このページにはネズミの写真が表示されることがあります。
家にネズミが発生した場合、ネズミ駆除を業者へ依頼される方が多いでしょう。自分では駆除の仕方がわからなかったり、ネズミを見ることに抵抗があったり…。しかし、業者に依頼したくても駆除費用がネックになり、依頼に対して二の足を踏んでいる人も多いはず。
実は害虫駆除には地方自治体の補助金・助成金が使用できるケースがあり、条件によっては駆除費用の一部を負担してもらえることがあります。シロアリ、ゴキブリ、ハチなどの害虫駆除を依頼した場合に、その費用の一部(1/3〜1/2程度)を自治体に負担してもらえるのです。これは個人と法人によって条件が異なるため、自治体から出ている情報を確認しましょう。
ネズミ駆除に対しても補助金・助成金が使用できれば良いのですが、現在はネズミ駆除に使用できる補助金・助成金がほとんどありません。一部の自治体(東京都中央区など)では業者へ依頼した際にネズミ駆除費用を負担してくれる助成金も存在しますが、申請には一定の条件があります。
今回は
- ネズミ駆除に使用できる助成金はあるのか?
- 地方自治体の支援にはどのようなものがあるのか?
- ネズミ駆除費用の相場
- ネズミ駆除の費用を安く抑える方法
についてご紹介します。自分一人で悩まずに、地方自治体が提供しているサービスを活用してお得にネズミ駆除を行いましょう。さらに、駆除費用に悩んでいる方向けに、駆除費用を安く抑える方法までご紹介しているので、ネズミ被害に悩んでいる方は是非ご覧ください。
ネズミ駆除に使用できる助成金

一般害虫駆除に利用できる補助金・助成金はいくつか存在しますが、ネズミ駆除に利用できる助成金は現在ほとんどありません。各自治体が発表している助成金一覧を見ても、ネズミ駆除に該当するもの、かつ個人でも申請できるものはほぼない状況。ほとんどの助成金が一般個人家庭向けではなく、農林関係や産業団体向けのものになっています。
ただ、地方自治体が発表している補助金・助成金はその年度によって変更がかかるため、一度ご自身の住んでいる自治体でネズミ駆除の助成金が出ていないか確認してみましょう。
都道府県別ネズミ駆除助成金
各都道府県が発表している補助金・助成金は各自治体のホームページから検索ができます。
北海道 | 東京都 | 滋賀県 | 香川県 |
青森県 | 神奈川県 | 京都府 | 愛媛県 |
岩手県 | 山梨県 | 大阪府 | 高知県 |
宮城県 | 長野県 | 兵庫県 | 福岡県 |
秋田県 | 新潟県 | 奈良県 | 佐賀県 |
山形県 | 富山県 | 和歌山県 | 長崎県 |
福島県 | 石川県 | 鳥取県 | 熊本県 |
茨城県 | 福井県 | 島根県 | 大分県 |
栃木県 | 岐阜県 | 岡山県 | 宮崎県 |
群馬県 | 静岡県 | 広島県 | 鹿児島県 |
埼玉県 | 愛知県 | 山口県 | 沖縄県 |
千葉県 | 三重県 | 徳島県 |
各都道府県によって補助金・助成金が用意されていますが、一般個人で使用できるものはほとんどなく、農林関連や産業団体(法人等)向けに用意されているものばかり。さらに産業団体むけの補助金でも、ネズミ駆除を業者へ依頼した費用を負担してくれるものは少なく、捕獲用のカゴや柵を設置する費用を補助してくれるものが多くあります。
また、都道府県だけではなく市区町村の役所(役場)でもネズミ駆除に対しての対応をしている地域があります。これは各自治体によって異なるため、詳しくはお住まいの市区町村役場へお問い合わせください。
例)東京都中央区の場合
東京都中央区では、生ごみの管理など環境改善を伴う取組を継続的に実施する町会、自治会、商店街および地域団体向けに補助金が設けられています。これは個人向けではなく、あくまでも町や商店街の地域団体向けなので注意が必要。
- 毒餌による一斉駆除作業
- フタ付きごみ箱の購入、普及啓発チラシ印刷などその他ねずみ対策に要する経費
