家の中に侵入してくるだけでなく、時には衣服にくっ付いて、ちょっと刺激を受けると悪臭を放つカメムシ。小さな昆虫であるため、直接家の中に侵入して来ることもありますし、衣服に付着したまま知らぬ間に室内へ持ち込んでいる可能性もあります。
近年は秋頃に大量発生して、ニュースに取り上げられるほどの大きな問題に。もし家の中や近くでカメムシを発見したのであれば要注意。大量発生したカメムシが集団で家の中に侵入してくる可能性もあります。
ちょっとした刺激で悪臭を放つため、見つけたからと言って手で拾って捨てることも出来ませんし、もし手や衣服にニオイが付いてしまうとなかなか取れません。小さな子供がいる家庭では殺虫剤で駆除することも難しく、もし子供のところに飛んでいってしまうとパニックになることも。
そこで今回はカメムシの対策方法、駆除方法、付着した臭いを取る方法について、害虫駆除業者である私がご紹介します。カメムシを見つけてもパニックにならず、ゆっくりと落ち着いて捕獲すれば臭いを受けずに駆除可能。さらに、発生時期に合わせて基本的な対策を施しておけば、住宅への侵入を防ぐことも出来ます。
カメムシとは?

カメムシはカメムシ目・カメムシ亜目に属する昆虫のことを呼びます。カメムシという特定の種類の虫がいるのではなく、カメムシという大きな部類に属している昆虫のことをカメムシと呼んでいるのです。刺激すると臭いにおいを放つことから、地域によっては「屁こきムシ」「へっぴりムシ」と呼ばれることもあります。
カメムシ目にはたくさんの種類がおり、国内でも1,400種類以上のカメムシが確認されています。ツヤアオカメムシやクサギカメムシと呼ばれる種類がメジャーであり、近年は大量発生がニュースにもなっています。
カメムシのニオイの原因
カメムシはちょっとでも刺激を受けると、自分の身を守るために「トランス-2-ヘキセナール」というアルデヒド類を主成分とした分泌液を放出します。足の付け根付近にある臭腺と呼ばれる器官から分泌される液体であり、カメムシが危険を感じた時に敵を威嚇したり自分の身を防御するために放出されます。
ニオイの素となっている「トランス-2-ヘキセナール」は植物の草や葉と同じ成分であるため、カメムシに触れてしまうと青臭いニオイがします。
この分泌液には複数種類の油に溶けやすい成分(親油性)と、水に溶けやすい成分(親水性)の両方が含まれているため、ただ水で洗っただけではニオイは取れません。水洗いでは親油性の成分が洗い流せないのです。オリーブオイル等の油で洗い流してから、界面活性剤入りの洗剤を使用して水洗いするのがおすすめ。
分泌液に触れると炎症を起こす可能性もあるため要注意
カメムシの分泌液はただ臭いだけではなく、人間の手に触れると炎症を起こす可能性もあります。赤くヒリヒリと痛んだり、腫れたりするなど、皮膚の炎症が起きることもあるため要注意。
分泌液が付いたかどうかはニオイで判断出来るため、もし手にニオイが付いているようであれば顔などに触れないように気をつけつつ、オリーブオイルや食器用洗剤、ハンドソープを使用して洗い流しましょう。
カメムシが自分のニオイでショック死することも
カメムシは自分の身を守るために臭いを放つ(分泌液を出す)のですが、時にはそのニオイで自分がショック死してしまうことも。離れた場所にいる人間でも避けるくらい臭いにおいなので、ニオイを発している自分自身も相当なダメージを受けるのでしょう。
カメムシの種類
カメムシと言ってもその種類は非常に多く、日本国内でも1,400種以上のカメムシが生息しています。
種類 | 体長 | 特徴 |
---|---|---|
クサギカメムシ | 約15mm | 焦茶色の体をしており、小さな斑点がある。日本全国に生息しているが、関東より北側に多く発生する。 |
ツヤアオカメムシ | 約15mm | 体は鮮やかな緑色で艶があるのが特徴。光を好む習性があるため、照明が付いていると近寄ってくる。 |
スコットカメムシ | 約10mm | 光沢のある茶色の体をしており、山などの涼しい場所を好んで生息する。 |
