
噴射時間約45秒
内容量550ml
有効成分ピレスロイド系(フタルスリン、モンフルオロトリン、イミプロトリン、ビフェントリン)
持続効果約1ヶ月
使用方法風上となる3m程度離れた所から噴射しながら巣に近づき、1m程度離れた場所から巣穴の中に10秒以上噴射

こちらの製品はスズメバチを駆除することに特化したマグナムジェット。ハチアブマグナムジェットと同じく、最大12mの噴射距離がありながら、容量が550mlであるため45秒ほどの噴射時間があります。さらに、反撃阻止、即効性、致死効果に優れた5種類の有効成分が配合されていることにより、スズメバチの駆除に対して優れた殺虫剤になっています。

即効性があるタイプなのですが、スプレーが吹きかかることですぐにスズメバチが駆除できるわけではありません。弱らせて飛び回りにくくすることはできるのですが、このスプレーがサッとかかるだけで落ちるわけではないため、しっかりと安全対策等の防御も必要。

フマキラーハチ・アブバズーカジェット

噴射距離最大12m
噴射時間約32秒
内容量550ml
有効成分ピレスロイド系(フタルスリン、トラロメトリン)
持続効果約1ヶ月
使用方法蜂の巣から3m〜4m離れた距離から10秒以上噴射

殺虫剤では有名なフマキラーから発売されているハチ・アブバズーカジェットもピレスロイド系のハチ駆除スプレー。アース製薬のものと同じく速効殺虫成分が含まれていることはもちろん、羽ばたき停止成分行動停止成分がプラスされているため、飛んでいるハチを羽ばたきにくくして落とす効果があります。ハチの動きをすばやく止めて逃げないようにすることによって、安全に駆除ができる製品。

ハチの動きを止めるような表現がされていますが、スプレーがかかっただけで完璧にハチが落ちるわけではありません。パッケージにも表現されている通り、アシナガバチの駆除には活躍するでしょう。

アシナガバチは巣の中身が剥き出しになっているため、常に巣の周りにハチがくっ付いています。ちょっと刺激すると一斉に飛び立って襲ってくるため、最初にハチ・アブバズーカジェットを全体に塗布し動きを鈍くしておくのがおすすめ。

住友化学園芸ハチアブエアゾール

噴射距離最大11m
噴射時間約30秒
内容量480ml
有効成分ピレスロイド系(モンフルオロトリン、メトフルトリン、シラフルオフェン)
持続効果約3ヶ月
使用方法ハチから3m程度離れた所で風上から風下に向かって噴射。

ハチアブエアゾールは植物に優しいハチ用殺虫剤であり、庭木や生垣の中に巣を作られている場合に活躍します。ピレスロイド系の殺虫剤は基本的に植物に対しての悪影響がないとされていますが、使用する量や範囲によっては悪影響が出ることはゼロとは言い切れません。その点、このハチアブエアゾールは植物に優しい殺虫剤をウリにしている商品。

さらに、羽ばたき停止成分が配合されているため、飛び去るハチを落とす効果があります。庭木の中に出来たアシナガバチを駆除する際、普通の殺虫剤だとあたり一面にアシナガバチが逃げて大変ですが、この殺虫剤を使用すればハチが落ちやすくなるので少しは簡単に駆除出来ます。

ただ、効果がる対象昆虫の中にスズメバチの記載がないため注意が必要。スズメバチに効かないと言うわけではないのですが、スズメバチを駆除する場合は別のものを使用した方が安心でしょう。

業務用ハチノックV

噴射距離3m
噴射時間約30秒
内容量480ml
有効成分ピレスロイド系(d・d-T80 プラレトリン)
持続効果-
使用方法ハチから3m程度離れた所で風上から風下に向かって噴射。

ハチノックは業務用のハチ駆除スプレーです。他のものに比べると噴射距離が3mと狭く、噴射時間も30秒と短いのでちょっと心許ない印象があるかもしれません。

しかし、ハチノックに含まれているピレスロイド系成分のプラレトリンは、ハチに対して非常に即効性の高い成分。そのため、巣に向かって噴射できれば周囲にまとわりついているハチをそのまま駆除できます。噴射時間が短いため、駆除する時には4、5本購入しておくと安心でしょう。

他のハチ駆除スプレーと比べるとやや価格が高いのですが、業者でも利用するほどの効果があるためおすすめです。噴射距離だけではなく噴射範囲も狭いため、小さな巣を駆除する時に役立ちます。

