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家の床や壁をカサカサっと走る黒い影…。その姿を見て大声で叫んでしまった方も多いでしょう。暖かい季節になると、どこからともなく現れるゴキブリ。玄関先やベランダなどの屋外ならまだしも、キッチンや寝室など部屋の中に出てしまうと、夜も気になって眠れません。
ゴキブリは殺虫剤で駆除できる害虫ですが、可能であれば目につかないようにゴキブリ対策をしてしまいたいところ。走り回るゴキブリを追いかけて殺虫剤をかけるのは難しいものですし、家具の隙間に入ってしまったら大変。いざ駆除したとしても、その死骸を見るだけで吐き気がしてしまう人もいるかもしれません。
実はゴキブリは発生しやすい時期、対策がしやすい時期があります。さらに、一言にゴキブリと言っても日本国内で目にするゴキブリはクロゴキブリとチャバネゴキブリの2種類がおり、それぞれによって生態が違うため適切な対処が必要です。
この記事では、季節に合わせたゴキブリ対策の方法と、効果的な駆除方法についてご紹介します。この記事を読んで、安心してゴキブリと遭遇しない生活を送りましょう。
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日本でよく目にするゴキブリは大きく分けて2種類
ゴキブリと一括りに考えられる方も多いのですが、実は日本国内でよく見かけるゴキブリは大きく分けて
- クロゴキブリ
- チャバネゴキブリ
の2種類がいます。そのほかにもワモンゴキブリやトビイロゴキブリ、ヤマトゴキブリ、オオゴキブリなど数種類のゴキブリが生息しているのですが、私自身が害虫駆除作業で見かけるゴキブリのほとんどがクロゴキブリかチャバネゴキブリ。
クロゴキブリ
クロゴキブリは一番イメージされやすいゴキブリです。成虫は体長が30mm〜40mm程度に成長し、全体的に黒褐色で光沢のある体をしています。体は大きいのですが、カサカサと素早いスピードで走り回るゴキブリです。体全体を覆うほど大きな羽を持っているため、その羽を使って飛行することもあります。
卵から生まれたての若い幼虫は黒色の体をしており、腰あたりの位置に白い帯状の模様が付いています。黒くて小さな虫なのでコガネムシの一種と間違われることもあるのですが、歴としたゴキブリ。
幼虫がさらに成長していくと、体全体が赤褐色になり、腰付近にあった白い帯状の模様もなくなっていきます。体も徐々に大きくなり、幼虫段階から8回〜10回ほどの脱皮を繰り返すことによって成虫になります。
寿命も比較的長く、幼虫から成虫になるまでに1年〜2年半、成虫になってからも3ヶ月〜6ヶ月ほど生きるため、生まれてから3年ほどの寿命。成虫である期間は思ったより短く、よく見かける茶色っぽい小さなゴキブリがクロゴキブリの幼虫だったりするのです。
クロゴキブリは越冬する虫であり、幼虫か卵の状態で冬を越します。冬の間は湿度と温度を保てるような場所を見つけ、その場所で休眠することで越冬するのです。卵の状態で越冬した種は、春頃から孵化して活動を始めます。
チャバネゴキブリ
チャバネゴキブリは小型の屋内性ゴキブリ。体長は10mm〜15mm程度と、クロゴキブリの半分程度の大きさしかありません。体全体が茶色、もしくは黄褐色をしており、胴体上部背面(頭の後ろの首のような場所)に2本の黒い縦線が入っています。
チャバネゴキブリのメスは40匹ほどの赤ちゃんが入った卵を、卵が孵化する直前まで腹部にくっつけて生活しています。そのため、他のゴキブリに比べて1匹見かけた場合に想定される総生息数はかなりのもの。実際に駆除作業を行なっている時にも、チャバネゴキブリが発生しているとなかなか駆除しきれません。
都市型の昆虫であるため、一般家庭で見かけることは少なく、その多くはビルの中に生息しています。特にホテルや旅館、飲食店などの宿泊・飲食施設でよく発生するゴキブリです。厨房の冷蔵庫内、グリストラップの中、水に濡れて腐食した壁の中などによく生息しており、一度発生すると大規模な駆除作業になります。
ただし、チャバネゴキブリは発育期間が非常に短く、3ヶ月ほどで成虫になり、寿命は6ヶ月〜8ヶ月ほど。春に生まれるとその年の間には死んでしまう短命なゴキブリです。クロゴキブリのように休眠して越冬する習性がなく、冬場でも暖かい場所を求めて人が住んでいる建物の中に生息しています。
ゴキブリが出やすい時期と、対策しやすい時期
ゴキブリは夏場にたくさん発生すると思われるかもしれませんが、実は年中生息しているのです。確かに寒い時期にはゴキブリの活動は鈍くなってくるのですが、人間が生活している程度の室温(20℃前後)であれば十分に活動できる温度であり、冬場でも室内や壁の中に生息している可能性があります。
ゴキブリは高温多湿な場所を好むため夏に活発に行動しているのは間違いないのですが、ちゃんと対策をしていないと冬場でも室内に出てきてしまうのです。特に冷蔵庫や電子レンジなどのキッチン家電は温度と湿度が高く、ゴキブリに格好の住処になり得ます。中に卵を産みつけられてしまうと、キッチン中にゴキブリの赤ちゃんが出てくる可能性も…。
ゴキブリの発生を効果的に防ぐには、年間を通したゴキブリの生態を知っておく必要があるのです。
ゴキブリの1年間の生態
春(3月〜5月)
春はゴキブリの幼虫が一斉に行動を開始する時期です。多くのゴキブリは冬の間に卵鞘(らんしょう)と呼ばれる硬い殻に覆われた状態の卵で越冬し、春になって気温が20℃程度に上がると行動を開始します。