等の費用に対して、かかった費用の2/3を補助してもらえます。補助金額の上限については下記のように団体の構成員数によって異なり、かかった経費の2/3か、限度額のどちらか低い金額が補助金額として適用されます。。
区分 | 構成員数 | 限度額 |
---|---|---|
1 | 100以下 | 20万円 |
2 | 101〜200 | 40万円 |
3 | 201〜300 | 60万円 |
4 | 301〜400 | 80万円 |
5 | 401以上 | 100万円 |
補助金を申請するためには下記の条件を満たす必要があります。
- 環境改善実行委員会の設置
- 計画書および報告書の作成・提出
- ごみの朝出し又はフタ付きごみ箱の使用の啓発や働掛けなど環境改善の取組の実施
- 定期的に実行委員会を開催し、対策の進捗確認や情報共有を行うこと
この条件を満たさない場合でも一斉駆除等の費用を補助してもらうことはできますが、補助率は1/2となり、1団体につき1回のみの補助に限られます。
例)東京都大田区の場合
東京都大田区は金銭的な補助はないのですが、ネズミの相談をすると駆除専門家を派遣してくれる制度があります。専門家を派遣してくれるだけで、駆除費用を負担してくれるわけではありません。さらに、駆除作業については専門家も行なってくれないため、自身で行う必要があります。
- ネズミの駆除は行いません。
- 侵入口の封鎖作業は、ご自身で行っていただきます。
- 空き家、空き地、庭等は調査しません。
- 指摘した箇所を塞いでも被害がおさまらないときは、助言内容を参考にご自身で侵入口を探して対応してください。
大田区のホームページにも上記のような注意書きが記載されており、あくまでも専門業者が侵入口の探し方や塞ぎ方の助言をしてくれるだけのサービスです。自分で駆除作業をしているのに収まらない場合に利用できる援助ですね。
参照元:大田区ホームページ:自身でネズミ防除を行っても、被害が収まらない場合
例)神奈川県横浜市の場合
神奈川県横浜市のホームーページには、ネズミの駆除方法について詳しく記載されたページがあります。市役所へ問い合わせると、ネズミ捕獲用カゴを貸し出してくれたり、駆除方法の相談に乗ってくれます。
あくまでも捕獲カゴの貸し出しや相談受付だけであり、駆除費用の負担や専門業者の派遣などは行なっていないので注意しましょう。
参照元:ネズミについて 横浜市
例)千葉県船橋市の場合
千葉県船橋市では、殺鼠剤の無料配布を行なっています。基本的には殺鼠剤を配布しているだけであり、実際の駆除については千葉県害虫防除協同組合を紹介してくれます。あくまでも紹介してくれるだけで、駆除費用は有料なので気を付けましょう。
殺鼠剤は保健所衛生指導課、市内各出張所(二宮、芝山、高根台、習志野台、豊富、二和、西船橋)、馬込衛生管理事務所、船橋駅前総合窓口センター(フェイスビル5階)で配布されています。自身で駆除作業にチャレンジできる方は殺鼠剤をもらってくるのも良いでしょう。
例)大阪府大阪市の場合
大阪府大阪市では、保健福祉センター生活環境業務担当がネズミや衛生害虫駆除の相談を受け付けています。あくまでも相談を受け付けているだけなので、殺鼠剤の配布を行なっているわけではなく、実際の駆除に関しても自身で行わなければいけません。
住んでいる自治体にネズミ駆除の助成金がない場合
助成金がない場合は自身で駆除を行うか、実費で駆除業者へ依頼するしかありません。
もし補助金や助成金が実施されていない場合でも、駆除についての相談を受け付けている自治体はたくさんあります。もしネズミ被害に困っている場合、まずは自治体に相談してみるのも一つの方法でしょう。地域によって発生するネズミの種類が異なりますし、ネズミの種類にあった駆除方法を教えてもらえれば、効果的な駆除が可能です。
住宅火災保険は使用できない?

ネズミ駆除は建物に被害を被るから、火災保険を使用できるのでは?