自分でハチを駆除する方法

ハチ駆除の際、いきなり巣に向けて殺虫剤を噴射する様子をSNS等で見かけることがありますが、そのような方法は避けるべき。急に巣に向けて殺虫剤を噴射すると驚いたハチが巣から逃げてしまったり、あなたに向かって襲いかかってくる可能性があります。

自分でハチ駆除をしたい場合、次のステップに沿って作業しましょう。

ハチ駆除の順序

  • 防護服を着用
  • 巣の場所を確認(作業場所を確認)
  • 巣に殺虫処理
  • 粘着トラップで飛び回るハチを捕獲
  • 巣を落として殺虫剤塗布

ハチ駆除は刺される可能性も高く非常に危険な作業。少しでも安全に駆除できるよう、害虫駆除の視点で駆除方法をご紹介します。

ハチ駆除の方法について詳しくはこちら

防護服を着用

ハチ駆除を行う際、面倒でも防護服はちゃんと着用しましょう。簡易的な防護服はインターネットでも販売されているため、そういった防護服を購入してから駆除作業を行うのがおすすめです。

アシナガバチだから、そこまでしなくて大丈夫でしょ。

という方がおられるのですが、アシナガバチも十分に毒を持っているハチですし、アシナガバチを襲うためにスズメバチが周囲に潜んでいる場合もあります。もし殺虫剤を噴射されたことに驚いてスズメバチが飛んでくると大変。長袖長ズボン、レインコート等を着用することも有効なのですが、可能であればちゃんとハチ用防護服を購入しましょう。

防護服に身を包んだら、首、手首、足首等の露出しやすい場所をガムテープで養生しましょう。ハチは衣服にしがみついて隙間から侵入してくることがあります。私も駆除作業をしているときに手首から侵入したハチに手を刺された経験があるため、隙間からの侵入には要注意。

巣の場所を確認(作業場所を確認)

防護服を着用したら、蜂の巣がある場所を確認しましょう。飛んでいるハチはしばらくすると巣に戻っていくので、もし巣の場所がわからない時には少し離れた場所から観察してみましょう。飛んでいく先をじっくりと見ると巣が分かるかもしれません。私たち駆除業者も、巣が見当たらない時にはハチが飛んでいく先を追っかけて巣を探します。

巣を駆除するのではなく、飛んでいるハチをその場で駆除しようとする方もいるのですが、飛んでいるハチを殺虫剤で駆除しただけでは不十分。巣には飛んでいる何倍ものハチが潜んでおり、外で仲間が攻撃されたことを察知して一斉に襲いかかってきます。さらに、外へ働きに出ているハチもおり、飛んでいるハチを駆除しただけでは翌日には今以上にたくさんのハチが飛んでいるでしょう。

そのため、ハチ駆除をする時にはしっかりと巣を確認して巣を駆除する必要があります。

蜂の巣ができる場所

  • 家の軒下
  • 庭の樹木の中
  • ベランダのふち

上記のような場所に蜂の巣が作られることが多いため、ハチが飛んでいる時には優先的に確認しましょう。ハチ駆除をする=蜂の巣駆除をすることと覚えておきましょう。

しかし、市販されているハチ駆除スプレーの中には「巣に対して使用しないでください。」と記載されているものもあるため、購入される際には注意してください。

巣に殺虫処理

巣を見つけたら、巣に対して殺虫処理を行います。しかし、スズメバチとアシナガバチでは巣の形が大きく違うため、それぞれに合った駆除方法が必要。もし間違ってスズメバチの巣を壊してしまったりしたら大変。

スズメバチの巣を駆除する方法

スズメバチの巣

スズメバチの巣は一箇所に穴が空いたボールのような形をしています。成長途中の巣はトックリ(お酒が入ってる容器)のような形になっていたり、大きく変形してひょうたんのような形になっていたり、とその形は様々。ただ、一箇所に出入りするための穴が空いていることは共通しているため、ボール型で穴が空いている巣はスズメバチと見て間違いありません。

スズメバチの巣を駆除する場合、出入り口となっている穴に対して殺虫剤を注入します。大量のハチが出てくると怖いかもしれませんが、基本的に出入り口はその一箇所。そのためしっかりと出入り口に殺虫剤を噴射し続ければ駆除することが可能です。