卵鞘というのは硬い殻で覆われたカプセルのようなもので、平均して長さ12mm・幅5mm・厚さ3mm程度。クロゴキブリの卵鞘には20〜30個の卵が入っており、薄い茶色をしています。家の中だとダンボールの隙間や冷蔵庫の後ろ、ゴミ箱の裏などに卵鞘がある可能性があります。卵鞘は硬い殻に覆われているため殺虫剤も効果がないので、そのままゴミとして出してしまうのが確実です。
春時期には卵から孵化した幼虫が食べ物を探して行動し始めます。一つの卵の中から20匹〜30匹程度のゴキブリが生まれてくるため、もし家の中に卵を産みつけられていると、ウジャウジャと幼虫が這い出てくることも。
夏(6月〜8月)
初に幼虫だったゴキブリも成虫になり、より活発に行動し出します。大きくなったゴキブリはその羽で飛行することもできるため、室内の床だけではなく、冷蔵庫や棚などの家具の上に生息している可能性もあります。餌を求めて1匹が走り回っていることもあれば、高温多湿になった場所に巣を作り、数十匹から数百匹が集まっていることもあるのです。
この時期、特に湿気が溜まるような場所は要注意。キッチン家電の裏はもちろんですが、店舗だとボイラー室の中に大量に潜んでいる可能性もあります。食べ物が近くにあり、なおかつ湿気のある場所はゴキブリにとって最適な住処になり得てしまうのです。
秋(9月〜11月)
ゴキブリは越冬する生き物(チャバネゴキブリを除く)であるため、秋頃になると越冬の準備を始めます。越冬するためにも一定の湿度と室温が必要になるため、この時期にはダンボールの隙間や冷蔵庫などキッチン家電の裏、大きな排水溝の中などに巣を作り出します。
ゴキブリの巣と言ってもしっかりとした巣を作るのではなく、ゴミやホコリがごちゃごちゃっと固まったようなものが巣になるのです。そのため、高温多湿になりやすく、クズやホコリが出やすいダンボールの隙間は格好の住処になります。秋には巣を作りながら餌を探しに移動するため、夏ほどではないものの見かける頻度は高いでしょう。
ゴキブリは秋ごろに越冬準備をしながら産卵を始めます。寒さが厳しくなる冬までに産卵を終え、外敵から身を守るための卵鞘に入ったまま冬を迎えるのです。
冬(12月〜2月)
ゴキブリは秋に見つけられた卵の状態か、幼虫の状態でも冬を越します。冬を越すと言っても哺乳類のように屋外でどこかに隠れて眠っていることはなく、湿度と温度を求めて建物内に入ってきているのです。冬場でも温度が保たれやすいキッチン家電の隙間や壁の中に生息し、ゆっくりと休眠しながら春を待っています。
と言ってもゴキブリの中でも種類によって休眠越冬(活動を止めて越冬)するゴキブリと、冬になってもそのまま活動を続けるゴキブリがいます。
クロゴキブリは休眠越冬する
メジャーなゴキブリであるクロゴキブリは休眠越冬するゴキブリです。ダンボールの隙間や長期間触られていないゴミ箱の裏などに巣をつくり、その中でおとなしく春を待っています。冬の間は特に活動することもなくゆっくりと休んでいるため、あまり見かけることはないでしょう。
チャバネゴキブリは休眠越冬しない
クロゴキブリに対してチャバネゴキブリは休眠越冬せず、冬の間は湿度と温度が保たれているビルやホテル、飲食店の中に生息しています。休眠することもなく、餌や水を求めて人目につく場所に現れることも多々あるのです。そのため、冬場でもチャバネゴキブリに悩まされる可能性はあり、実際に飲食店で冬に駆除作業を行なったこともあります。
効果的にゴキブリ対策するなら春と秋
ゴキブリは夏の暑い時期に見かけることが多いため、気温の低い時期は出てこないと思っていた方も多いかもしれませんが、実は冬の時期も越冬のため家の中に入って来ている可能性があるのです。必ずしもずっと屋内にいるわけではないのですが、いつ入ってくるか分かりません。扉の隙間から入ってくることもあれば、家に届いた荷物に潜んで侵入してくる可能性もあります。
つまり、ゴキブリを定着させないためには、夏場だけでなく年間通してしっかりと対策することが重要なのです。年間を通した季節の中でも、特に春と秋の対策が重要。秋時期の越冬する前に対策することと、春時期の繁殖能力が低い幼虫に対して対策することにより、嫌な出没を防ぐことができます。
秋時期の対策
秋のゴキブリ対策
- 高温多湿になりやすい場所を大掃除
- 掃除した後に駆除エサ剤を設置
ゴキブリは冬に卵の状態で越冬し、春になると孵化して幼虫になり、そのまま夏には成虫になった個体が活動しています。つまり、始まりとなる卵の前の秋時期に対策することが重要です。
秋になるとゴキブリは越冬するために落ち着く場所を探し出します。落ち着く場所というのは湿度と温度が高く、長期間移動されていない場所(人目に付きにくい場所)。特にキッチン家電や食器棚、シンクの下などはゴキブリの住処になる可能性が高く、要注意ポイントです。
秋時期にはキッチン周りの大掃除を行い、家電や棚の裏まで綺麗にしておきましょう。その際、気になる箇所にはゴキブリ対策の薬剤を設置、散布しておくとさらに良いですね。
春時期の対策
春のゴキブリ対策
- 屋外設置用の駆除エサ剤を設置して、侵入を防止
- くん煙剤、くん蒸剤を使用して生息しにくい環境を作る
春にはゴキブリの卵が孵化して幼虫が活動を始めます。暖かくて湿度の高い居場所、食べ物を探して行動し、家の中に入ってくることも。