と考える方もおられるでしょう。
しかし、基本的に火災保険でネズミ被害を補填するようなものはありません。建物自体が老朽化して、たまたま同時期にネズミ被害があると保険対応できる可能性もありますが、ネズミ被害を主として保険を適用することはできないでしょう。
火災保険が使用できるケースもある
火災・家財保険で補償が手厚いもの(補償範囲が広いもの)に加入していると、建物老朽化に伴う補修に対して保険を使用できる場合があります。老朽化により住宅に何かしらの破損が生じている場合、その補修に伴いネズミ駆除も出来る可能性があるということ。また、火災保険の中にはネズミ駆除の相談が出来るものもありますが、全額を保険で補うことは難しいようです。
ネズミ駆除費用を安く抑えるためには被害の初期対応が重要なのですが、火災保険を使用する場合は保険会社に査定に来てもらったり、業者に見積もりを取ったりと手続きが大変。そうこうしている間にネズミ被害も拡大し、いざ保険を使用したいと思っても想像以上に高い駆除費用になってしまう可能性があります。
一度保険会社へ相談してみるのはありかもしれませんが、火災保険を頼りにするのは避けましょう。
市役所・町役場のネズミ駆除支援

補助金や助成金等の金銭的援助を行っている自治体は少ないものの、地域の衛生害虫被害を抑えるために様々な支援が行われています。
相談受付・アドバイス
ネズミ被害に対しての相談を受け付けていたり、駆除の仕方、侵入口の探し方・塞ぎ方など様々なネズミ駆除についてのアドバイスをしてくれる自治体が多く存在します。
初めて自宅でネズミ被害にあった場合、まず何から手をつければ良いかわからない方も多いはず。そういった方は一度自治体に相談してみると相談に乗ってもらえるので安心ですね。応急処置をするにも、駆除用品を購入するにも、業者へ依頼するにも…、まず何から行えば良いかを現状に合わせて段階的に説明してもらえるでしょう。
このウェブサイトでも紹介している通り、ネズミ駆除は自分で行うことも可能です。専門家ではないにしろ、自治体の担当者にアドバイスをもらいながら自分で駆除作業を行なってみるというのも、駆除費用を抑えるための一つの方法ですね。
捕獲用カゴの貸し出し・殺鼠剤の配布
自治体によっては捕獲用のカゴを貸し出してくれたり、殺鼠剤を配布していたりします。
あくまでも自治体の無償サービスとなるため駆除作業までの期待はできませんが、ネズミを駆除するために必要なものを提供してくれるのはありがたいですね。
しかし、捕獲用カゴや殺鼠剤をもらえるというだけで、駆除作業はあくまで自分で行わなければいけません。殺鼠剤の場合は効果的に使用すれば家からネズミを追い出すことができるかもしれませんが、捕獲用カゴの場合は捕獲したネズミを自分で駆除しなければいけません。もしネズミを見たくない方は捕獲用カゴを使用するのも躊躇されるでしょう。
捕獲用カゴの貸し出し・殺鼠剤の配布を行なっている自治体の場合、ほとんどが駆除作業のアドバイスをしてくれます。カゴや殺鼠剤の設置場所、捕獲後の対処方法、再発させないための対応などについてアドバイスをもらいながら作業するのがおすすめです。捕獲できたとしても再発しては意味がないため、しっかりアドバイスを聞いてから使用しましょう。
駆除業者の紹介
自治体によっては、自治体に登録されている駆除業者を紹介してくれる場合もあります。駆除費用については実費負担となりますが、自治体からの紹介であれば業者への依頼も少しは安心できるでしょう。
ネズミ駆除業者はたくさん存在しますし、中にはニュースになるような法外な金額を請求してくる悪徳業者がいるのも事実。インターネット上でもたくさんの業者が紹介されているため、依頼するのが怖くて躊躇されている方も多いのではないでしょうか。そんな時は自治体から信頼できる業者さんを紹介してもらうのが安心ですね。
駆除業者を紹介してもらった場合、駆除作業は全て業者にお任せできますし、再発防止策もしっかりと取ってもらえるので安心。費用はかかってしまいますが、心配な方は自治体から紹介してもらった駆除業者へ依頼してみましょう。
建物別ネズミ駆除費用の相場