と言ってもハチは次々に出てきて逃げていくハチもいます。そのようなハチを全て殺虫剤で駆除することは不可能であるため、粘着トラップを活用して捕獲駆除します。ネズミ駆除に使用されるような粘着トラップが市販されているため、そのトラップを広げて振り回すことによって捕獲駆除できます。

一通りのハチを駆除できたら、スズメバチの巣を撤去して巣のあった場所に殺虫スプレーを吹きかけます。この記事で紹介しているような殺虫スプレーを使用すれば、巣を作りにくい環境を作る成分が含まれているため、1ヶ月〜3ヶ月ほどは予防効果が期待できます。

アシナガバチの巣を駆除する方法

アシナガバチの巣

アシナガバチの巣はお椀をひっくり返したような形をしており、スズメバチのような殻に囲われてはいません。そのため、パッと見た目でも複数のハチが生息していることがわかるでしょう。

スズメバチは巣に空いている穴に向けて殺虫剤を噴射すれば駆除出来ますが、アシナガバチは巣が覆われていないため巣全体に殺虫剤を噴射する必要があります。巣の付近にいるハチに対してまとめて殺虫剤を噴射しなければいけないので、殺虫剤を噴射した途端にハチが飛び立っていきます。

そのため、ハチ・アブバズーカジェットやハチ・アブエアゾールのように羽ばたき停止成分が含まれた殺虫剤がおすすめです。これはハチの羽根に作用して羽ばたきにくくするものであり、殺虫剤がかかったハチは地面に落ちていきます。一瞬スプレーがかかっただけで殺虫することは難しいのですが、スプレーの効果によって羽ばたかなくなれば駆除するのも簡単になります。

スプレーを吹きかけるとハチが飛び立とうとするので、スズメバチと同じく粘着トラップで捕獲駆除します。アシナガバチはスズメバチほど攻撃的に襲ってくるわけではなく、遠くに逃げて後から戻ってくるハチがいます。そのため、駆除作業後も30分ほどは戻り蜂に注意しましょう。

大方の駆除が完了したら、巣を撤去して巣のあった場所に殺虫スプレーを吹きかけておきます。アシナガバチは巣が付いている柱が残りやすいため、しっかりと撤去してから広い範囲に殺虫スプレーを吹きかける必要があります。

粘着トラップでハチを捕獲

ハチ駆除をしている際に殺虫剤を吹きかけると、どうしても逃げて飛び立ってしまうハチがいます。中にはそのままどこか遠くへ逃げていくハチもいるのですが、ほとんどのハチは数分すると巣に戻ってきます。これを戻り蜂というのですが、戻り蜂をしっかり駆除しておかなければハチ被害が再発してしまいます。

駆除したと思って安心していても、翌日になると同じ場所に大量のハチが飛び回っているようなこともあります。刺激されたハチが怒って攻撃的になり、人間を襲おうと待っているのです。

そのようなハチを駆除する際にスプレーで駆除するのは不可能です。いくら即効性が高いと言っても、飛んでいるハチ全てをその場で殺虫できるほどの猛毒はありません。

そこで活躍するのが粘着トラップ。ネズミを捕獲する用の粘着トラップを広げ、その粘着面で飛んでいるハチを捕獲駆除します。手で持って駆除するのが怖い場合、粘着トラップを棒につけて振り回すことでも捕獲できます。私たち駆除業者もこの方法で戻り蜂を駆除しています。粘着トラップを一生懸命振り回しているので、側から見ると滑稽な感じがしますが、この方法が確実に早く駆除できるのです。

バトミントンラケットで叩き落とす方法も

粘着トラップではなく、バトミントンラケットで叩き落として駆除することも可能です。ハチは衝撃に弱いため、ラケットで思い切り叩けばその場で殺虫可能。大量にハチが飛んでいる場合、ラケットを振り回すだけでほとんどのハチを叩き落とすこともできます。

しかし、叩き落としたハチを回収しなければいけませんし、叩く力が弱いとハチが死なずに襲いかかってきます。ラケットをブンブン振り回していると、防護服の袖口に隙間が空いてしまうこともあり、その隙間から刺される可能性があります。