ゴキブリの侵入を防ぎたい場合には、春の時期に待ち伏せタイプの殺虫剤を設置しておきましょう。ドラッグストアやホームセンターにもよく売っているブラックキャップというゴキブリ駆除剤は、実は屋外用タイプのものもあります。フィプロニルという成分が入っているため即効性の高い駆除剤であり、害虫駆除業者も仕事で使用します。
玄関や窓の隙間が空いていないか確認することはもちろんなのですが、玄関、窓際、エアコン室外機付近、ベランダなどにブラックキャップを設置しておくことによってゴキブリ対策が可能です。
もし春時期に家の中でゴキブリを見かけた時には殺虫剤で駆除した後に、くん煙剤、くん蒸剤などで対応しましょう。殺虫剤で駆除しただけで終わっている方がいるのですが、もし室内にゴキブリが入り込んでいる場合、さらに多くのゴキブリが生息している可能性もあります。
ゴキブリは1匹見つけたら100匹いると言われるほど大繁殖する生き物なので、室内で見かけた時には繁殖してしまわないようにくん煙剤、くん蒸剤で一気に部屋中の虫を駆除してしまうべき。くん煙剤、くん蒸剤は微細な殺虫成分を部屋全体に行き渡らせる仕組みになっているため、隠れたゴキブリを駆除するだけでなく、一定期間は虫が入ってきにくい環境を作れます。
家の中でゴキブリが生息しやすい場所
ゴキブリをなるべく見たくない場合、春と秋にしっかりと対策しておくことが重要です。ただ殺虫剤を撒いたり毒エサを設置するだけでは不十分で、ゴキブリを生息させないためにはちゃんと掃除をしてゴミやホコリを排除しておくことも大切。
ゴキブリは湿度や温度が高い場所を好み、暖かくて暗い場所に生息します。また、ダンボールの隙間など狭い場所に卵を産みつけることも多々あり、放置されていたダンボールの束が丸々ゴキブリの巣になっているようなことも。
家の敷地全てを常に綺麗に掃除していればゴキブリは発生しにくいのですが、そこまで完璧にこなすのは難しいのが現実。ゴキブリ対策を行うためには、ゴキブリが生息しやすい場所を把握し、その場所を重点的に対策するべきです。
ゴキブリが発生しやすい条件
餌が豊富にある場所
ゴキブリは屋内に侵入した時、人間の食べかす、油汚れ、皮脂、髪の毛などを食料としています。そういったゴミが残っている状態だと格好の住処になり得るだけでなく、ゴミがゴキブリを引き寄せている可能性もあります。
高温多湿の場所
ゴキブリは暖かく、湿度の高い場所を好みます。キッチン家電やエアコンなど、湿度が高くなりながら温度も高くなるような家電は要注意。テレビやソファーの下に生息することもあります。
暗くて狭い隠れた場所
ゴキブリは夜間に活動し、物陰に隠れるように逃げていきます。これがゴキブリの習性であり、棚の下やソファーの下、壁の隙間など暗くて狭い場所を好んで住処にするのです。
キッチン家電の裏、下、隙間
キッチン周りはどうしても湿度が高くなりやすく、なおかつ年間通して人が出入りする場所なので室温もある程度一定に保たれているでしょう。さらに、冷蔵庫や電子レンジなどのキッチン家電は本体が暖かくなることに加え、なかなか移動させてまで大掃除をすることもないため、ゴキブリにとっては安心できる住処になり得ます。
冷蔵庫の裏など普段は手が届かない、見えない場所にはゴキブリが卵を産みつけ、大規模な巣を作っていることもあるのです。駆除作業を行う前に、まずはキッチン家電を移動してしっかり掃除しましょう。
家具の下、裏、隙間
キッチン家電だけでなく、ゴキブリは一般家具の下や裏に生息していることもあります。長年移動されていない棚、テレビ台、使用されていないソファーなどはゴキブリにとって格好の住処になります。ゴキブリは狭い場所を好むため、そのような家具の見えない隙間に入り込んで大量の卵を産みつけているかも。
ゴキブリは振動に反応する生き物であるため、定期的に移動させたり人が使用するような家具には生息しません。ゴキブリを見かけていないとしても、数年間移動させていないような棚は一度移動して下や裏側を掃除したほうが良いでしょう。
室内エアコン本体、エアコン室外機の中
エアコンの本体は稼働していると本体が熱を持つようになりますし、ちょっとした結露で湿度が高くなる場所です。さらに、空気の移動があるため、ゴキブリの餌となり得る湿ったホコリやチリが溜まりやすい場所でもあります。
普段は見えない室内機のフィルター部分に隠れていたり、本体と壁の隙間、エアコン室内機裏の壁の中に生息していることも多く、エアコンを稼働させると驚いて飛び出してくることも。定期的なエアコン清掃を行うことによって、そういったゴキブリの発生を防ぐことができます。
さらに、室内機だけでなく室外機の中にもゴキブリが生息します。屋外に設置されているためゴキブリの侵入を防ぐことは難しく、駆除エサ剤を設置して駆除するしかありません。エアコンはコンプレッサーがあるため、あまり殺虫剤をかけるのも良くないのです。
トイレ
トイレも湿度が高くなる場所であり、ゴキブリが好んで生息します。特に便座の裏側、貯水タンク、ゴミ箱の裏などは湿気が溜まりやすい場所で、なおかつゴキブリが好む湿気を含んだゴミが溜まりやすい場所。汚れやすい場所なので多くの方は頻繁に掃除されていると思いますが、もし掃除が十分にされていないとゴキブリの住処になり得ます。
観葉植物の中