ネズミ駆除は人生で何度も依頼するものではないため、どれくらいの費用がかかるかイメージが湧かない方も多いでしょう。私が過去に担当してきた駆除から、全体的な費用相場をご紹介します。
一般戸建住宅の場合
一般戸建住宅におけるネズミ駆除費用の相場
3万円〜5万円ほど
(家の広さや被害度合いによる)
一般戸建住宅の場合、駆除費用の相場は3万円〜5万円ほど。これはお家の広さや被害の状況によって大きく異なります。
3LDKや4LDKといった間取りの2階建てのお家であれば、駆除費用は上記の範囲内でしょう。もしそれ以上に大きなお家や3階建以上のお家の場合は、駆除費用が上記より多少上がる可能性もあります。お家が大きくなれば侵入口の数も多くなる可能性があり、調査にかかる時間や費用がかかるため、どうしても高くなりがち。
私が過去に担当した案件で5LDKの3階建物件があったのですが、家屋全体の駆除費用は12万円ほどでした。(侵入口を塞ぐ工事費用も含む)
入れる点検口から全て殺鼠剤を設置し、数ヶ月後に粘着トラップで残個体を捕獲。1階部分と天井に空いていた侵入口を塞ぐ工事の完了まで、3ヶ月ほどの期間がかかりました。
お家の大きさだけではなく、ネズミ被害の度合いによっても駆除費用は異なります。
天井裏からちょっと物音がする程度の数匹のネズミ駆除であれば費用も安く済みますが、日常的に室内へネズミが出没するような状態になっていると、屋内に生息している数も数十以上と予想されます。そうなってくると駆除費用も数万円アップしてしまうのです。
ただ、一般的な家庭で起きているネズミ被害であれば、駆除費用は3万円〜5万円程度が相場でしょう。
集合住宅の場合
集合住宅におけるネズミ駆除費用の相場
1万円〜10万円ほど
(被害度合いによる)
マンションやアパート等集合住宅の場合、駆除費用は戸建に比べて多少上下します。これは建物の大きさと作り、ネズミ被害の度合いによります。
建物自体が大きいとそれだけ事前確認する箇所が多くなるため、駆除費用は高くなりがち。部屋の大きさも同じで、3LDK等の広めのマンションだと駆除費用が高くなりやすくなります。逆にワンルーム等の狭いお家で、なおかつ建物自体が2階建や3階建など低層の作りだった場合は駆除費用も安くなる傾向にあるのです。
集合住宅でも一般戸建と同じく侵入口を確認する作業が重要。どこかにネズミが侵入してくる原因があるため被害が発生しています。集合住宅は共用部分もあり侵入口が多岐に渡るため、大きな建物の場合は駆除費用が高くなってしまう傾向にあるのです。
さらに集合住宅の場合は被害が発生しているお家が一つとは限りません。お隣さんに発生したネズミが天井伝いに侵入してきている可能性もあるのです。そのため、問い合わせをいただいたとしても他のお家も確認する必要があります。
単純に建物自体が大きく、駆除の際に各お家に許可を取る必要もあるため、集合住宅の駆除費用は高くなりがちです。
店舗・商業施設の場合
店舗・商業施設におけるネズミ駆除費用の相場
5万円〜20万円ほど
(被害度合いによる)
飲食店やショッピングセンターにネズミが発生している場合、その駆除費用はかなり高くなる傾向にあります。これは建物の大きさや管理体制によって大きく金額が上下してしまいます。
通常の飲食店の場合、そもそもネズミを引き寄せる可能性が非常に高く、単純な駆除だけでは完全に被害を抑えることができません。殺鼠剤や粘着トラップを使用した駆除、侵入口の特定と閉鎖、加えて食品管理方法の見直しも必要となります。飲食店は食品を扱うことに加えて不特定多数の人が利用する場所であるため、再発する可能性が非常に高いこともあり駆除費用が高くなりがち。
もっと大型のショッピングセンターの場合、仮に2階のテナントにネズミが発生したとしても、もしかするとその原因は1階の飲食店かもしれません。ショッピングセンターは解放されている場所が多いため侵入口を塞ぐことは不可能に近く、ネズミ駆除自体が難しいものです。殺鼠剤や粘着トラップ、忌避剤を活用した対策を施すのですが、大きな建物であればあるほど駆除費用が高くなります。
ネズミ駆除費用の算出方法について

ネズミ駆除の費用は大まかに以下のポイントによって算出されます。
- 建物の大きさ
- ネズミ被害の度合い
- 管理体制が複数に分かれていないか(集合住宅や集合型テナントなど)