アオクサカメムシ | 約15mm | 鮮やかな緑色の体をしたものが多く、中には黄色味がかっているものも。平地に多く生息する。 |
チャバネアオカメムシ | 約10mm | 光沢のある黄緑色の体に茶色い羽を持った種で、越冬する個体も増えている。 |
マルカメムシ | 約5mm | 名前の通り丸い体をしており、河川敷や空き地に生息する。 |
クモヘリカメムシ | 約15mm | 細長い体をしており、緑色の体に茶色い羽を持つ個体。稲の害虫。 |
イネカメムシ | 約12mm | 茶褐色の体をしており、稲の害虫として被害が多い。 |
住宅地でよく見られるのはクサギカメムシ、ツヤアオカメムシ、スコットカメムシ、アオクサカメムシなど。どれも体調は20mm以下の個体が多く、ちょっとした隙間から家の中に侵入してしまいます。どの種も2mm程度の隙間があれば侵入できると言われているため、窓や網戸の隙間から簡単に侵入してきます。
よくカメムシというと茶色いものを想像されるかもしれませんが、緑色のものや丸い形のものも存在します。緑色や黄色の体に茶色っぽい羽が生えた個体を見つけた時、カメムシと疑わずに触ってしまうとニオイ成分を分泌して手や服にニオイがついてしまうことも。
カメムシの産卵
カメムシが大量発生する理由の一つとして、その産卵サイクルが挙げられます。多くのカメムシは寿命が約1年半程度であり、その短い期間の間に何回も産卵を繰り返します。
自身が生まれた翌年の梅雨ごろ(5月〜8月)の間に産卵を行うのですが、卵塊(らんかい)と呼ばれるカメムシの卵は一箇所に数十個ほどを産みつけます。かたまりで産卵するため卵塊(タマゴのカタマリ)と呼ばれるのです。
カメムシの卵は産卵後1週間から10日ほどで孵化します。一生のうちに3〜5回ほど産卵するため、梅雨時期から秋にかけて数十匹の赤ちゃんカメムシが10日おきに誕生してくるのです。去年までカメムシを見なかったような場所でも急に大量発生するのには、この産卵から孵化までのスピードも関係しています。
カメムシの特徴

カメムシは田舎で多く発生し、農作物を食べる害虫です。小さな体であるため野菜や果物をかじって全て食べてしまうことはないのですが、カメムシにかじられて傷跡が付いてしまったり、米の場合は斑点米になって米自体の価値が下がってしまったりと経済的なダメージが大きいもの。
基本的に人へ危害を加えるようなことはないのですが、自身の身に危険が迫ると臭腺から青臭いニオイがする分泌液を放出します。
カメムシが好む食べ物
カメムシは植物や野菜など幅広い作物を好んで食べる昆虫。葉をムシャムシャと食べるというよりは、茎や葉の中に口を差し込んで汁を吸います。梨、大根、かぼちゃ、ピーマン、大豆、などから米の稲、草、花、庭木まで幅広い植物を捕食します。
成虫になったカメムシは農作物を食べるために移動してくるため、近くに畑や田んぼがある地域や、家庭菜園をしているようなお家は要注意。カメムシが大量発生する可能性もあります。
カメムシが好む環境
カメムシは日光が当たる暖かい場所を好みます。そのため、日当たりの良い場所に干してある洗濯物はカメムシが好む状態になっており、洗濯物に紛れてカメムシが室内へ侵入してしまう可能性もあるのです。
さらに白い色を好んで飛んでいくため、白い洋服を着ているとカメムシが寄って来やすくなります。夏場から秋頃にかけて白い服を外に干している場合、カメムシが付いている可能性もあるため洗濯物を取り込むときにはカメムシが付いていないか確認するようにしましょう。
カメムシは洋服だけではなく、住宅の壁や車にも近寄ってきます。白い壁や白い車はカメムシが寄ってくる可能性があるため要注意。窓を開けていると入り込む可能性があるため、暖かい時期でも窓を開ける際には注意しましょう。
悪臭を放つ分泌液を出す
カメムシの一番の特徴はそのニオイ。刺激を受けると身を守るため足の付け根付近にある臭腺から臭いニオイがする分泌液を出します。これは外敵から身を守るために取るカメムシの防衛本能なのですが、実はそのニオイがキツすぎてカメムシ自身がショック視してしまうことも…。