実は室内に設置している観葉植物の中にゴキブリが生息している可能性もあります。観葉植物は水やりはもちろん、温度管理をしながら育てているでしょう。ゴキブリが好む高温多湿の環境が揃っており、観葉植物本体ではなく、植木鉢の裏に生息して溜まった水を飲んで生き延びていることも。
小型のものであったとしても、観葉植物を置いている方は要注意。観葉植物は窓際に置かれていることも多く、ゴキブリを惹きつけている可能性もあります。
段ボールの隙間
段ボールは紙が重なった形をしているため、その隙間は常に暖かく保たれます。長期間放置された段ボールは周囲の湿気を含み、ゴキブリにとって格好の住処となってしまうのです。
さらに、ゴキブリは紙を食べる習性があるため、段ボールの隙間で産卵を行い、生まれたゴキブリはその段ボールを食べることによって誰にも見られる事なく徐々に成虫に成長します。そのゴキブリがまた繁殖して…、を繰り返すことによって段ボールを一つの大きな家として大繁殖する可能性があるということ。
段ボールは物の移動に使われることも多く、段ボールの中にゴキブリが潜んだまま別の場所から移動してくることも多々あります。もし玄関に放置している段ボールがある場合、すぐに捨てましょう。
ゴキブリを駆除する方法
もし家の中でゴキブリを見かけた場合、一刻でも早く駆除してしまいたいと思うでしょう。しかし、ゴキブリをちゃんと駆除するためには、状況と目的に合わせた駆除方法を選ぶのが大事。害虫駆除で訪問すると、殺虫剤で駆除しても駆除しても出続けると言われるお宅があるのですが、駆除できないのはそもそもの駆除の仕方を間違っていることが原因です。
ゴキブリ駆除は、
- 侵入を防ぐ
- 目の前のゴキブリを駆除する
- 大量発生(生息)したゴキブリを一斉に駆除する
と、程度に分けて大きく3つの種類があります。
ゴキブリの侵入を防ぎたい場合
ゴキブリの侵入を防ぎたい場合は、
- 部屋を清潔にする
- 侵入経路を遮断
- 侵入前に毒エサで駆除
- 侵入できない薬剤処理
が必要です。まだ室内で見かけてはいないものの、いつ入ってくるかわからないゴキブリに対して対処しておきたい方向けの方法。もし、すでに家の中でゴキブリを見かけている場合、下の「部屋で見かけた少数のゴキブリを駆除したい場合」を参照してください。ゴキブリが発生している場合は侵入を防いだとしても、すでに家の中に巣が作られている可能性があります。
部屋を常に綺麗に保つ
ゴキブリが屋内に侵入してくるということは、そこに何かしらの目的があるから侵入してくるのです。ほとんどの場合、生ゴミや調理後の油汚れ、皮脂、髪の毛、ホコリなどのゴミが長時間放置されていて、その匂いに釣られて侵入してきます。
そのため、まずは室内を常に綺麗な状態に保つことによってゴキブリの侵入を防ぎましょう。普段は目に見えない場所、今まで大掃除でしか掃除してこなかった場所も定期的に掃除する習慣をつけることによって、ゴキブリの侵入を防ぐことができます。特に
- キッチン換気扇
- 冷蔵庫や電子レンジなど家電製品の後ろ
- テレビなど室内家電の裏側
- エアコンの上部、壁との隙間
- ソファー、収納棚など長期間動かさない家具の隙間
- 下駄箱や玄関ポーチの隅
などはゴミが溜まりやすく、ゴキブリを惹きつける原因になっている可能性が高いため、定期的に掃除しましょう。
侵入経路の遮断
ゴキブリは玄関の隙間、窓の隙間など家の扉の隙間から入ってきたり、宅配物に紛れて入ってきたりします。宅配物の中でも特にダンボールは要注意であり、中に卵がついている状態で家の中に放置してしまうと繁殖して大発生する可能性もあります。
まずは扉に隙間がないか確認し、もし立て付けが悪い扉があった場合にはサッシの修理を依頼するべきでしょう。隙間からゴキブリが入ってくる可能性があります。ゴキブリは数ミリの狭い隙間でも侵入出来るため、どうしても隙間が空いてしまう場合には隙間ブラシなどで対応すると良いでしょう。
ダンボールの隙間に入ったまま室内に侵入することを防ぐのは難しいのですが、なるべくダンボールは溜めずに捨てるように心がけましょう。たくさん溜まるまで玄関付近に置いておいて、ゴミの日になったら一気に捨てる家庭もあるかもしれませんが、湿気を含んだダンボールはゴキブリの格好の住処になるため危険です。すぐに捨てましょう。
フィプロニル系の毒エサを設置
ゴキブリ駆除剤としてホームセンターやドラッグストアでもよく販売されている毒エサ。たくさんの種類がありますが、おすすめできるのはフィプロニル系の成分が入っているものです。
よく見かける黒く丸い形をしたプラスチックの毒エサはブラックキャップという商品であり、フィプロニル系成分が入った毒エサ。私たち害虫駆除業者も仕事でブラックキャップを使うことが多々あります。大量に発生してしまったゴキブリでも、ブラックキャップを使用することによって駆除した経験も。
このような毒エサはベイト剤(エサ剤、食べる薬剤)と呼ばれ、害虫駆除の現場でもよく使用されるものです。ゴキブリがその場で食べることによる殺虫効果だけではなく、そのゴキブリがベイト剤を巣に持ち帰ることにより他のゴキブリに対しても連鎖的に殺虫効果があります。
さらに、毒エサを食べたゴキブリが出したフンを他のゴキブリが食べることによっても殺虫効果があるのです。毒エサを食べたゴキブリが卵を産むと、そこから生まれる幼虫にも殺虫成分が伝達していて効果を発揮します。
このように、毒エサはその場で食べたゴキブリを駆除するだけでなく、繁殖しているゴキブリに対して連鎖的に効果のある駆除剤。この毒エサをゴキブリが侵入してきやすい場所に設置することにより、侵入前に集団で丸ごと駆除できます。