- 侵入口を塞ぐことができるか
一般戸建住宅であれば駆除費用を安く抑えることができますが、大型マンションや商業施設の場合は駆除費用も高くなりがちです。もしネズミ被害に悩まれている場合、事前に業者へ見積もりを取っておくと安心でしょう。思いもよらない費用を請求されずに済みます。
駆除業者の駆除手順
ネズミ駆除の費用がどの程度かかるかは、各駆除手順に対してどの程度の労力がかかるかによります。基本的に使用する駆除グッズは一般住宅でも商業施設でも変わらず、殺鼠剤、粘着トラップ等です。そのグッズをどのように使用するか、何人の作業者が必要かによって費用が変わってくるのです。
ネズミ駆除の手順
- ラットサインからネズミの行動範囲を確認する
- 屋外からの侵入口を探す
- 殺鼠剤を設置する
- 粘着トラップで捕獲駆除する
- 侵入口を塞ぐ
- 忌避剤を設置する
- 定期点検
最初にラットサインと呼ばれるネズミの行動痕を探さなければいけません。ただ闇雲に殺鼠剤や粘着トラップを設置するのではなく、ネズミが行動しているエリアを特定することによって効果的な駆除が可能となります。
ラットサインとはネズミが通った痕のこと。ネズミの体は常に汚れており、汚れた体を擦り付けながら移動しています。そのため、ネズミが移動している場所には汚れが付着し黒い痕がつくのです。この黒いネズミの汚れをラットサインと呼びます。
ラットサインを追うことによって、どこから侵入してきているのかを特定できます。ネズミ駆除の最終段階で侵入口を塞がなければ、何度でも被害が再発してしまいます。そのため、最初に侵入口を確認しておき、そこからネズミが屋外に出たことを確認することが重要。
ネズミ駆除というと粘着トラップや捕獲用カゴをイメージされるかもしれませんが、重要となるのは殺鼠剤です。殺鼠剤はネズミを高血圧状態にし、目が見えにくくなり喉が渇くように仕向けます。そうなると屋外の光と水場を求めて脱出していき、屋外に出てから死亡します。屋内に死骸を放置しないためにも、殺鼠剤を使用した駆除が重要。
殺鼠剤で屋内のネズミを減らしたら粘着トラップで捕獲駆除します。ネズミは警戒心が強い生き物であるため、ただ粘着トラップを設置しても捕まる可能性は低いのですが、殺鼠剤を食べたネズミは判断能力が弱っているため捕まりやすくなります。殺鼠剤でも駆除できなかったネズミを粘着トラップで捕獲駆除するイメージ。
屋内のネズミを駆除したら、原因となっている侵入口を塞ぎます。いくら殺鼠剤や粘着トラップでネズミを駆除したとしても、侵入口を塞がないことには別の個体が侵入して再発してしまうのです。そのため、駆除の最終段階では必ず侵入口を塞ぐ必要があります。
侵入口を塞いだ後には、侵入口周辺にネズミ忌避剤を設置します。ハッカやハーブの香りがする忌避剤を設置しておくことによって、ネズミが同じ場所から侵入しようとチャレンジしてくることを防げます。忌避剤にはスプレータイプやゲルタイプなど種類がありますが、場所とシチュエーションを選んで使用するのが重要。
駆除が完了した後には定期点検をします。ネズミは忌避剤の効果が薄まると、同じ侵入口を使って侵入してくる可能性が高いのです。そのため、侵入口に異変がないか、屋内に残っていたネズミがいないかを定期点検します。一般住宅の場合は1〜2ヶ月後に1回点検すれば大丈夫ですが、飲食店や商業施設の場合は半年〜1年ほど数回の点検を繰り返すこともあります。
駆除費用が高くなる理由
ネズミ駆除の費用が高くなる原因は、駆除作業にかかる期間と作業人数です。
特殊な道具を使用するわけではないため、駆除作業に大きな原価がかかることは基本的にありません。しかし、建物が大きかったり、被害が拡大していたりする場合には駆除に期間もかかりますし、侵入口を特定するために作業人数も必要になります。
また、経験ある作業者でなければ侵入口を特定することは難しいため、専門家としての費用がかかっているのも事実。私たち駆除業者はたくさんの被害ケースを勉強し、効果的な駆除が出来るように努めています。そのため、駆除専門家として作業する人件費も大きく乗ってきます。