そのため、私たち駆除業者としてはラケットで叩き落とす方法よりも粘着トラップで捕獲駆除する方法をおすすめします。

巣を撤去して殺虫剤塗布

戻り蜂の駆除まで完了したら、巣を撤去します。直径15cm程度までの巣であれば手で簡単に撤去できるでしょう。しかし、中には異常に固くくっ付いている巣もあり、そのような場合は長い棒で叩き落とし、金属製のヘラを使って巣がついていた場所を削り取ります。

全て完了したら、巣があった場所には忘れずに殺虫剤を塗布します。飛んでいるハチも全て駆除したと思っても、外に働きに出ているハチがいます。その蜂達が巣に帰ってきた時、巣が無くなっていると巣があった場所に固まる習性があるのです。そうなると再発の可能性もあるため危険。

この記事で紹介した殺虫スプレーは巣が再発しにくくなる予防成分が含まれているため、殺虫剤の持続力が長いタイプ。種類によって1ヶ月〜3ヶ月ほどの予防効果があるため、巣があった場所に満遍なく殺虫スプレーを散布することによって再発を防ぎます。

ハチ駆除を行う際の注意点

直径15cm程度までの巣であれば、個人でも駆除することが可能。

しかし、そもそもハチには毒性があるため刺されると大変。特にスズメバチの毒は強くて、刺された箇所が腫れるだけではなく、発熱やめまいが起きることもありますし、最悪の場合にはアナフィラキシーショックを引き起こして死に至る可能性があります。私自身、スズメバチに2度刺された経験があり、アナフィラキシーショックで病院へ運ばれたこともあります。

そこで、個人でハチ駆除を行うときに気を付けるべきポイントについて、害虫駆除業者の目線でご紹介します。

防護服を着用して作業する

まず一番大事なのが防護服。

防護服なんて持っていないし、どこで売ってるかも分からない。
そもそも、高いものなんじゃないの?

と思われるかもしれませんが、ハチの防護服はネットでも売っており、比較的安価に手に入れることができます。個人でアシナガバチの駆除を行う程度であれば、10万円以上するにような本格的な防護服を購入する必要もありません。楽天やAmazonで販売されている養蜂用の防護服でも十分効果があります。

殺虫スプレーは最低3本用意する

ハチ駆除に使用するスプレーは噴射距離が長く設計されている反面、噴射時間が短くなります。マグナムタイプのものは比較的噴射時間が長いのですが、それでも45秒ほど。

ハチ駆除を行うときには巣に対して殺虫剤を噴射することはもちろん、飛んで戻ってくる戻り蜂を駆除する必要もありますし、巣を撤去した後には再発しないように殺虫剤を予防塗布しなければいけません。そのため、短くても2分程度の噴射時間がなければ駆除作業ができません。

駆除作業を始めてしまうと、途中で中断して買い物に行くことはできません。防護服を着ている場合は駆除作業が終わらなければ着替えも大変。駆除作業中に急に殺虫剤がなくなって焦らないように、駆除前にはスプレーを最低3本は用意しておきましょう。

捕獲用の粘着トラップを併用する

ハチ駆除を行う際、殺虫スプレーだけで駆除するのは不可能に近いもの。巣に対してだけでなくとも、殺虫剤を噴射し始めるとハチが驚いて一斉に飛び立ちます。作業前には少数だと思っていたものの、作業を始めると巣の中からウジャウジャと出てくる可能性もあります。

そう行ったとき、飛び回るハチを殺虫スプレーだけで駆除することは難しいのです。いくら即効性が高い殺虫スプレーであったとしても、さっとスプレーがかかっただけで即死するようなものではありません。

スズメバチは時速30km~40kmという非常に速い速度で飛んでいます。素早く飛んでいるハチを狙って、十分な量の殺虫スプレーを吹きかけることは至難の業。さらに、危機を感じたハチは人間に向かって一直線に襲ってくる可能性もあります。そんなときに殺虫スプレーだけで対応するのは非常に危険。

粘着トラップ(プレート)を持っていれば、飛んでいるハチを捕獲することもできますし、こちらに向かってくるハチを粘着面で捕獲することもできます。粘着トラップは手で持てるため、自分の近くへ飛んでくるハチをそのまま捕獲できるのが大きなポイント。何よりも身の安全を守るために粘着トラップは必須なのです。

もしハチが想像以上に多く、自分の周囲をブンブン飛びだした時にも、粘着トラップを持っていれば振り回すことによって捕獲可能。バトミントンラケットで叩き落とす方もいますが、持ち手があることによってリーチが長いため、リーチ範囲内に入ってきたハチを退治できません。安全面を考えると粘着トラップを用意しておくのがベストです。