もし服にカメムシが付いていたことに驚いて手で払ってしまうと、その分泌液が手や衣服に付着してしまい取れなくなることもあります。この分泌液は親油性と親水性の両方の特性を持っているため、水で洗っただけでは取れないのです。油で洗い流してから界面活性剤を使用して水洗いしなければ、ニオイを完全に取ることは難しいでしょう。
カメムシが発生する原因

カメムシは餌を求めて集団移動する習性があり、食べ物を求めて住宅街などの生活圏内に出てくることによって大量発生します。
地球温暖化や異常気象もカメムシ大発生の原因と言われていますが、本当に関係性があるかは定かではありません。
5月〜8月に産卵する
カメムシは約1年半という短い寿命の昆虫なのですが、5月〜8月の3ヶ月〜4ヶ月の期間に一気に産卵を繰り返します。1匹のメスは一生のうちに3回〜5回ほどの産卵を行い、1度の産卵で数十個の卵を産み落とします。
カメムシの卵は一つ一つ産みつけるのではなく、卵塊(らんかい)と呼ばれるように塊で産みつけられます。一箇所に数十個の卵をギュッと凝縮して産卵するため、もし家の近くに卵を産み付けられてしまうと大変。1週間〜10日ほどで孵化し始め、一箇所の卵塊から数十匹のカメムシの赤ちゃんが生まれてきます。
3〜4ヶ月の間に3〜5回の産卵を繰り返すため、1匹のメスは一生の間に数十匹〜100匹以上の赤ちゃんを産むのです。産卵から孵化までの期間も1週間ほどと極めて短く、もし近所にカメムシが生息していると急激に大発生する可能性があります。
カメムシは暖かく日当たりの良い場所を好むため、5月〜8月の夏時期にはベランダやバルコニー、玄関などの近くにある植物は要注意。葉っぱの裏にカメムシがびっしりと卵を産み付けている可能性があります。もしカメムシの卵を見つけたらガムテープなどでくっ付けて撤去し、ビニール袋に入れて捨てましょう。
秋(9月〜11月)に集団移動する
生まれたカメムシは秋頃(9月〜11月)になると食料を求めて集団移動を始めます。カメムシは越冬する昆虫であるため、本格的に寒くなる前に食料を確保しておかなければいけないのです。なので、秋ごろになると急に移動し出します。
天気の良い日に集団移動を始めるのですが、もしこの時に一般住宅の近くで食料を見つけるとその場所に住み着いてしまうのです。時には家の中に入り込んで家の中に住み着いてしまうケースも…。集団移動している時期はカメムシが侵入してくる可能性が高いため、要注意です。
畑の農作物を狙って移動する
カメムシは成虫になるとエサとなる農作物を探して移動を始めます。大きな樹木(杉、ヒノキなど)の実もカメムシの好物であり、山側で木の実がたくさん成っている時にはカメムシも山に潜んでいます。木の実が不作の年は他の食べ物(稲、果物、野菜など)を求めて、人が住んでいるような地域まで移動してくるのです。
しかし、逆に山の木の実がたくさん出来ている年もカメムシが木の実を求めて移動していると言われることがあり、必ずしも関係性があるとは言い切れないのが現状です。
カメムシは木の実や果物、野菜、稲(米)を食べるため、そういった餌となるものを求めて移動することで大発生ニュースになっている可能性が高いですね。
カメムシ注意報・カメムシ警報
実はカメムシの発生状況を知らせるカメムシ注意報、カメムシ警報というものがあります。天気予報の大雨注意報、大雨警報と同じように、警報が出ると大量発生の合図。
これは農林水産省が各都道府県の病害虫防除所と協力して発令しているものであり、天気や農作物の生育状況、有害動物(有害昆虫)の発生状況をもとに分析しています。有害動物(有害昆虫)の発生を予測するような情報となるため、この注意報、警報をもとに農業現場では対策を実行します。
カメムシ注意報、警報はその名の通りでカメムシの発生を予測する発信なのですが、あくまでも農地(農作物を育てているエリア)に対してのものです。そのため、一般住宅があるような市街地での発生とは必ずしも関係性があるわけではないので注意が必要。
カメムシの予防対策方法