燻煙剤(くんえんざい)を散布
ゴキブリの侵入を防ぐためには燻煙剤(くんえんざい)も効果があります。燻煙剤というのは、殺虫効果のある煙を部屋の中に噴出して虫を駆除する殺虫剤。煙状の薬が部屋の隅々まで行き渡ることによって、普段は家具の隙間に潜んでいる虫まで丸ごと殺虫できるものです。
燻煙剤はピレスロイド系殺虫剤の一つであり、気化させた殺虫剤を煙として散布するようなもの。殺虫成分が表面に残るため、その場の殺虫だけでなく、燻煙剤使用後の侵入防止効果も期待できます。
燻煙剤を使用する際には扉や窓をしっかりと閉め、換気扇は消しておきます。密室にすることで煙が十分に隅々まで行き届くようにすることによって、燻煙剤使用効果が高まるのです。
家の中でゴキブリを見かけたことがなくても、春と秋の年2回にわけて燻煙剤処理をしていると予防効果が高まります。
燻煙剤(くんえんざい)と燻蒸剤(くんじょうざい)
燻煙剤(くんえんざい)と燻蒸剤(くんじょうざい)という似たようなものがあるのですが、燻煙と燻蒸というのはその文字の通り散布される薬剤の状態が異なります。
燻煙剤は液体をミスト状にして散布するのに対し、燻蒸剤というのは殺虫効果のある煙をそのまま散布します。そのため、燻煙剤は表面に薬剤が残り予防効果があるのですが、燻蒸剤は対象物の中に入り込むため予防効果は期待できません。薬剤をどのような状態で散布するかの違いはありますが、根本的に使用する殺虫成分はどちらもピレスロイド系殺虫剤なので同じです。
燻蒸剤は文化財害虫を駆除する際に用いられることが多く、そのほとんどは害虫駆除の専門家が行う作業です。私も燻蒸作業を行っていますが、毒性が強い煙を散布するため、防護服やガスマスクを着用して作業を行います。
部屋で見かけた少数のゴキブリを駆除したい場合
- 殺虫剤で駆除処理
- 冷却スプレーで凍結処理
- 燻蒸剤を散布
- 粘着トラップを設置
すでに屋内に入ってきてしまっているゴキブリを駆除したい場合、しっかりと薬剤でゴキブリを駆除することが重要です。燻煙剤のように煙で燻す(いぶす)方法ではなく、ゴキブリに対して直接的に殺虫剤を噴射したり、粘着トラップで捕獲することが大事。
また、屋内に発生しているということは巣を作られている可能性もあるため、その場で即効性の高い殺虫剤で駆除するだけでなく、他に隠れているゴキブリがいないか確認、駆除することも重要です。ブラックキャップ等のフィプロニル系殺虫剤を設置する方法もありますが、ここではさらに確実性の高い方法をご紹介します。
ピレスロイド系エアゾール剤(スプレー殺虫剤)を使用
目の前に出てきたゴキブリを駆除する際には、スプレータイプの殺虫剤が効果的。特にピレスロイド系殺虫剤は効果が高く、家に常備しておいても良いでしょう。
ゴキブリに噴射する時にはシュシュっとかけるのではなく、ゴキブリが裏返る(ノックダウンされる)まで追いかけてかけ続けることが大事です。ピレスロイド系殺虫剤にはゴキブリをひっくり返らせる効果と殺虫効果があるのですが、ひっくり返っただけではまだ死んでいません。完全に動かなくなるまでかけ続けるようにしましょう。
ピレスロイドだけではなく、イミプロトリンという成分が含まれている殺虫剤もあるのですが、こちらもピレスロイドと同様にゴキブリに対してノックダウン効果と殺虫効果があります。
ピレスロイドやイミプロトリンという成分は多くの殺虫剤に含まれている成分ですが、必ずしも全ての殺虫剤に含まれているわけではありません。スプレータイプの殺虫剤を購入する際には、裏面の成分表を確認してピレスロイド、もしくはイミプロトリンが含まれているものを選びましょう。
これらのエアゾール剤(スプレー殺虫剤)は、ゴキブリの通り道に散布したり、隠れている場所に噴射することによって誘き出す効果もあります。しかし、毒性があるため食器や食品などにかからないよう、キッチンでの使用には十分注意が必要です。
冷却スプレーで凍結
キッチン内でも食器に近い場所や、小さな子供がいる部屋、ペットがいる家庭では、ゴキブリを見かけた時には殺虫剤を使用したくない方も多いでしょう。殺虫剤は毒性があるため、人間の口に入るのは良くないですし、特に子供やペットが口にすると大変。
実はゴキブリを殺虫駆除するのではなく、低温で冷凍する冷却スプレーというものもあります。スポーツの際に使用されるコールドスプレーのようなもので、スプレー噴射した対象を凍らせるものです。殺虫剤と違い毒性がないため、食器があるキッチンでも使えますし、小さな子供やペットのいる家庭でも安心して使えます。
冷却スプレーの場合、ほとんどの場合では超低温でゴキブリも死んでしまうのですが、稀にゴキブリが死んでいない場合もあるため注意が必要。凍って動かないだけだと、温度が高くなって復活する可能性もあります。冷却スプレーで処理した後はすぐに袋に入れて縛るか、屋外に持っていって捨てましょう。
冷却スプレーは虫を駆除する成分が含まれているわけではなく、スプレーした対象を凍らせるため、ゴキブリだけでなくヤモリなどにも使用可能。もし家の中に何か出たときのため、一家に1本常備しておくと便利でしょう。我が家も何かあったときのために玄関とキッチンに常備しています。
燻蒸剤を散布