殺虫スプレーは2秒〜3秒程度噴射すると効果的

市販されているハチ駆除スプレーは即効性が高いものであっても、ハチに対して2秒〜3秒程度噴射しなければ効果がありません。さっとかかった程度では駆除効果がないため、落ち着いてしっかりと狙って対処するべきです。

2秒というと短く感じるかもしれませんが、飛んでいるハチに対して2秒間スプレーを噴射するのは至難の業。猛スピードで飛んでいるハチに対してスプレーを噴射するため、スプレー噴射しながらハチを追いかける必要があります。と言ってもスプレーの噴射時間は30秒〜45秒程度なので、ちゃんと考えて使用しましょう。

殺虫剤が効果を発揮する時間については殺虫剤によって異なるため、駆除作業前にスプレーに記載されている注意事項をしっかりと読んでおきましょう。

使用する時間帯や場所についても注意が必要

ハチ駆除で気をつけるべき環境

  • 火気厳禁!火の気がない場所で駆除作業を行う
  • 風下に立たず、風上から作業する
  • 夕方、夜〜早朝にかけての時間に実施

ハチ駆除は基本的に夕方〜夜、早朝にかけての時間で行いましょう。巣の中にちゃんとハチが入っていて、働きバチも休んでいる時間帯に駆除するべきです。ハチが少ない時間帯に駆除したいと思うかもしれませんが、そうすると外出していたハチが戻ってきて巣が再発する可能性もあります。

また、スプレーを使用するので火気厳禁。周囲に火の気がないか確認してから作業しましょう。さらにスプレーから噴射した殺虫剤を吸い込まないよう、風上から作業するのがおすすめです。風下から作業すると殺虫剤を吸い込んでしまうだけでなく、スプレーがしっかりと届かずに効果を出せない可能性もあります。

スズメバチは駆除業者へ依頼した方が安心

もし駆除対象のハチがスズメバチであった場合、基本的には害虫駆除業者へ依頼した方が良いでしょう。市販されているハチ駆除スプレーはスズメバチに対応していると記載されているものも多いのですが、スズメバチは非常に獰猛で人間を敵視すると一直線に襲ってきます。

スズメバチの巣はボール型に出入り口用の穴が空いているような形をしており、ちゃんと穴から殺虫剤を注入することができれば駆除は比較的簡単。殺虫剤で巣の中にいる成虫や幼虫を一網打尽に出来ます。しかし、もし駆除作業中に巣が囲われている殻を崩してしまったら大変。大量に潜んでいたスズメバチがあちこちから出てくるため、一気に襲われます。

スズメバチはアシナガバチやミツバチに比べて毒性が高く、刺されるとアナフィラキシーショックを起こす可能性もあります。アナフィラキシーショックを起こすと呼吸困難になることもあり、最悪の場合は死にいたる恐ろしいショック症状。自身の安全のためにも、スズメバチ駆除は専門家へ依頼しましょう。

15cm以上の大型の蜂の巣は専門業者へ依頼を

この記事ではハチ駆除に使用できるスプレーを害虫駆除の業者目線でご紹介してきました。市販されているハチ駆除スプレーでも、噴射距離、噴射時間、含まれている成分など様々な種類が販売されています。

対応しているハチの種類も記載されていますが、基本的にアシナガバチもスズメバチも効果的な成分は同じ。ピレスロイド系の殺虫スプレーを使用しておけば人体にも害が少なく、効果的に駆除が可能です。

しかし、もし駆除したいと思っている蜂の巣が直径15cmを超えている場合、害虫駆除業者へ依頼しましょう。15cmを超える巣は中に大量の蜂が潜んでいる可能性があり、もし駆除に失敗した時に一斉に襲われる可能性があります。無闇に危険を犯さずに駆除業者へ依頼するのも一つの方法。

また、殺虫スプレー1本だけでハチ駆除はできないため、駆除作業をする時には3本〜5本程度のハチ駆除スプレーを買っておきましょう。1本2,000円のスプレーを5本購入するとそれだけで1万円。一回の作業で駆除できれば良いのですが、もし失敗して2回、3回と駆除作業を行うくらいであれば、最初から害虫駆除業者へ依頼した方が安く済むのです。

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