カメムシは日当たりが良い暖かい場所、さらに白い物を好む習性があります。普通に生活しているとほとんどの場所が当てはまり、カメムシが寄り付かない環境を作り出す方が難しいかもしれません。
それほどどこでも発生する可能性があるカメムシですが、カメムシは2mmの隙間があれば住宅の中にも侵入してきます。体が薄い昆虫であるため、ちょっとした隙間でもスルスルと入り込んできてしまうのです。
カメムシが侵入しやすい場所
- 家の周りの庭木や雑草から
- 窓、網戸、エアコン排水ホース
- 取り込んだ洗濯物にくっ付いている
屋外にたくさん潜んでいる害虫であるため、ちょっとしたことで室内に侵入してしまいます。殺虫剤で駆除することは出来るのですが、見つけた後に殺虫剤を使用しても、殺虫剤の驚いて臭いニオイを噴出されてしまう可能性があります。そのため、日常のふとした動作や住宅環境に注意して根本的に侵入を防ぎましょう。
外の草を除草する
カメムシは草木や果物、野菜を食べるために住宅付近に近寄ってきます。木の実を求めて山へ集団移動することもあるのですが、もし木の実が見つからない場合には住宅に生えている雑草を食べるために移動してくるのです。
そのため、カメムシを発生させたくない場合は庭の雑草をちゃんと除草しておきましょう。大きな木が生えているご家庭はしょうがないかもしれませんが、もし木を育てている場合にはちゃんと手入れしておくべきです。樹木に対して影響の少ない殺虫剤も販売されているため、そういった殺虫剤や防虫剤を塗布しておくのもおすすめ。
落ち葉やゴミをそのままにしない
ベランダやサンルーム、家の周りの犬走りに落ち葉やゴミが溜まっている家庭は多いでしょう。落ち葉やゴミもカメムシが好む環境であり、乾いた場所にはカメムシが入り込んで生息する可能性があります。
落ち葉が重なっているような場所があると、その葉っぱの裏に卵を産みつけられる可能性もあるため、家の近辺にある落ち葉やゴミはなるべく早く捨てましょう。
窓サッシ、網戸、エアコン排水ホースなどの隙間を無くす
家の外に発生したカメムシは、窓や網戸の隙間から侵入してきます。カメムシは2mm程度の隙間から侵入できるため、窓サッシに少しでも隙間が空いていると、その隙間から侵入してきます。
網戸がついている窓の場合、網戸と窓枠の隙間にも気をつけましょう。網戸は窓との隙間が開かないように隙間ブラシがついているのですが、中途半端に網戸を開けていると隙間ブラシと窓の間に隙間が開いてしまいます。もし網戸を使用する場合、しっかりと隙間ブラシが網戸サッシと窓の隙間を塞いでいるかを確認しましょう。
エアコンには屋外に排水ホースがついています。これはエアコンが稼働した時に発生した水分(結露)を屋外に排水するためのもの。エアコンを動かしていない時にはただの管になっているため、そこからカメムシが侵入してくる可能性もあります。
窓、網戸の開け方にも注意
窓や網戸のサッシには隙間防止のパッキンが付いています。しかし、これは窓を全開にした場合と全閉した場合に隙間を埋めるような形になっていることがほとんど。もし中途半端に半分だけ網戸を開けたりしていると、パッキンが密着せず隙間が開いてしまいます。
構造的に隙間パッキンを機能させるためには、窓を全開にしてから網戸をしっかりと閉めるようにします。こうすることによって窓枠に付いているパッキンが窓枠と窓の隙間を埋めてくれ、虫の侵入を防いでくれるのです。しかし、このパッキンが劣化している場合もあるので、夏前には窓周りの確認をしましょう。
夏前には窓や網戸の隙間が開いていないか、窓と網戸を開け閉めして確認しましょう。もし隙間が開いている場合にはネットで購入できるような隙間テープで塞いでおくのがおすすめ。
夏場の白い洗濯物は取り込む前に確認
夏から秋頃にかけてカメムシは集団移動を始めます。そんな時、家の外に洗濯物を干している家庭は要注意。カメムシは日光の当たる暖かい場所と、白いものを好みます。つまり、晴れた日に外で干している白い衣服にはカメムシが引き寄せられてくるということ。