部屋の中にゴキブリがいたけど見失った、もしくは頻繁に見かけるという場合には燻蒸剤を散布するのもおすすめです。燻煙剤との違いは飛散する薬剤の形状の違いなのですが、燻蒸剤の方が即効性の高いものが多いです。といっても、市販されているものは「くん煙・くん蒸剤」のように同列に表記されているものも多く、特別な区別がされていない印象。
もし本当に部屋ごとゴキブリ駆除したい場合には、害虫駆除の専門家に相談してくん蒸処理してもらうのも一つの手段です。私も、一般家庭(賃貸物件)にゴキブリが大量発生しているということで、室内の燻蒸処理をした経験があります。
粘着タイプの捕獲トラップを設置
すでにゴキブリが生息している場合、粘着トラップで捕獲してしまうのも一つの方法。俗に言うゴキブリホイホイで、多くのものは粘着面中央にゴキブリが好む玉ねぎ成分が含まれたエサが設置されており、トラップに入ってきたゴキブリを粘着剤で捕獲します。狭く暗い場所を好むゴキブリの性質を活かした作りになっているため、目につかない場所に設置しておくだけで捕獲できます。
設置する場合、冷蔵庫や電子レンジの裏、トイレ貯水タンクの裏、ソファーの下、下駄箱の中などゴキブリが好みそうな場所に設置するのが重要です。明るい場所ではなく、狭くて暗い隙間に設置するようにしましょう。そのため、粘着トラップを購入する時には設置したい場所に入るサイズかどうかを確認しましょう。
しかし、これはあくまでも数匹が発生している場合のみの応急対応です。屋外から入ってきてしまったゴキブリや、ダンボールに紛れて入ってきてしまった1匹を捕獲する程度の効果しかありません。すでに室内で繁殖してしまっている場合、トラップだけで全てを駆除することは出来ないのです。
大量発生したゴキブリを駆除したい場合
- 燻蒸剤を散布
- 毒エサを設置
- 害虫駆除業者へ依頼
もし屋内で頻繁にゴキブリを見かけたり、夜のキッチンに何匹もゴキブリが発生したりする場合には、室内で繁殖してしまっている可能性が高くなります。長期間にわたって出没する場合、家の中に巣を作って生息していることでしょう。
そこまで大量発生すると、ゴキブリを目にするだけでなく、ゴキブリのフンがたくさん落ちていることもあります。ゴキブリのフンは極小さな黒いツブツブで、ちゃんと気にして掃除していないと気付かないかもしれません。しかし、フンが落ちていると言うことはゴキブリが餌を食べており、複数匹で生活しているということ。
大量発生したゴキブリは普通の殺虫剤で駆除した程度では効果がなく、全匹駆除してから根本を解決する必要があります。1週間に何回も見かけるようになった場合、自分での対処は諦めて害虫駆除業者へ依頼しましょう。多少のお金はかかるかもしれませんが、綺麗さっぱり駆除してもらわないことには解決しません。
燻蒸剤を散布
ゴキブリが大量発生している場合、一度部屋全体を燻蒸処理してしまうのも一つの方法です。家具や家電を移動させ、食器にはカバーをかける必要があるのですが、隙間という隙間全てを燻蒸処理することによって、隠れているゴキブリも駆除できる可能性があります。
市販されている燻煙剤・燻蒸剤で対応される方が多いのですが、市販のものはあくまでも予防程度の成分濃度になっているため、実際に発生しているゴキブリを駆除するためには少し弱い。そこで、ゴキブリがすでに大量発生して悩んでいる場合には、専門の害虫駆除業者に依頼して燻蒸してもらうのが良いでしょう。
フィプロニル系の毒エサを設置
害虫駆除業者へ依頼するまでの応急処置として、ブラックキャップ等のフィプロニル系の毒エサを設置しておくのも一つの方法です。大量発生している時には粘着トラップで捕獲駆除してもそこまで効果はなく、生息している巣ごと駆除する必要があります。家具や家電の隙間に殺虫剤を吹き付けて駆除しようとする方もおられますが、これも表面的なゴキブリしか駆除できないため根本解決にはなりません。
ゴキブリがよく発生する場所はもちろん、冷蔵庫の下、電子レンジの裏、テレビの後ろ、トイレの貯水タンクの下、下駄箱などゴキブリがいると想定できるところ全てに設置しておきましょう。可能であれば、毒エサを食べた形跡があるかを確認して、食べている場所には数を増やすなど対応するのがおすすめ。
といっても、屋内に巣を作って生息されている場合、毒エサだけで駆除することも難しいのが現実です。あくまでも駆除業者に来てもらうまでの応急処置として活用しましょう。
害虫駆除業者へ依頼
一番確実なのは害虫駆除業者へ駆除を依頼してしまうことです。週に何回も部屋にゴキブリが出てくる場合、屋外から入ってきているだけではなく、屋内のどこかに巣を作って生息している可能性が高くなります。特には壁の裏に巣を作っていることもあり、自分で全て対応するのは不可能に近いものです。
私たちのような駆除業者へ依頼いただくと、まずは現場の確認から行い
- ゴキブリの発生が多い箇所の確認
- 生息している可能性のある場所の特定
- 外からの侵入経路の遮断
などを行なって駆除を行います。実際の流れとしては、以下のように進めます。
害虫駆除業者によるゴキブリ駆除の手順
- ジェットスプレーで見えているゴキブリを殺虫処理
- 隙間に対してピレスロイド系殺虫剤で処置
- 室内を燻蒸処理
- ベイト剤(毒エサ)で巣を駆除
- 巣の場所を特定して清掃処理
- 侵入経路を調査して、経路遮断
室内に出てくるゴキブリに対してはピレスロイド系の燻蒸剤や殺虫剤を用いて対処し、隙間という隙間全てを殺虫処理します。さらに通常の殺虫剤では薬剤効果が行き届かない物陰に対しては、専用の燻蒸機械を使用して燻蒸処理します。