建物が大きく被害が拡大している場合、1回の駆除作業にかかる時間も1時間〜数時間に及ぶことがあります。さらに完全に駆除するまでには上で述べたような手順を踏む必要があるため、数ヶ月以上の期間が必要となるのです。その間の人件費が駆除作業費として計上されるため、どうしても高くなってしまいます。
ネズミ駆除費用を安く抑える方法

ネズミ駆除の費用を安く抑えるために補助金・助成金を使用したいと考えるかもしれませんが、現在はネズミ駆除を対象として使用できるものはあまりありません。あったとしても団体(法人や商店街組合等)を対象としたものばかりで、一般個人家庭で利用できるものはほぼありません。
実は補助金や助成金、火災保険等を利用する方法だけでなく、そもそもの駆除依頼の仕方に注意すれば駆除費用を抑えることができます。ここでは、ネズミ駆除費用を安く抑える方法について、駆除業者である私が実際に費用を抑えられた事例をもとにご紹介します。
紹介サービスではなく、直接依頼する
ネズミ駆除の業者はたくさん存在し、その業者を紹介するようなサービスも多く存在します。インターネット上に存在する紹介サイト(一括見積もりサイト)だけでなく、紹介業を専門に行っている業者もいますし、ホームセンターでも駆除業者の紹介を行なっています。
そういった紹介業者を挟むことによって確実に駆除業者を繋いでもらうことは出来るのですが、どうしても仲介業者が間に入るため費用がかさんでしまいます。紹介している業者としても、そこで紹介料を取っているからです。
自分で駆除業者を調べて直接依頼すれば、かかる費用は駆除費用のみ。しかし紹介業者を仲介することによって、そこで提示される駆除費用には駆除費用+紹介料が加算されています。駆除業者が仲介業者へ支払う紹介料を上乗せされてしまうのです。もし駆除費用を安く抑えたい場合には、紹介業者を利用するのではなく、直接依頼するように注意しましょう。
害虫駆除のすすめでは、駆除業者を一括見積もりするような機能を備えておらず、このウェブサイトから駆除業者へ直接依頼できるような設計となっています。そのため、害虫駆除のすすめが駆除業者から紹介料をもらう構図にはなっていないため、駆除費用を抑えることが出来ます。
PR:24時間365日受付!お見積り・現地調査無料の駆除ザウルス
累積相談実績数30,000件以上!
全国対応の害獣駆除サービス「駆除ザウルス」
ネズミ被害はもちろん、天井裏や壁の中から変な音がする、臭いがするといった異変に対しても、無料で現地調査をしてくれます。
「もしかしてネズミ?」と思ったら、気軽に相談できる駆除業者さんです。
複数社に相見積もりを取る
同じ物件の駆除だったとしても、業者によって駆除費用には差が出ます。
どれくらいの人数で対応するのか、どの程度の期間を想定するのか、再発防止策をどの程度実行するのか、などのポイントにより駆除費用は大きく上下します。業者の企業規模ではなく、その現場に対して業者がどのような対応が出来るのかによって駆除費用は変わってくるのです。
そのため、駆除費用を安く抑えたい場合は複数者に相見積もりを取ってみましょう。自分が住んでいる地域にも駆除業者は2、3社存在するはずです。GoogleやYahoo!で「ネズミ駆除 業者」などで検索し、そこに掲載されている駆除業社にあたって相見積もりを取るのがおすすめ。
そもそも最初から相見積もりを取っていることを伝えておくのも一つの方法です。駆除業社としてもなんとかして案件を獲得したいため、他社の見積もり金額よりも安い金額を提示しようとします。そのためにも、相見積もりを取る時にはしっかりと見積書を書面でもらうのがポイント。
ただし、相見積もりを取る場合に一括見積もりサイトや紹介サイトは利用しない方が良いでしょう。上でも述べた通り、そういったウェブサイトは紹介料が発生する可能性があり、その紹介料分だけ駆除費用が高く提示されている可能性があります。
無料見積もりしてくれる業者を探す
これは多くの業者が対応していることですが、まずは無料見積もりで実際に現場を見てもらうのが良いでしょう。
ネズミ駆除は一生のうちに何度も依頼するものではないため、費用の相場が分からない方も多いはず。一般戸建住宅の駆除費用相場は3万円〜5万円ほどですが、建物の大きさやネズミ被害の状況によっては金額が上下します。特に被害の度合いは調査する業者によっても所感が違うため、一度見てもらった方が安心。