洗濯物をそのまま取り込んでしまうと、カメムシが紛れて一緒に室内へ侵入してくる可能性があります。さらに、もしそのまま服を畳んでクローゼットにしまってしまうと、衣服の隙間に押しつぶされたカメムシがクローゼットの中で悪臭を放つ可能性も。もしそんなことになると、周囲の衣服までカメムシ臭が付いてしまい大変なことに…。
夏場に外で洗濯物を干している家庭は、取り込むときにカメムシがついていないかしっかり確認してから取り込みましょう。もしカメムシがついている場合、洗濯物をフラフラと揺らしてカメムシが飛んでいくように仕向けましょう。間違っても叩いて刺激してしまうことのないように注意。
ハッカ系の防虫忌避剤を窓際に設置する
カメムシをはじめとする多くの昆虫はハッカやミントの香りを嫌います。市販されているようなミント系の虫忌避剤はカメムシにも有効。
カメムシちゃんアウトやは殺虫剤を使用したものではなく、ハッカの匂いがする香り袋になっているため小さなお子様やペットのいる家庭でも安心して使用できます。袋状になっており、玄関やベランダ、窓などに吊るすことによってカメムシの侵入を防止できます。
屋外に設置するのも効果的なのですが、窓からの侵入を防ぎたい場合には窓の近くに設置しましょう。忌避剤は匂いを漂わせることによって虫を寄せ付けないものなので、匂いが分散してしまう屋外よりも、侵入口となる窓に設置しておくのが効果的。
匂いの持続期間は商品によって異なりますが、使用期限が近くなってきたら取り替えましょう。夏場〜秋頃にかけて1、2回取り替えておけば大きな被害を防げるでしょう。
外壁、窓、玄関に殺虫剤を散布する
殺虫剤にはその場で虫を駆除する即効性と、吹きかけた場所に殺虫剤が残る残効性があります。そのため、カメムシを駆除する目的ではなく、予防する目的で殺虫剤を散布しておくのも効果的。
- 窓とサッシの隙間
- 玄関ドアの枠
- 外壁の谷になっている場所
- ベランダの手すり
などに殺虫剤を吹き付けておくことによって、カメムシの侵入を防ぐことができます。
特にピレスロイド系の殺虫剤は残効性が高く人体への危険性が低い殺虫剤として、たくさんの種類が市販されています。スプレーの種類によりますが、スプレーを塗布しておけば1週間〜1ヶ月ほど防虫効果を発揮してくれます。
室内電気をLEDに変更する
昆虫は照明の光に集まってきます。夜間、街灯にたくさんの虫が集まっているのを見かけたことがあるでしょう。もし家の窓から灯りが漏れていると、あれと同じ現象が起きて虫が集まってきてしまうのです。カメムシも例外ではなく、照明の光に引き寄せられて集まってきてしまいます。
虫は光そのものに集まっているのではなく、照明から発せられている紫外線を目指して集まってきます。一般的な電球からは紫外線がたくさん出ているため、室内電灯をLED電球に変更すれば紫外線の放出量を抑えることが可能。LEDに変えるだけで虫の発生を抑えることができるのです。
私たち駆除業者は、工場などで大規模な害虫駆除を行う場合、まずは電灯をLEDに変えてもらうようおすすめしています。駆除の際に虫の発生数を調査するのですが、電灯をLEDに変えるだけで虫の数が10分の1に減った事例もあります。
LED電球は楽天やAmazon等のネットショップでも販売されており、簡単に購入できます。自宅の電球を外して適合するものに取り替えておきましょう。
カメムシの駆除方法

カメムシを見つけた場合には焦らずゆっくり対処することが重要。もし焦ってカメムシを手で払ってしまったりすると、カメムシが驚いて悪臭を放つ分泌液を出す可能性があります。
衣服についていた場合
- カメムシが付着している場所を触らないようにゆっくり服を脱ぐ
- ガムテープをそっと被せてカメムシを捕獲する
- ビニール袋に入れて口を縛って捨てる
カメムシ自体は人体に甚大な危害与えるような危険性はないのですが、何より問題になるのはそのニオイ。ニオイを発しないためにも焦らずそーっと対応するのが何より重要です。間違っても手で触ったり、叩いたり潰したり、掃除機で吸い込んだりしないようにしましょう。