市販されているようなものではなく、肩にかけて持ち運ぶような専用の機械で燻蒸を行います。室内にガスを充満させて放置ではなく、実際に業者が燻蒸剤の煙を噴射する機械を担ぎながら隙間へ向かって処理します。そのため、ガスマスクと防護服が必須の駆除作業。
燻蒸まで完了したら、駆除専用のベイト剤(毒エサ)を使用して生き残っているゴキブリ、巣に隠れているゴキブリの駆除を行います。業者が使用するベイト剤は、毒エサを食べたゴキブリを駆除することはもちろん、そのゴキブリのフンを食べたゴキブリにも効果がありますし、毒エサを食べたゴキブリが産んだ卵にまで殺虫成分が伝達します。
ベイト剤でゴキブリを駆除した後には、巣の場所を特定して清掃処理まで行うのが一般的です。ゴミが溜まっている場所、放置されたダンボール、壁の隙間などはゴキブリの住処になりやすく、そういった場所の清掃と殺虫処理、再発しないための処置を行います。
さらに、ゴキブリは最初に屋外から侵入してくるため、侵入経路の調査と遮断を行います。扉の隙間や壁の隙間がないか確認し、隙間が空いている箇所に対してはコーキング処理を行います。
駆除、根本解決、予防の3点セットで行うため、発生したゴキブリを駆除するだけでなく、ゴキブリが発生しにくい環境作りができるというのが一番のメリット。
ゴキブリ駆除を業者へ依頼した場合の費用相場と期間
業者さんへ依頼すると、高額な駆除費用がかかるんじゃないの?
と思われるかもしれませんが、実はそこまで高額な駆除費用がかかるケースは少ないものです。駆除費用は部屋の広さや作業内容によって上下するのですが、相場として一般宅であれば10,000円〜50,000円ほど。
家の間取り | 駆除費用の相場 |
---|---|
1R・1K | 10,000円〜25,000円ほど |
1DK・2K | 10,000円〜30,000円ほど |
1LDK・2DK | 15,000円〜30,000円ほど |
2LDK・3K・3DK | 20,000円〜40,000円ほど |
3LDK・4K・4DK | 25,000円〜50,000円ほど |
4LDK以上 | 30,000円〜程度 |
部屋の数が多かったり大きくなればなるほど駆除費用が高くなる傾向にあります。家が大きい場合、それだけ確認する箇所も多くなりますし、いざゴキブリが発生している場合に駆除作業を行う箇所も多くなるからです。
また、駆除費用には家の大きさだけでなく、どの程度発生の被害が発生しているかも関係します。発生状況の規模によって、そこで発生する作業も変わってくるためです。
発生状況 | 駆除費用の相場 |
---|---|
部屋で1匹見かけた程度 | 10,000円〜20,000円程度 |
キッチンなど特定の場所で数回見かけた | 20,000円〜40,000円程度 |
週に数回、特定の場所に出没する | 30,000円〜50,000円程度 |
週に数回、いろんな場所で見かける | 40,000円〜60,000円程度 |
夜になると複数匹出没する | 50,000円〜程度 |
部屋の広さと発生状況で駆除費用が変わるのですが、もし3LDKのお家でキッチンに数回見かけたからと言って、それぞれの金額が合算されるような計算方法ではありません。金額はあくまでもお家の広さと発生状況をそれぞれ考慮して見積もります。もし3LDKのお家でキッチンに数回見かけた程度のゴキブリ駆除であれば、駆除費用は30,000円〜45,000円ほど。
ゴキブリ駆除作業にかかる時間
害虫駆除業者のゴキブリ駆除作業にかかる時間は、1回あたり1時間〜3時間程度が目安となります。時間に幅があるのは、やはり大きな家や発生状況がひどい案件だと、それだけ調査や確認、処置に時間がかかるため。多くの場合は
害虫駆除の流れ
- 現場確認
- 発生状況確認
- 処置方法の検討
- お客様への説明
- 駆除処理
- 片付け
という形で進めるのですが、発生状況がひどい場合には駆除処理に時間がかかるだけではなく、どのような処置方法が適切なのか、現場を確認しながら検討するところに時間がかかります。処置方法を間違うとゴキブリが駆除できるまでの期間が長くかかってしまいますし、それだけ薬剤等の費用もかかってしまいます。
ただ、長くても3時間程度で処理は終わるので、害虫駆除を依頼する時には半日程度時間を取っておくと良いでしょう。
ゴキブリ駆除作業にかかる期間
実は、ゴキブリ駆除は1回の作業だけで全て完了できず、数回に分けた処理が必要になるケースがあります。特に大量発生しているような案件では、殺虫駆除処理や捕獲だけで完結できず、そもそも生息している巣を特定するのに時間がかかります。ベイト剤(毒エサ)もゴキブリが食べてから効果が発揮されるまでの期間は短いものの、多くのゴキブリに対して効果を発揮するには期間が必要です。
大抵は1回の駆除作業で完了しますし、期間がかかるといっても1ヶ月ほどで完了します。被害が大きい場合はこの限りではないのですが、初回の駆除作業から1週間から10日後に再訪問して追加作業、そのまた1週間から10日後に確認作業をして完了という形が多くなります。そのため、駆除開始から1ヶ月ほどの期間が必要になってしまうのです。
1回の作業で全て駆除して欲しいと思うところですが、やはり生き物を相手にした作業であるため、全てが思い通りにはいきません。殺虫剤に対しての反応や毒エサを食べられている状況に合わせた処置が必要になってくるのです。