ほとんどの駆除業者は現場調査・見積もりまでは無料で対応している場合が多いため、問い合わせした時に無料で見積もりしてもらえるかをしっかり確認しましょう。
被害が発生したら早めに駆除依頼する
ネズミ被害が起きるたとしても、どうすれば良いか分からない方もおられるかもしれません。高い駆除費用を提示されることを恐れて、しばらく放置してしまう方もいるでしょう。実際に私が担当した現場でも

実は去年からネズミがいるんですけど、駆除費用が高くなるんじゃないか心配でなかなか連絡できなかったんです。
というお客さんがおられました。
しかし、駆除費用を安く抑えたいのであれば、駆除はなるべく早めに依頼しましょう。この記事でも述べている通り、駆除費用の計算は被害の大きさによっても左右されます。
つまり、1年も放置されると被害が拡大してしまい、駆除費用が高額になってしまう可能性があるのです。1年前に依頼してもらっていれば数匹の駆除を2、3万円で完了できたものの、1年間のうちにネズミが増殖して数十匹に増えていると駆除費用も5万〜10万円に跳ね上がってしまいます。
駆除費用を安く抑えたいのであれば、異変に気づいたその時に駆除業社へ相談しましょう。現場確認・見積もりは無料で対応している業者も多いため、相談して費用を提示してもらうまではタダです。
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自分でネズミ駆除する方法

- 補助金・助成金は使えない
- 火災保険も使えない
- 高い駆除費用は払えない
という場合、自分で駆除するのも一つの方法です。実はネズミ駆除は業者だけが行える作業ではなく、自身で行うことも可能。
自治体から補助金・助成金は出ていなかったとしても、捕獲用カゴや殺鼠剤を無償提供してくれる自治体はあります。さらに、自分で駆除する場合のために駆除方法をアドバイスするために専門家を派遣してくれる自治体もあるのです。そういったサービスを利用することによって、ご自身でも安全に駆除作業を行うことが可能。
ここでは、自分でネズミ駆除する方法を簡単にご紹介します。
侵入口を調べる
まずはネズミが侵入してくる穴がないか調べましょう。小型のハツカネズミだと、鼻先が入る1cm程度の隙間があれば侵入してきます。ネズミはそれくらい小さな穴から侵入してくるため、侵入口を調べるのは大変な作業。
しかし、ネズミ駆除をしっかり完了させるためには侵入口の特定は必須。下で紹介する殺鼠剤や粘着トラップでネズミを駆除したとしても、侵入口が塞がれていなければ再発する可能性が非常に高くなります。
侵入口を探すためにはラットサインを追うのが一般的。ネズミは体が汚れているため、ネズミが通った場所や入り込んだ穴には黒い痕が付きます。これをラットサインと呼ぶのです。部屋の天井の隅、梁の上、天井裏の柱などにラットサインが見られることが多く、ラットサインを追うことによってネズミの行動範囲を確認しつつ侵入口が見つけられます。
殺鼠剤を設置する
駆除を行う際はいきなり粘着トラップや捕獲カゴを使用せず、まずは殺鼠剤を使用します。殺鼠剤にはいくつか種類があるのですが、素人であれば遅効性のものが扱いやすいでしょう。遅効性のものもドラッグストアやホームセンターで市販されており、クマリンやワルファリンと記載されている殺鼠剤が遅効性のもの。
ネズミは警戒心が非常に強い動物であるため、もし殺鼠剤を食べた仲間が死ぬのを見ると、その殺鼠剤に手をつけなくなるのです。基本的にネズミは1匹だけ生息していることはなく、複数匹が生息しています。そのため、仲間のネズミに警戒心を与えてしまうのは非常に駆除を進めにくくしてしまいます。
設置する場所は天井裏がおすすめ。室内に設置することも出来るのですが、人の気配がする時には出没しないため殺鼠剤を食べるまでに時間がかかりやすいです。さらに、ネズミは食料を食べる餌場と走り回るための運動場を区別して生活しています。餌場となっている場所に設置しなければ効果がないため、餌場となりやすい天井裏に設置するのがおすすめなのです。