ここでは、カメムシを見つけた場合の駆除方法について簡単にご紹介します。以下で紹介する方法でカメムシを駆除できるのですが、可能であれば駆除する時には軍手などを使用して手を守っておきましょう。
ペットボトルで捕獲
カメムシを捕獲する場合、ペットボトルで捕獲器を作るのも有効です。
ペットボトルの上部1/3程度をハサミやカッターで切り取り、切り取った場所を逆さにして取り付けます。接合部はガムテープや養生テープで固定しておくと安心でしょう。上部が漏斗(ろうと)のような形になるため、口の広い部分でカメムシを拾い上げるようにしてペットボトルの中に落とします。
ペットボトルの中に中性洗剤を入れておくと、ペットボトルの中に落ちたカメムシがそのまま死滅するので簡単に駆除できます。捕獲駆除できたらそのままビニール袋に入れて捨ててしまいましょう。
粘着テープで捕獲
ガムテープや養生テープ等の粘着テープを使用してカメムシを捕獲駆除することも可能。
カメムシを見つけたら、上からそっと粘着テープを乗せましょう。あくまでもさらっと乗せてくっつける程度にするのが重要で、ぺたっと押し付けるような形で捕獲してしまうと悪臭を放つ可能性があるため注意。
捕獲した粘着テープはビニール袋に入れて口を縛って捨てましょう。そっと捕獲すれば臭いニオイにも悩まされずに駆除できます。
殺虫剤で駆除
カメムシが屋外に発生している場合、もしくは屋内でも周囲の安全性が確保できている場合は殺虫剤を使用して駆除するのが一番早いでしょう。
市販されているピレスロイド系の殺虫剤は即効性も高く、カメムシが分泌液を出す前に死滅させることが可能。しかし、多くの殺虫剤はエアゾールタイプ(スプレータイプ)であるため、噴射の勢いでカメムシが飛んでいってしまわないように注意が必要です。なるべく垂直方向の離れた場所から殺虫剤を吹きかけ、徐々に噴射口を近づけるようにしてサッと駆除します。
凍結殺虫剤で駆除
カメムシを駆除する際、重要なのは刺激しないようにそっと駆除することと、そのスピードです。もし刺激を感じると悪臭を放つ分泌液を出してしまうため、分泌液を出させないようスピーディに駆除することが大事。
もちろん殺虫剤でも駆除できるのですが、小さなお子さんがいたりペットがいる家庭では殺虫剤を使用するのは躊躇するでしょう。急いで駆除したいと思っても近くに子供がいると殺虫剤を噴射するわけにはいきません。そんな時に活躍するのが冷凍殺虫剤。
フマキラーの凍殺ジェットは-85℃の超低温で虫を凍らせて瞬殺するスプレー。殺虫成分を使用していないため、小さなお子様がいる家庭でも安心して使用できます。カメムシが分泌液を出す前に瞬間的に凍らせてしまえば、臭いニオイに悩まされることなく駆除可能。
カメムシの駆除で気をつけること
カメムシは噛み付いてきたり、病原菌を持っていたりするような直接的な被害はないのですが、一番の問題はそのニオイ。悪臭を放つ分泌液が出てしまわないよう、駆除の方法には気をつけましょう。
ティッシュでそのまま触らない
カメムシは小さな虫なので、他の虫と同じようにティッシュで捕まえてしまいたいかもしれません。
しかし、できればティッシュで捕獲するのは避けた方が良いでしょう。ティッシュが被せられたことに驚いて分泌液を出す可能性があります。もし分泌液が出てしまうとそのティッシュを触った手にも匂いが付着する可能性があり、周囲にも悪臭が漂うことに…。
もしティッシュでしか捕獲できないような状況であれば、ティッシュをそっと被せて、ティッシュにくっ付いたカメムシをそのままそっとティッシュごとビニール袋に入れてしまいましょう。ティッシュの四隅を持って対応すれば、手に匂いが付着することを防げます。
叩かない、潰さない
カメムシを駆除するときに素手で叩く人はいないと思いますが、ハエ叩きなどを使用したとしても叩いて駆除するのは避けましょう。カメムシそのものを駆除することは出来たとしても、周囲にはカメムシの悪臭が立ち込めることも。もし手で触れてしまうと、カメムシが噴出した分泌液によって炎症を起こす可能性もあります。