害虫駆除業者へ依頼するときに注意すべきこと
害虫駆除業者は害虫駆除の専門家として、発生したゴキブリを最短で、確実に駆除できるように考えて駆除作業を行います。そのため、素人が作業をするよりも効果の高い駆除作業が期待できます。状況によって高額な費用がかかってしまうのですが、実際に自分でグッズを揃え、長い期間をかけて駆除作業を行うことを考慮すると、駆除業者へ依頼するのも節約するための賢い方法。
しかし、ゴキブリ駆除作業は決して安くない費用です。お家の大きさや被害状況によって変わるものの、高いと50,000円を超える駆除費用がかかるケースもあります。駆除作業は行ってみなければ結果がわからないものではありますが、業者を選ぶ際に気をつけるべきポイントがあります。
害虫駆除業者を選ぶ時に気を付けるポイント
- 事前に金額と内訳が記載された見積書がもらえるか
- 駆除の対応期間、対応回数が明記されているか
- 駆除後の保証がついているか
- 損害賠償保険等には加入しているか
事前に見積書をもらう
ゴキブリ駆除は現場確認をしなければ費用の見積もりが出せません。電話やメール等で状況を聞いただけでは実際の状況が把握できず、正確な費用を見積もることができないのです。そのため、電話で聞いていた費用と実際の費用が違うという問題が起きやすい仕事。
害虫駆除業者へゴキブリ駆除を依頼する時には、作業前にしっかりと金額と内訳が記載された見積書を作ってもらいましょう。事前見積もりがない状態で作業を始められてしまうと、後から高い金額を請求される等のトラブルに発展しかねません。
駆除作業の対応期間や回数を確認する
駆除作業をしたとしても、薬の効果が発揮されるまでにタイムラグがあるケースもありますし、予想以上にゴキブリが繁殖していて新しいゴキブリが出てくるケースもあります。実は別の場所に巣が発生していて、そこからゴキブリが出てくる可能性もあるのです。
そういった場合、ゴキブリ駆除が一回の作業だけで完結できない可能性があります。数回に分けて対応する必要があるため、事前に対応してもらえる期間の長さや回数を確認しておくと良いでしょう。
提示された金額で駆除してもらえると思っていたのに、業者さんに確認したら1回だけの費用だって言われた…。
なんてケースはトラブルに発展します。
駆除作業の見積もりをもらった時には、その費用でどれくらいの期間、何回の対応をしてもらえるのか、さらに再発してしまった場合にはどうなるのかを確認しておきましょう。駆除業者も100%完璧に駆除ができるわけではない前提で話を進めるのが良いですね。
駆除作業後の保証期間を確認する
見積もり段階で駆除作業の対応期間や回数を確認することは大事ですが、時には駆除が完了した後にゴキブリ駆除が再発することもあります。駆除作業が十分でなかった可能性もありますし、他に巣が存在してそこからゴキブリが出てきている可能性もあります。業者としては再発しないように駆除作業を行いますが、時には再発してしまうのが現実。
そのため、害虫駆除業者へ依頼する時には保証期間を必ず確認しましょう。どの段階で駆除完了になるのか、完了後何ヶ月の保証があるのか、保証期間後の再発はどう対応してもらえるのか、などを最初に確認してから作業に入ってもらうとトラブルが起きにくいですね。
損害賠償保険に加入しているか確認する
害虫駆除は家の中で作業を行います。駆除作業を行う時には家具、家電を移動することもありますし、もちろん部屋の中に殺虫剤を散布します。そのため、駆除作業の際に物を壊してしまう可能性もゼロではありません。私たち駆除業者は細心の注意を払って作業していますが、それでも万が一はあります。
物品を破損されてトラブルに発展しないためにも、作業前に損害賠償保険に加入しているかを確認しておきましょう。何かあった時にも保険でカバーしてもらえますし、保険会社が入ってくれることでコミュニケーションもスムーズに進みます。
ゴキブリを駆除するには時期と状況に合わせた処置が大事
家にゴキブリが出た時に業者へ依頼すると費用がかかるため、自分で駆除したいと考えている方は多いでしょう。しかし、ゴキブリを効果的に駆除するためには
- 春と秋にゴキブリが発生しないように対策をしておく
- ゴキブリの種類に合わせた駆除方法を選ぶ
- 生息場所を重点的に対処する
- 発生状況に合わせた駆除方法を選ぶ
- 再発防止のために侵入箇所、生息箇所を清掃する
というのがポイント。殺虫剤で駆除するだけで完結するケースもありますが、ほとんどの場合は家の中に巣を作られているため、根本に対して対策しなければいけません。殺虫剤だけでなく毒エサを使用したり、燻蒸剤・燻煙剤を使用したり、粘着トラップを使用したり、と状況に合わせて順序立てた対策が重要。
さらに、家の中で何度もゴキブリを見かけるほど発生しているのであれば、自分で駆除するのは難しいでしょう。家中にゴキブリがフンをしている可能性もありますし、大きな巣を作られている場合には何度も再発する可能性があります。被害が大きい場合には害虫駆除業者へ依頼するのも賢い選択です。
害虫駆除業者に依頼した場合、相場として10,000円〜50,000円ほどの費用がかかりますが、自分で駆除用品を購入して設置・駆除作業を行うことを考えれば、そこまで高い費用ではありません。殺虫・捕獲したゴキブリを捨てる等の気持ち悪い作業も行わなくて良いので、家のゴキブリ駆除でも害虫駆除業者を検討しておきましょう。