遅効性の殺鼠剤は食べてから3日〜5日程度で効果が現れ、徐々にネズミを高血圧状態にします。血圧が過度に上がったネズミは視力が弱くなり、喉が渇くようになります。その結果、光が見える屋外の水場を求めて家の外に出ていき、水たまりや側溝で死亡するのです。
このように、駆除の最初は遅効性の殺鼠剤を使用して、時間をかけつつネズミを家の外に追い出すように仕向けましょう。殺鼠剤がちゃんと効けば1週間〜1ヶ月ほどで被害は収まるでしょう。
ネズミは人間の匂いに非常に敏感です。もし人間の匂いを感知すると殺鼠剤に近寄らなくなってしまうため、殺鼠剤を設置する際には長袖長ズボンの着用はもちろん、匂いがするものは付けないように注意しましょう。なるべく匂いが付着しないような状態で殺鼠剤を設置するのがポイントです。
粘着トラップを設置する
殺鼠剤を使用して被害が収まってきたら、粘着トラップを使用した捕獲駆除に移行します。いきなり粘着トラップを設置してもネズミが警戒して捕まらないため、殺鼠剤を食べさせて判断を鈍らせておくのです。
粘着トラップは天井裏やキッチンの物陰、大型家電製品の後ろなどに設置します。設置する際には床と壁にピッタリ沿うように設置し、隙間を空けないように注意。ネズミは壁の隙間を移動するため、もし粘着トラップと壁や床に隙間が空いているとその隙間を移動してしまいます。
ネズミがなかなか捕まらない時には、粘着トラップの中央にネズミの好物を設置しておきましょう。米、小麦粉、コーン油、ひまわりの種などを設置しておくとネズミが寄ってきやすくなります。
粘着トラップで捕獲できたネズミは、そのまま粘着トラップごとビニール袋に入れてゴミに捨てましょう。
侵入口を塞ぐ
殺鼠剤、粘着トラップを使用してネズミの被害が収まったら、侵入口を塞ぎます。
侵入口を塞ぐ時には、ネズミ対策用のものを使用しましょう。穴を塞ぐだけと思ってガムテープやプラ板を使用されている方がいますが、それくらいのものはネズミが歯で食い破ってしまいます。
大きな穴が空いている場合、パンチングメタルで塞ぐのが効果的。パンチングメタルはアルミやステンレスで出来ており、ネズミにかじられても穴が空きにくいもの。さらに金属製なので表面がツルツル滑り、ネズミの歯がかかりにくくなっています。ただの金属板だと通気性が悪くなってしまうため、空気を通す必要がある場所のことも考慮してパンチングメタルを使用するのがおすすめです。
パイプと壁の隙間など複雑な形をした場所はネズミ専用の防鼠パテを使用します。防鼠パテはネズミが嫌う辛み成分のカプサイシンが含まれており、パテを持っておけばネズミが食い破る危険性は防げます。市販されているキクネンという防鼠パテは私たちプロも使用するものであり、忌避効果も高いためおすすめ。
忌避剤を設置する
侵入口を塞いだら、最後に忌避剤を設置します。忌避剤というのはその名の通りネズミが近寄らないようにするための薬剤なのですが、いくつかの種類があり使用方法に注意が必要です。
スプレータイプのものは簡単に使用できて即効性もあるのですが、持続時間が短いのが難点。多くは24時間程度の持続時間しかないため、侵入口を塞ぐ際の応急用として使用します。
しっかりと効果が長続きするのはゲルタイプの忌避剤。ゲルタイプのものは固形なので、もし天井裏に設置したい場合には天井裏に登って設置箇所まで移動しなければいけません。なるべく侵入口(原因となっている場所)の付近に設置するのが効果的なので、設置の際には注意が必要。商品によりますが、持続時間は2ヶ月〜3ヶ月ほどあるため長期間の使用も安心です。
室内を綺麗に掃除する
そもそもネズミが侵入してくるということは、何かしらネズミを引き寄せる原因が家の中にあるはずです。
- 食べ物のカスが落ちている
- キッチンに食品が放置されている
- 食料品のフタが空いたまま保管されている
- 部屋が掃除されておらず、汚れている
- 水回りの掃除がされておらず、水垢が多い
このような状態になっているとネズミを引き寄せてしまいます。ネズミは非常に優れた嗅覚を持っているため、食べ物の匂いを察知して家の中へ侵入してきてしまうのです。侵入してくる際、壁となっている場所に穴を開けて侵入口を作ります。
しっかりと駆除ができた後には、ネズミ被害を再発させないためにネズミが好むものを撤去しましょう。