カメムシを潰してしまうと、潰したその場所にも分泌液が残ります。水で洗うだけではニオイは落ちませんし、石鹸で洗ってもなかなか取れません。駆除後の掃除も大変になってしまうため、叩いたり潰したするのは避けましょう。
掃除機で吸い込まない
カメムシに触れたくないからと言って掃除機で吸い込む方もおられますが、これはお勧めできません。カメムシが掃除機に吸われたことにびっくりして、掃除機の中で分泌液を噴出する可能性があります。
もし掃除機の中で分泌液を出されてしまうと周囲に悪臭が立ち込めるだけではなく、使用するたびにカメムシのニオイがする掃除機になってしまいます。掃除機の内部を丸洗いすることは難しいため、一度ついてしまったニオイを取るのは不可能に近いでしょう。
カメムシのニオイがついてしまった時の対処方法

カメムシのニオイがついた経験がある方はわかるかもしれませんが、カメムシのニオイはなかなか取れません。手についた場合、水洗いだけでは落ちませんし、石鹸を使用して洗ってもなかなかニオイは消えません。石鹸の香りで誤魔化せたかと思っても、次の瞬間にはカメムシの悪臭が…。
カメムシの分泌液は親油性(油に溶ける)と親水性(水に溶ける)両方の性質を持っているため、水洗いだけでは取ることができないのです。そのため、油分を含むもので洗った後に水分でしっかりすすぐのが効果的。
ここでは、手にニオイがついた場合、衣服にニオイがついた場合それぞれのニオイの対処法についてご紹介します。
手にニオイがついた場合の対処方法
カメムシのニオイがついてしまった場合、油を使用して手を洗いましょう。油で手を洗うというとイメージできない方もいるかもしれませんが、調理に使用するオリーブオイルや、化粧落としに使うクレンジングオイルを使用しましょう。
まず油を手のひらに数滴落として、その油を引き延ばすように手全体を洗います。その後、油を洗い流すために石鹸やハンドソープで手を洗えばキレイさっぱりニオイが取れるでしょう。
また、界面活性剤が多く含まれている食器用洗剤で洗うことによってもニオイを取ることができます。食器用洗剤だけでは界面活性剤で手が荒れる可能性もあるため、食器用洗剤で手を洗った後にハンドソープで再度洗い、手をすすいだ後には保湿クリーム等で保湿しておきましょう。
衣服にニオイがついた場合の対処方法
衣服にニオイが付いた場合に油で洗うことは出来ないため、界面活性剤が含まれている洗濯用洗剤で洗濯しましょう。ドラッグストアなどでも販売されている作業着用洗剤は通常のものよりも界面活性剤が多く含まれているため、カメムシのニオイを落とすのに効果的。
また、カメムシの分泌液は高温に弱いためアイロンのスチーム機能で落とすこともできます。分泌液は揮発性の物質なので、スチームを当てて高音にすることによって揮発させることが可能。もしスチームがない場合はドライヤーの強風をしばらく当て続けることでもニオイを揮発させることができます。
晴れた日に界面活性剤入りの洗剤で洗濯し、そのまま外で天日干し。取り込む前にスチームやドライヤーを当てることによって衣服についたニオイをキレイさっぱり取り除くことができるでしょう。
カメムシの駆除も害虫駆除業者へ
昨今はカメムシが大量発生したニュースもあり、私たち害虫駆除業者へ駆除依頼も増えています。

カメムシくらいの駆除で業者へ連絡しても良いものなのかな?
と躊躇されていたお客様も多いのですが、ほとんどの駆除業者はカメムシ駆除にも対応しています。もし大量発生して悩んでいる時には、しっかりと駆除業者に依頼して根本解決してもらうのが良いでしょう。
カメムシが大量に発生している場合は
- 生息場所や生息数
- 発生の原因となる残留物などがないか
- 殺虫剤を使用した駆除
- 忌避剤を使用した予防対策
- 侵入箇所の確認と対策
という形でただ駆除するだけでなく、原因解消と今後の予防対策を実施します。そのため、自身で駆除するよりも確実で安全に、さらに継続した駆除効果を期待できます。もし大量発生してしまっている場合は迷わずに駆除業者へ相談してみましょう。